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7月3日0時51分配信 毎日新聞
【ウィーン中尾卓司】国際原子力機関(IAEA)の次期事務局長を選出する特別理事会が2日開かれた。当選者が出なかった3月の選挙の出直しとなる選挙が行われ、日本の天野之弥(ゆきや)ウィーン国際機関代表部大使(62)が6回目の投票となる信任投票で23票の支持を獲得、棄権1票があったため、理事国(35カ国)の有効投票の3分の2に達し当選した。天野氏の当選は日本人・アジア出身者として初。3日に理事会の任命を経て、9月のIAEA総会で正式に承認される。
天野氏は唯一の被爆国としての経験をふまえ「核拡散に断固立ち向かう」と訴えた。
核廃絶を究極の目標と唱えるオバマ大統領の米国から支持を得たとされる天野氏は、今後、イランの核開発や、北朝鮮の核拡散防止条約(NPT)への復帰など難題に取り組むことになる。
対立候補は、南アフリカのアブドゥル・ミンティIAEA担当大使(69)らだった。
現エルバラダイ事務局長は11月末で3期目の任期を終え退任する。天野氏は12月に5代目の事務局長に就任する。任期は4年。
天野氏は72年、外務省入省。軍縮不拡散・科学部長などを経て、05年8月から現職。05年から1年間、IAEA理事会議長も務めた。
◇ことば 国際原子力機関
原子力の商業利用を促進する一方で、核兵器の拡散を防ぐ保障措置(査察)をとる国際機関。「核の番人」とも言われる。加盟国は146。57年に設立され、本部はウィーン。開戦前のイラクや、北朝鮮で査察や監視活動を続けてきた。05年、エルバラダイ事務局長とノーベル平和賞を受賞した。
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