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歴史教育の在り方について長らく議論が行われているが、そもそも日本の国家としての教育方針はどうなっているのか、そこをまず確認するのが議論の一つの土台となるであろう。それは文部科学省の作成する学習指導要領に、まずは明確な形で提示されていると考えてよい。そこで、市販されていた文部科学省『中学校学習指導要領解説 社会編 平成20年9月』(日本文教出版、平成20年、本体167円)をもとに、この点について確認してみたい。
この本によれば、平成20年以降の日本の社会化教育のポイントは、以下の点にある。
21世紀は「知識基盤社会化やグローバル化」の時代であり、国際競争と異文化共存・国際協力が要請される時代である。このため、「確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和を重視する「生きる力」をはぐくむことがますます重要になっている」(1頁)。
そのため、教育内容については、「基礎的・基本的な知識、概念や技能の習得に努めるとともに、思考力・判断力・表現力等を確実にはぐくむため言語活動の充実を図り、社会参画に関する学習を重視することが必要である」(2〜3頁)。具体的には、「社会的事象に関心をもって多面的・多角的に考察」する態度を養うこと、「コンピュータなども活用しながら、地図や統計など各種の資料から必要な情報を集めて読み取ること、社会的事象の意味、意義を解釈すること、事象の特色や事象間の関連を説明すること、自分の考えを論述すること」、「我が国の国土や歴史に対する愛情をはぐくみ、日本人としての自覚をもって国際社会で主体的に生きるとともに、持続可能な社会の実現を目指すなど、公共的な事柄に自ら参画していく資質や能力を育成することを重視する方向」を目指している(3頁)。
それらを実現するための「基本的な方針は、次の3点に集約される」。第一は、「基礎的・基本的な知識、概念や技能の習得」である(4頁)。その際、「社会的な自立」や「反復」学習の意義が再評価されている。第二は、「言語活動の充実」である(5頁)。「社会的事象の意味、意義を解釈する学習や事象の特色や事象間の関連を説明するなどの、言語活動にかかわる学習を一層充実することとした」。第三は、「社会参画、伝統や文化、宗教に関する学習の充実」である。これは「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」、「伝統と文化を尊重」すること、「宗教に関する一般的な教養」の尊重を指す(6頁)。歴史的分野では、このために「身近な地域の歴史を調べる活動など」の意義が重視されている(7頁)。
以上を踏まえ、総じて中学校社会科の目標は、「広い視野に立って、社会に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う」こととされる(8頁)。
これは第一に、生徒の自発性や学習の過程を重視することを指す。
また第二に、「社会的事象はそれをとらえる観点によって大きく見え方が変化することから、資料を適切に収集、選択、処理、活用し、それらの資料に基づいて多面的・多角的に考察し公正に判断する態度を身に付けさせること」(17頁)、そのために「文献や絵画、地図、統計など」や「作業的・体験的な活動によって得られた幅広い資料」を活用すること(69頁)を指す。
第三に、「「愛情」は広い視野に立って我が国の国土や歴史に対する理解を深めさせた上ではぐくまれるものであり、偏った理解の上に立つものではない」こと(17頁)、「扱う国が一部の地域に偏ることがないように」し(29頁)、しかも「大小様々な地域から成り立っている日本や世界の諸地域を比較し関連付けて考察」する必要があること(22〜24頁)、「自然環境決定論に陥らないように留意」しつつ、「伝統的な生活様式が他の文化との接触や新しい技術の導入、経済活動の活発化によって変容することなどを取り上げることが考えられる」こと(30頁)、政治に関する教育については「いわゆる党派的政治教育を行うことのないようにする必要」(129頁)があることを指す。
第四に、「地理的分野及び歴史的分野の基礎の上に公民的分野の学習を展開するという中学校社会科の基本的な構造に留意して、公民としての基礎的教養を培うことを目指す」こと(17頁)を指す。
