だべり場

プリキュアおじさんの住処

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そういえば

今更ですが、本当に今更ですが、プリキュアオールスターズnewstageにて。
プリキュアは今まで基本的には(一部を除き)力の差はないと思われる描写を続けてきましたが。
遂に明確にスマイル<スイート<ハートキャッチ≦フレッシュ<GOGO≦スプラッシュスター≦初代と
(簡潔に言えば古い作品ほど強い)描写してきましたね。
 
今までもDX2におけるハートキャッチ二人組の圧倒的未熟さ、先輩の強さの描写はありましたが、それはあくまでもハートキャッチは当時最新作であり、まだ戦闘経験に乏しかったからであり、ついでに作品内で最弱と言われているのも加味してああなったと思うのですが、newstageでは先輩であるスイートがスマイルを上回っているのは勿論、そのスイートですらもっと前の先輩たちは凌駕してるよ、みたいな描かれ方でした。
 
これに何か意味があるのか、GOGO以前はもはやレジェンドなのか、newstage2ではレジェンドたちも(その妖精たちも)ちゃんと喋るのか……
 
兎も角、newstage2は3月16日放映開始ですよ!
「え?鎧騎士を追いかける?リョウ、お主何を戯けたことを……とういうかだな、そこの女は何者だ!?」
 帰宅した月影とガロンに事のいきさつを大分ソフトに伝えると月影は開口一番こう言った。月影がアホだということを除いてもこの台詞には同意せざるを得ない状況ではある。買い物から帰ってきたらあのアリスとかいう女が鎧来たやつに連れ去られたからその鎧を追いかけるぞ、と言われてもいまいちしっくりこないどころか胡散臭いにもほどがある。そもそも当事者でない二人からすれば宿の部屋に何故鎧が侵入できたのか、という大きな疑問点が浮き彫りになる。一応天才軍人であるところのリョウが普通の状態で鎧なんて大それたものの侵入を察知できないはずもないし、察知できなくとも許すはずがない。この時のリョウの説明には不審な点が多すぎた。
「戯けてねえ。ん、この女はアレだ。変人……じゃなくて、第五支部で俺たちを庇ってビーム受けてくれたやつだ」
「ちーす」
 にやにやと不気味な表情で壁にもたれかかりつつ右手をひらひら自由運動させて警戒心旺盛な月影に挨拶をする狂子。しかしこんな戯けた説明と挨拶では納得できるはずもなく、月影は再びリョウにじとーっとした粘っこい視線を送る。
「リョウ、あのビームから庇ってくれた人が今ここでニヤニヤしているのはおかしいだろう。普通死ぬだろう、あんなの受けたら。少なくとももう二度とニヤニヤすることはできないような重症は負うはずだ」
「う、うう……まあそうなんだけどさ。コイツは能力者なんだよ。不死身の能力」
「え?な、なんだそれは!万が一それが本当なのだとしたら最強ではないかっ!」
「うっす、本当っす」
「だ、黙れい!貴様……本当に不死身だというならば今ここで証明して見せるが良いわ!」
