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スポーツ報知 2月15日(火)8時0分配信
「第53回グラミー賞」では、B’zの松本孝弘(49)だけではなく、日本人アーティストが続々と栄冠に輝いた。クラシックピアニスト・内田光子(62)、ジャズピアニスト・上原ひろみ(31)、琴奏者・松山夕貴子で、松本を含め、過去最多となる4人の日本人関連作品の受賞。ポップス、クラシック、ジャズ、邦楽と異なるジャンルで栄冠に輝き、これで日本人の歴代受賞者は計8人となった。
英国を拠点に活動する内田は、世界的に“モーツァルト弾き”として名高いピアニスト。クリーブランド管弦楽団と共演した「モーツァルト ピアノ協奏曲第23番・第24番」での最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞受賞に「大変うれしい」と喜んだ。
幼い頃からウィーンで暮らし、1980年代にはモーツァルトのピアノ・ソナタ連続演奏会や主要ピアノ作品録音などで一世を風靡(ふうび)。“モーツァルト弾き”としての名声を得た。06年1月にはザルツブルクのモーツァルト生誕記念コンサートに、ピアニストとして唯一参加。今作は同楽団とのモーツァルトシリーズ最初の録音。それだけに「彼らとは長く一緒に仕事をしてきたので、この受賞は私にとって特別な喜びです」と話した。
内田は、70年のショパン・コンクール2位(現在でも日本人最高位)など数々の国際ピアノコンクールに入賞。09年には日本人初の大英帝国勲章「デイム」(男性のサーにあたる勲章)を授与された。おだやかな性格で知られ、あるインタビューで「1000回生まれ変わったら、999回はピアニストになりたい」と答えるなど、ピアノへの情熱が快挙を生んだといえそうだ。
1960年代前半のデビュー時から共に活動してきた指揮者・小澤征爾さんも祝福。84年ベルリン・フィルハーモニーのデビュー公演で共演し、「当時、ソリストも指揮者も日本人というのはあり得ないこと。カラヤン先生が“征爾が指揮をしろ”と言って下さった」と回想。「世界を舞台に頑張っている妹を見るような気持ちで応援してきました。受賞を心の底からうれしく思っています」とした。
内田は現在、全米・ヨーロッパでツアー中。米国での功績がたたえられた形で、日本でも数千枚のCDの受注が来るなど大きな反響を呼んでいる。
◆上原、日本でCM出演 〇…上原は参加した「スタンリー・クラーク・バンド」が最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞を受賞。米国に在住し、世界ツアーを成功させたほか、日本でもテレビCMに出演するなど人気だ。「素晴らしいベーシスト(クラーク)と一緒にアルバムを作り、ツアーができたことが何よりの喜びです」。この日、都内で行われたイベントに出演し、客席からの「おめでとう」の拍手に笑顔で応えた。
◆松山「日本の琴知って」 〇…大阪出身で米国在住の松山が参加したユニット「ポール・ウィンター・コンソート」のアルバムが、最優秀ニューエージ・アルバム賞を獲得。サックス奏者のポール・ウィンターから依頼され滋賀・信楽にある美術館で録音した。「これをきっかけに、日本の琴という楽器のことをもっと知ってもらえたらうれしい」。08年には太鼓奏者・中村浩二も同ユニットで受賞している。
◆内田 光子(うちだ・みつこ)1948年12月20日、静岡・熱海市生まれ。62歳。父親が外交官のため、12歳でオーストリアへ。ウィーン国立音楽大で学ぶ。69年、ウィーンのベートーベン国際コンクールで1位に輝く。72年に英ロンドンに活動の拠点を移す。84年、小澤征爾氏の指揮するウィーンフィル定期演奏会に参加。パートナーは英国人のロバート・クーパー欧州連合(EU)の理事会対外関係担当事務局長(63)。
◆上原 ひろみ(うえはら・ひろみ)1979年3月26日、静岡・浜松市生まれ。31歳。米国在住のジャズピアニスト。17歳の時、来日中のチック・コリアと共演、絶賛され、99年に米ボストンのバークリー音楽院に入学。03年、アルバム「Another Mind」で世界デビュー。04年、日本ゴールドディスク大賞で「アナザー・マインド」が年間ジャズアルバム大賞受賞。07年に芸術選奨、文部科学大臣新人賞大衆芸能部門受賞。07年9月、ファッションデザイナーの三原康裕さんと結婚。
◆松山 夕貴子(まつやま・ゆきこ)琴の演奏家・作曲家。大阪府生まれ。9歳で生田流で琴を始め、1986年に免許皆伝。93年から米ロサンゼルスを拠点に活動。10年3月、ポール・ウィンターから依頼され日本の信楽山中にあるミホ・ミュージアムでのレコーディングに参加。
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