|
今月の17日に発表された平成21年4月〜6月期の国内総生産(GDP)はブラスに転じたが、経済対策と外需のかさ上げによるもので、自立的な回復にはほど遠い内容であった。GDPの6割弱を占める個人消費は、天候不順が足元の7月〜9月期を直撃した。今後、10〜12月期にはエコカー減税などの「特需」の息切れも懸念される。雇用や賃金の悪化にも歯止めがかかる兆しはない。
また、日本百貨店協会が発表した「全国百貨店売り上げ高概況」によると08 年度の百貨店売り上げ高が前年比で6.8%の大幅マイナスと苦戦している。
そのこともあって、バーゲンを異例の6月に前倒しをした結果、若干上向きはしたものの、この夏の天候不順などブラス要因がなく食料品全体も減となっている。
GDPが改善したとは言え、実質GDPは名目国内総生産(名目GDP)を適当な物価指数で割っているので、実際に個人消費が改善されて「実感」が出てくるような改善ではない。回復の持続力にはまだまだ不透明感が残る。設備投資は前期比4.3%減と5四半期連続マイナスで、住宅投資も大幅な減少が続いている。民需が弱い状況には変わりなく、自律回復に向けた動きはまだ見られない。今後、成長率は年末に向け徐々に失速し、追加的な対策による下支えがなければ、来年以降、再び悪化し、「どん底」をつける懸念がぬぐえない。
この状況で、総選挙を向かえるのだが、各政党のマニフェストを参考にし、選択しなければならない。しかし、はっきり言って、どの政党も非構造的なモノであるように思える。平たく言えば、企業にはミドル・マネジメントあるいはトップ・マネジメントと呼ばれている意思決定機関がある。その人たちが行う意思決定問題の相当な部分が非構造的なモノである。すなわち、彼らが直面する問題の大半は、到達したいと考える目標を必ずしも明確に定義できていると言えないから、そう、あの映画であのヒトが「どうして、現場で血が流れるんだ!」と言うようなことになる?ちょっと例えが悪いかもしれないが。とりあえず、目標を達成するための代替案として、マニフェストに列挙したと言うモノに過ぎない。誰かに言われて「はい、はい」と付け加えるような目標ではないのと同じである。政策を行うのは現場なんだ。あくまで、必要なときに必要なモノをすぐに現場に届けられるための効率性でなければならない。その現場の人たちの試行錯誤のプロセスをシステム的に支援して行こうとする問題解決プロセスを支援するのが政策でなければならない。
身近なところでもそう感じてしまう。社会を取り巻く情報は錯綜し、モノもカネが至るところにありそうに見える。言い換えれば、安心、安全が保障されているような、あたかも見せ掛けの選択肢がいっぱいあって、「これだけあるのだから、まっ、いいや」と高をくくっている、いや、いたのだろう。現実の錯綜。もしかしたら、コンピュータによる情報処理能力の向上が何もかも効率的に処理してしまった結果の現れなのかもしれない。経験や直感までもが合理的選択のための数学的モデルになってしまったようだ。
効率が効果を重視するあまり、例え、効率がよいモノであったとしても、ヒトや企業までもがどんどん減少してゆくのは、どんなモノだろうか?現在、GDPは世界第2をキープしている。これはイギリスの約2倍であるが、そんなことよりも「豊かな日本」と誰もが実感できるようにして頂きたい。
|