 猛る月影。何故にこんなに興奮しているのかは、詳細は不明だが気持ちは分からなくもない。そんな空腹の猛獣の如きに盛っている月影を瞳に映し下等な生物を侮辱し蔑む意地汚い異様に腹の立つ微笑みで返すのは狂子だ。狂子は特別自分が他人よりも優れているだとか、そんなようなことを思ったことはただの一度もないのだが、このお頭の足りない月影を目の当たりにすると彼女のサドの部分がたちまち拡大し、どうしてもこんな態度を取らせてしまうのだ。体が勝手に……というやつである。
「そう、じゃあ証明してやんよ。ほれ、私の首切ってみな?ほれほれ」
 懐からカッターナイフを取り出し月影に差し出す。その行動に背筋を寒くし、目を剥く月影。所謂箱入りである彼女にその小さい手で握ったカッターナイフで人の首を切り取る覚悟は果たしてあるのだろうか。月影は忍者としてのプライドか、とりあえず大地震の如く震える両手でカッターナイフを受け取る。そしてゆっくりと刃を伸ばし、狂子に向けてまるで素人のような構えを取った。
「………ふふふ、後悔するなよ?どうやら我は貴様を切れないと思われているようだが……全く以てそんなことはないっ!いざ!」
 月影は構えこそ素人な物の、思いきりよく狂子の首を手にしたカッターナイフで掻っ捌いた。否、掻っ捌けるほどカッターナイフの切れ味はよろしくない。実際は首に刃をくいこませ、肉を徐々にこそぎ落としたというのが適切だろう。狂子の首は滅茶苦茶な切り口から千切れて地面に落ち、司令塔を失った体も膝から崩れ落ちる。
「ふー……ふー……ど、どうだリョウ。我だって人を殺めることくらい造作もないのだ。忍者だからな」
 血のこびりついたナイフを床に捨て、少し額に冷や汗をかきつつもなんとか平静を保ちリョウに向く月影。詳しくは知らないが、鍛えられたベテラン軍人といえども刃物で人を刺すのには抵抗があり、刺突で殺した場合その感触が一生手を離れずうつ病にかかってしまう人もいるというが、月影はアホの子だからなのかプライドで恐怖を打ち消したのか実はリョウ同様ちょっと頭のおかしい人だったのか知らないが、どうやら刺突することに実のところあまり抵抗がないようであった。
「お、おお……ちょっと見直した」
 言葉通り少し月影のことを見直したリョウ。接近戦が出来、そのまま殺しに移行できるというのは大きなアドバンテージだ。特に彼女は手裏剣が百発零中であるし、接近戦でその致命的弱点をカバーしたいところ。
「ふ、ふふふ……どんどん見直すが良いわ」
嬉しそうな月影。
 とか、喋っていると間もなく地面に転げ落ちた首が声を上げた。
「ふーん、ちゃんと殺せちゃうんだ。月影ちゃんは健気ねー。ま、男の子はそーゆーの好きなんじゃね」
首が喋りだしたかと思い目を丸くした後小さく悲鳴を上げる月影。そんな怯える彼女をよそに狂子の首を失た体が立ち上がり、首を両手で拾い上げる。そして首のもとあった場所に掲げ、赤黒い触手のような何かによって首と体は元通り綺麗な、完全に無傷な姿態を取り戻した。その奇妙奇天烈な光景に開いた口がふさがらない月影。額からは冷や汗が滝のように流れ出ており、今目の前で起きた自体が一体何なのか、全く理解が及んでいなかった。