第五に、その公民的資質とは「国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者」としての資質であり、「国際協調の精神を養う」(68頁)ことを目標とすること、を指す。このため、第二次世界大戦の項においては、「平和な生活を築くことの大切さに気付かせる」こと、「我が国が多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害を与えたこと」を「我が国の国民が大きな戦禍を受けたこと」と共に重視し、「国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であること」等が強調され(86頁)、戦後改革の項においては「戦後の混乱の中で、国民の貧しさからの解放の願いや平和と民主主義への期待などを背景に、日本国憲法の制定をはじめとして大きな改革が次々に進められ、現代の日本の骨組みが形成されたこと」が強調されているのである(87頁)。また、公民的分野においては、「個人の尊厳と人権の尊重の意義、特に自由・権利と責任・義務の関係を広い視野から正しく認識させ、民主主義に関する理解を深める」ことが重視され(92頁)、かつ「現代社会をとらえる見方や考え方の基礎として、対立と合意、効率と公正などについて理解させる」ことの必要性が説かれる(101頁)ことにも注意したい。「文化の創造には伝統の継承が含まれており」、「自国の伝統と文化を大切にすることは、他国の伝統と文化を認め、尊重することにつながることなどに気付かせること」(100頁)も重視されている。
こう見てくると、現在の社会科教育に関する国家方針は、1)生きる力、とくに基礎的教養を踏まえた上で、資料をもとに自ら思考し、物事の関連性を言葉で表現する力を養うこと、2)資料を多面的・多角的に考察することを重視すること、とりわけ愛国心は適切な事実の「理解」に基づくものであり、「偏った理解」に基づく「国土と歴史に対する愛情」は排除されるべきこと、3)異文化尊重の下、「国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成」のための「社会参加」を奨励する教育であること、であると言える。加えて、4)物事を国家単位のみならず、多様な「地域」単位でも考えつつ、全体の流れを考える必要、5)伝統を変容しつつ継承されるべきものとしてとらえていること、も挙げられる。
このようにとらえたとき、実は学習指導要領は私の考える歴史教育の方針に比較的よく合致するのである。1については、私は常に歴史は暗記モノではなく、社会の在り方について考えるための方法であり、したがって「社会科学」であると主張してきた。2や3については、陰謀論のようなあやふやな根拠に基づいたり、日本に都合のいい史料だけを重視したりして、ただ安易に他国を断罪し日本を賛美するだけの右翼的な「政治的」見解に異を唱え、多様な史料に基づき、日本を含めて特定の国だけを賛美したり断罪したりすることのないよう努め、かつ今後の日本の採るべき政策について考えてきた。第二次大戦や戦後改革に関する評価、平和・人権・民主主義の重視も私の立場に近い(おそらく詳細に検討すれば、ずれる点もあるだろうが)。4についても、私が常々「補完性原理」を強調し、地方分権や国際協力の在り方についても論じてきたことを想起されたい。5については、私が茶道などを事例に、「伝統の批判的継承」を主張してきたことも明白である。
以上のように、私の主張してきたことは、予想外に日本政府の立場と近かったのである。むろん、日本政府が建前=公式的な立場(日本の侵略を認める立場)と本音=非公式的な立場(日本の侵略を否認する立場)を使い分ける「二枚舌外交」をしていることは、これまで指摘してきたとおりだが、少なくともこの本に見られる日本政府の公式的な立場は私の立場と比較的近い。おそらく問題になった「愛国心教育」、「伝統の尊重」などは日本政府の本音の部分に近いとは思うが、政府も社会の実態を無視するわけにはいかないため、結局「偏った理解に基づく愛国心」や「国内の多様性を認めない立場」を否定せざるを得ず、また「伝統の変容」を認めざるを得ないのである。
現在、上記のような文部科学省の公式見解に反するような右翼的な主張が、書店やネット上に溢れており、歴史研究者の研究を「自虐的だ」などと罵る声も多い。文部科学省の言っていることだから正しいなどと主張するつもりはないが、少なくともその公式見解に反しない以上、きちんとした史料的根拠に依拠する歴史書に基づいている私たちが、「自虐的」などというレッテルをはられて攻撃されるいわれはない。明らかに右翼の方が史料的根拠も薄弱で、党派的で、かつ国際平和を乱す者なのである。
高校向けの解説はまだ読んでいないが、おそらく類似の内容であると思う。近いうちに確認したい。
2011年11月13〜14日(日〜月)
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2SzYJ4A1
春がやってきたあああああぅぁぁぁぁぁああ!!!wwww
3次元の女ってマジ柔らかくて気持ちいーのな!
これでお小遣いまで手に入るとか夢見心地すぎてクソワロタwww
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2011/11/23(水) 午後 1:33 [ エロゲーマーな俺にも・・・ ]