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産経新聞 9月4日(日)7時56分配信
東日本大震災の災害関連死を判断する県の審査機関が早ければ10月にも設置される見通しとなった。審査機関は本来、市町村が災害弔慰金の支給の可否を判断するためのもの。県は南三陸町を含む県内11市町村の委託を受ける形で設置する。
災害関連死は津波に流されたり、地震で倒壊した建物の下敷きになるなどして死亡したのとは異なり、震災後の過酷な避難生活や被災のショックなどで持病を悪化させたり、体調を崩して死亡したケース。
審査機関は医師や弁護士ら専門家で構成される。7月末現在、災害弔慰金支給等審査委員会などの名称で名取市▽東松島市▽柴田町▽亘理町▽女川町−5市町が設置済み。仙台市▽石巻市▽塩釜市▽気仙沼市▽多賀城市▽岩沼市▽大河原町▽山元町−8市町が設置を予定している。
国が東日本大震災で甚大な被害を受けた市町村に代わって県が審査機関を設置することを認めたのを受けて、県内35市町村の意向を聞いていた。その結果、震災で壊滅的な打撃を受けた南三陸町など11市町村が審査機関を県に委託したいと回答していた。
11市町村の中には設置済みの東松島市も含まれている。同市によると、設置した委員会が未開催で、県に審査業務を委託することも含め検討中としている。委託する市町村の多くは災害関連死の案件が少ないところがほとんど。残りの市町村は調整中と回答した。
県が審査機関を設置するには11市町村の各議会の議決が必要。各市町村の9月議会の議決を受けて県は具体的な設置作業に入る。早ければ10月中にも設置したい考えで「少しでも市町村の行政事務の負担軽減につながれば」としている。
災害弔慰金は家計の主な担い手が死亡した場合は500万円、それ以外は250万円が支給される。県によると、震災による停電によって入院先の病院で十分な治療を受けられなかった場合▽震災で病院に十分な薬剤が確保できなかった場合−など、市町村から災害関連死の判断に迷う案件の相談も寄せられている。災害弔慰金は復旧、復興の貴重な原資でもあり、早期の設置が待たれる。
被災3県では岩手県が11月にも災害関連死の審査機関を設置する見込み。県内6市町から審査機関を委託する回答があったためで、6市町議会と県議会の議決を経て設置作業に入る。医師ら4、5人体制になる見込みという。
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