ドキドキ!

さて、本日からドキドキプリキュアが放送されたわけですが……
 
イイネ!!すごく良い。それにしても万能型ピンクは珍しい設定だなあ。しかしそれでもキチンと歴代ピンクチームに混ざっても違和感なさそう(寧ろつぼみの方が違和感)だしいいキャラだ。どこか抜けてる天然キャラって感じでしょうか。しかし第一話なのに沢山重要(っぽい)キャラが登場しましたな。特にあの黄色いハンサムは何者なのだろうか。マイスイートハート。しかし、モチーフといい出だしといい手で♡型といいフレッシュっぽいね。いいよ。
 
今作のムーンライトさんポジションになりそうなのは剣崎真ちゃん。剣崎、キュアソード、スペードモチーフ……
ウェイ!!オンドゥルルラギッタンデェスカ!? で有名な仮面ライダーと接点ありすぎワロタ。一年間いじられそうでよかったよかった
 
何はともあれ今期も期待できそうでございます。ええ。オールスターNS2楽しみや。
「ぐえっへっへ!この子供がどうなってもいいのか!?パリアンナ!」
 小さなクリーム色の女の子を捕まえて気味悪く笑う長身で筋肉質な男が言う。その男に人質にされた女の子は少し怯えたような顔で離れたところにいる父と、目の前にいる青い髪の少女――――パリアンナ――――を交互に見ている。父は置いておくとして、青い髪の少女は可愛らしい顔で、大きな瞳で男のことを睨み、しかし身動きが取れないでいる。
「このぉ!ドッキュン、女の子を人質、すごい卑怯なりぃ〜!!」
 少し間延びした声でドッキュン――――筋肉質で長身の男――――に罵声を浴びせるが、それでも男はニヤニヤニタニタ気味の悪い笑みを浮かべるだけで女の子を開放しようというつもりは毛頭ないようだ。ぐぬぬ、とパリアンナはたじろぐ。と、その時パリアンナは唐突に次のように口にした。
「みんな!女の子が、大変なりぃ!パリアンナに、力、かして〜!」
 周りにいてドッキュンとパリアンナのことを注視していた人々に語りかける。その言葉に人々、特に子供は敏感に反応し「パリアンナがんばれー!」みたいな感じで純粋な声援が響き渡る。しかしそれでは足らなかったらしく、どこかから現れた桃色の髪に猫耳が生えているメイド服のスタイルが異様に良い女性がマイクを手にして人々に呼びかける。
「皆さん!もっと大きな声で一緒に「パリアンナ頑張れー」と応援しましょう!さんはい!」
 
パリアンナがんばれー!
 
「いい感じです!もっと大きな声でもう一回!」
 
パリアンナがんばれーーー!
 
