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秘密保全法について1

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 2012年4月2日(月)18時30分より、ウィルあいちで秘密保全法に反対する愛知の会結成総会が開かれ、「歌う憲法学者」本秀紀が講演したことは既に書いた。私はこの集会について知人からのメールで知り、もともとこの手の法案の危険性については関心があったため、最新事情を知りたく思い、また結成総会から関わるのも面白かろうと思い、参加した。ただし、会場でもらった資料は興味深かったものの、肝心の集会自体は準備不足がもろに露呈している状況で、本講演も時間の制約のためはしょったものとなったことは、参加者なら皆認めざるを得ないところであろう。おかげで私も議事録を作る気も起きなかった。その後、勉強会が何度か開かれるとのことだったので、それを踏まえて考えようと思い、参加できる機会を待った。
 5月13日(日)13時30分から名古屋YWCA404で中谷雄二弁護士による勉強会が開かれるとのことであったので、参加してとったのがこのノートである。狭い会場の壁には、この法に関する批判の4コマ漫画や新聞記事(中日新聞だったと思う)が貼られていた。会場には盲導犬を連れた人々を含め、40人程の人(中高年のみ?)が参加していたと思う。今回は90分ほどじっくり聞けたので、秘密保全法の問題性が良く分かる内容となったが、自分の法知識の無さを思い知る場面もたびたびあった。休憩をはさんで15時15分過ぎから質疑になったが、個人情報も含まれるため、その部分は以下で簡略にまとめるだけとする。
・この法案が通ると、情報保全隊と公安警察の情報共有に法的根拠が与えられ、合法的な政治活動家のサプライズ逮捕の可能性が高まるであろう。また原発労働者への緘口令が強化され、内部告発を圧殺する手段となる。他方、原発情報秘匿を批判し原発に押し掛けた住民にこの法が適用され逮捕されるかどうかは、力関係次第である。
・情報保全隊に関する仙台地裁判決には、市民に関する具体的な記述があるにもかかわらず「保全隊の活動が特定されていない」として差し止め請求を棄却した点、盗撮の肖像権侵害を認めなかった点(個人情報保護法違反で十分とした)、5人以外には憲法上の権利侵害を認めない点などで問題はあり、控訴したが、自衛隊の具体的な活動について損害賠償を認めた点では画期的である。
・労働運動の低迷を受けて、ユニオン運動に対し経営者が運動差し止め訴訟をする例が最近増えており、この反対運動と合わせて扱っていきたい。
・今のマスコミでは力にならないため、社会的連帯のメディアを作るべきである。
・戦前には法によらなくとも人権侵害が可能であったが、戦後では人権侵害は法的手段によるものに限定された。ただし、人権侵害されていない人々には訴える権利がないという訴訟法留保の問題があり、奥平はそれを批判していた。基本権訴訟という手段はあるが、実務家には知られていない。また、こうした制約ゆえに、金が欲しくなくとも金を求める形で訴訟せざるを得ない場合があり、支持者に誤解を与えることもある(望月:こうした事情を意図的に悪用する形で、左翼は金目当てだとかレッテルをはる右翼も出るのだろう)。
・市民が入りづらい集会の雰囲気や、理解しにくい法文を変える必要があり、またHPを作りインターネットで資料をダウンロードできるなど、新しいツールをより活用する必要がある。ただし、事務局は既にツィッターにこの情報を流しており、4コマ漫画も作成しており、日弁連は分かり易いパンフレットを作成しており、交通費実費の上で、弁護士たちが無料学習会にも協力している。人材不足ゆえに、そうした意見を言う方が手伝ってくれれば、と思う。
・国家に安全・安心の保証を求める「世論」にどう対処すべきかという問題があるが、そもそも安全はともかく、安心とは主観的なものであり、それを国家に求めるのであれば、無限監視の道しかなくなる。これこそ惨事便乗であり、それは自由を失ってまで国家に求めるべきものなのか。中谷は暴対法にも反対である。なぜなら、近代刑法の原則が行為を罰するものであるのに対して、これは属性を罰するものであるからである。むしろ、国家の前に社会があると考え、連帯による安心を考えるべきである(望月:東浩紀が論じたように、こうした「社会の分断が進む中でのイデオロギー無きセキュリティの暴走」の中で、いかに社会の連帯を考えるかが最も難しい点なのだが)。
・この運動には弁護士は多数関わっているが、本以外にも若い世代と接する大学の研究者を関わらせるべきではないか。また、ユーストリームへの参加も検討したい。
・既に情報保全隊による情報はデータベース化されていると思われる。国家公務員管理情報は既に収集されているが、非開示である。
・市民が原発からの風向きを風船で調査する実験を行ったら、岐阜の新聞が面白がって掲載し、それが県議会での審議に大きな影響を与えた。マスコミも使いようである。
・イラクでの自衛隊活動について情報開示請求をしたところ、派兵時には自衛隊員に被害が出るかもしれないという理由で真っ黒の返答が返ってきた。自衛隊撤退後に再度請求したところ、先延ばしの上で、米軍に被害が出るかもしれないという理由で同様の返事が返ってきた。外国軍の安全のために情報を開示しないのは、国家主権に関わると抗議すると、その後大量の文書が届いたが(日時を考えると、政権交代のためではない)、殆ど裁判で問題にした内容であり、結局その程度のことをこれまで「機密」扱いにしてきたのだと分かった。なお、民主党議員の中には、黒塗り資料では議論が出来ないと正当に政府に抗議する議員もいる一方で、国会議員にも守秘義務が必要だと言う議員もいるので、注意が必要である。
・日米共同軍事作戦が露見すると反対運動が起こるため、この法で情報開示を禁じながら実行することが想定される。
 以上のような質疑と提言と感想の入り混じった話し合いが続いた後、会議は閉会となった。このような集会のことを書くと、「ほらやっぱり左翼の集会に出ている」といったようなレッテルばりをする人間が出そうで嫌だが、私自身が「左翼」であることは既に公言しているし(左翼の間でもセクト対立があるのは周知の通りであるが、私自身はそうしたバカげた対立に巻き込まれたくないので、どのセクトにも所属はしない)、左翼の集会であろうがなかろうが正しいものは正しいのであろうから(実際私には為になった)、一応ここに紹介しておく。実は冒頭に挙げたような事情から、私はまだ会員として登録してはいないが、今後も勉強会には機会があれば参加したいとは思っている。

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本人補足:年金情報を保全してませんか? の項も参照のこと。我ながらいいかげんなタイトルをつけると検索が面倒になるなあ…

2012/5/18(金) 午後 4:05 [ a99*90*d ]


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