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6月6日18時58分配信 毎日新聞
競泳の北京五輪代表選手壮行会を兼ねたジャパンオープンは第1日の6日、東京辰巳国際水泳場で10種目の決勝を行い、スピード社の水着「レーザーレーサー(LR)」を着用した北京五輪代表選手のうち5人が日本新記録をマークした。
男子百メートル平泳ぎの北島康介(日本コカ・コーラ)は、59秒44をマークし、05年に自分が出した日本記録の59秒53を更新。男子二百メートルバタフライの松田丈志(ミズノ)は1分54秒42で、山本貴司が04年に作った日本記録の1分54秒56を上回った。
女子二百メートル自由形では、上田春佳(東京SC)が、1分57秒75をマーク。千葉すずが99年に作った日本記録を1秒03も更新した。
男子二百メートル自由形では、奥村幸大(イトマン)が1分47秒36を出し、自身の日本記録を0秒34更新。女子百メートル背泳ぎの中村礼子(東京SC)は59秒82で従来の記録を100分の1秒上回った。いずれの選手もLRの性能を高く評価し、北京五輪での着用に前向きな姿勢を示した。
日本水泳連盟は10日に開く常務理事会で、スポンサー契約の問題から現在、日本選手に北京五輪での使用を認めていないスピード社製などの水着を解禁するかを決める。
【コメント】
▽中村礼子 みんながぽんぽんと日本記録を出すのを見て「私も絶対に出そう」と思った。LRは、前に1度着たことがあったので、多少慣れていた。五輪での着用は(アシックス製との比較で)まだ100%どちらかとは言えない。コーチと話し合って自分が納得できる選択をしたい。
▽上田春佳 タイムを見て、びっくりした。キックが楽で、空回りしているのかと思ったぐらい。他の水着も試したいが、タイムを出してしまうと、その水着を意識してしまう。
▽奥村幸大 五輪は4年に1度の大舞台で、言葉は悪いが戦争のようなもの。自分に合った水着を着て出たいと思う。
◇日本記録ラッシュでLRへの方向性に拍車
日本水連常務理事でもある上野広治・日本代表監督は「(締め付けの強いLRは)着るのが大変で、真夏の北京では着ることがストレスにならないように気を付けたい」と、五輪での着用を前提とした発言をした。
北京五輪代表選考会を兼ねた4月の日本選手権でさえ、日本記録はのべ8個。五輪2カ月前の調整時期に日本記録が出ること自体が異例で、現場を預かる上野監督としては当然の結論だった。
多くの有力海外選手がスピード社と契約し、北島最大のライバルでナイキ社と契約するブレンダン・ハンセン(米国)も、LRをレースで試すなどの動きもある。北島、中村、上田を指導する平井伯昌コーチは「水着とパフォーマンスを切り離して考えることはできない」と言う。
日本水連が契約するミズノ、デサント、アシックスの国内3社も、これだけの実績を突き付けられれば、反論は難しい。ミズノと個人契約する北島、松田らミズノの所属選手、デサント社員のチームアリーナの選手たちの対応が注目されたが、北島、松田がこの日、LRで日本記録をマークした「既成事実」は大きく影響を与えそうだ。【堤浩一郎】
◆競泳記録
【男子】▽二百メートル自由形 奥村幸大(イトマン)1分47秒36=日本新▽千五百メートル自由形 園中良次(きらら山口)15分36秒00▽百メートル背泳ぎ 入江陵介(近大)53秒95▽二百メートルバタフライ 松田丈志(ミズノ)1分54秒42=日本新▽百メートル平泳ぎ 北島康介(日本コカ・コーラ)59秒44=日本新
【女子】▽二百メートル自由形 上田春佳(東京SC)1分57秒75=日本新▽八百メートル自由形 柴田亜衣(チームアリーナ)8分35秒18▽百メートル背泳ぎ 中村礼子(東京SC)59秒82=日本新▽百メートルバタフライ 加藤ゆか(山梨学院大)58秒74▽百メートル平泳ぎ 田村菜々香(東海大)1分8秒53=1位記録
【ことば】レーザー・レーサー(LR) レーザー・レーサー(LR) 英スピード社が今年2月に発表し、直後の欧州選手権、オーストラリア選手権などで着用した選手が世界記録を連発。今年になって樹立された個人種目の世界記録(のべ18個)のうち、17個をLR着用選手が占めた。極薄のナイロン製生地3枚を超音波でつなぎ合わせ、強い締め付け力で水の抵抗の原因となる筋肉の出っ張りを抑えるとともに、水をはじく性質を高めたのが特徴。
契約する外国選手は米国のマイケル・フェルプス(男子自由形、バタフライ、個人メドレー)、イアン・クロッカー(男子バタフライ)、ナタリー・コーグリン(女子背泳ぎ)、オーストラリアのリスベス・トリケット(旧姓レントン)=女子自由形、バタフライ=、リーゼル・ジョーンズ(女子平泳ぎ)ら、世界記録保持者や五輪メダリストがそろう。
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