 子ども特有のキンキンした耳によろしくない大きな声が数十も一緒になって叫ぶ。ちなみに中には成人した男女の声もあったようだが、あまり気にしてはいけない。
「みんな!ありがと!あとで、お菓子、プレゼント!」
 いうなりパリアンナはどこからかメルヘンチックで少女趣味なステッキを取り出し、天にかざすと「ストレンジング!」と叫び、辺りが一瞬落雷のような何かで包まれ、人々がその眩しさに目を瞑ってしまった次の瞬間にパリアンナは素早く変身。今そこにいるのは〝酔狂魔法少女☆マジカル☆パリアンナ〟であった。マジカル☆パリアンナの姿は先の青い髪の少女がその艶やかな髪を二つに結び、ツインテールで衣装は女子高生が身に着けていたりするセーラー服。ちなみにセーラー服の色は桃色で、現実の至って普通な女子高生では恥ずかしくて着用できないようなものだ。さらにパリアンナは変身後により強化されたステッキをも装備の一つとして持っていた。短いスカートをひらひらさせて、ステッキを振り回し腰元へ持っていき、目元に右手でピース。女神の微笑みで名乗る姿はまさにテンプレート的魔法少女といったところか。そうだろうか。素早く名乗りを済ませたパリアンナは右手の人差し指でびしぃッとドッキュンを指差し、少し怖い顔をしながら宣言する。
「女の子を人質!いけないこと!おしおきなり!」
「おしおきだとー?ふふ、笑わせるんじゃねぇー!!」
 阿呆なドッキュンはせっかく手にした人質を捨て置き、その身一つでパリアンナに特攻。そんな好機をパリアンナが見逃すことは残念ながらなく、ステッキで思いきりぶんなぐられてしまった。思わずよろけるドッキュン。
「いてッ!?ちょちょちょ!ありがとうございます!」
 なぜかお礼をするドッキュンに対してクリーム色の髪をした女の子をはじめとする周りにいた人々は疑問を抱くが、しかしそんなことを気にしているうちにパリアンナは容赦なく必殺技を発動するのである。正義とはいつも理不尽なのだ。
「必殺技、いく!ひっさーつ!『マジカル☆アクア☆スクリュー』!!」
 パリアンナが叫ぶと同時にステッキからとても美しい透き通った水が迸り、まるでドリルのように螺旋状を形作る。その螺旋は水色のキラキラ光るビームとなって無邪気に邪気を蹴散らす。ドッキュン(邪気)は見事にパリアンナ(無邪気)に退治され、情けなくもふらふらしながら逃走、捨て台詞を残しつつはけていった。
「ふふーん♪パリアンナ、さいきょー。あ、女の子、大丈夫?」
「あ……あの……」
 突然パリアンナに手を差し伸べられた女の子は実のところ大迫力にしてふつくしい『マジカル☆アクア☆スクリュー』を目の当たりにしてちょいとビビってしまい、腰を抜かしていた。それを見抜いてか見抜かずかパリアンナは腰を抜かしてしまった女の子に優しく手を差し伸べて、立たせてあげた。
「ぱ、パリアンナ、ありがとうございますっ!」
 立ち上がった女の子は嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、パリアンナにお礼を述べて父のもとへ帰って行った。その女の子をパリアンナも眩しい笑顔で見送り、変身を解く。変身を解くと衣装は液体のようにドロドロ溶けて地面に水溜りとなって消え、パリアンナは元々の私服に戻る。最後にパリアンナは周りにいた人々に笑顔で「今日は、ありがと!お礼に、お菓子、プレゼント!」と口にして天に向けて右人差し指を突き出した。人々がそれにつられて空を見上げるとそこには空中に浮く水球が無数にあり、その水球の中にはお菓子が詰まっていた。ちょっと驚く人々をよそにパリアンナは天に伸ばす右手で指ぱっちん。すると水球ははじけ、中のお菓子は下にいる人々へと降り注いだ。わーきゃー、狂喜乱舞する子供たち。微笑ましい物である。みんながお菓子に夢中になっている隙にパリアンナははけて、再び桃髪猫耳の女性がマイクを持って出現。
「本日はご来場ありがとうございました。この後も『酔狂魔法少女☆マジカル☆パリアンナ』のグッズ販売や、パリアンナとの握手コーナー及びサインコーナーがあるので、そちらもぜひよろしくお願いします」
と人々にお願いし、その女性もはけて『酔狂魔法少女☆マジカル☆パリアンナ』のショーは終了となった。観客は満足顔の子供や一部の大人で満ち満ちて、関連グッズの売り上げも好調。パリアンナと握手するコーナーも大繁盛でサインの売れ行きもよし。
今や『酔狂魔法少女☆マジカル☆パリアンナ』といえば子供(特に女児)やアニメファンに知らない人はいないほどの人気アニメ。日曜の朝と金曜の深夜と、週に二度も放送するという変則的なアニメであり、日曜朝は王道的で親御さんも安心な健全そのものな内容でお送りし、深夜枠は健全で王道なだけでは満足できない大人たちのためのマニアックな(それでもエッチなのは一切ないが)内容でお送りする燃えて萌えるバトル魔法少女アニメ、それが『酔狂魔法少女☆マジカル☆パリアンナ』だ。今年で2年目を迎えるが、その人気は衰えるということを知らず、最近では最高視聴率27.8%を記録するなど、確実にアニメ史に刻まれる名作である。ちなみに主人公であるパリアンナは声優がそのままモデルとなっており、その声優自体も人気が高く可愛い。今日行われたショーでパリアンナを演じたのは着ぐるみを着たアクターや、コスプレをしたアクターではなく、件の声優本人が演じたということもあり客入りがとてもよかった。ちなみに純粋な子供が7割にアニメファンのオタクが3割といった具合だ。このショーへは抽選で500名までが招待されるのだが、子供の方が優先されて当選させたので無差別ランダムに当選者を選出した場合は恐らく子供と大人の割合は五分五分になっていたことだろう。握手会は子どもからすればパリアンナとの、大人からすれば人気声優との握手会だということになる。
 ささやかなグッズを買ってもらいほくほく顔で会場を後にするのは先ほどのクリーム色の髪の女の子である。どうやら今日は父と二人で来ていたようで、母親らしき人物の姿は見えない。未だにショーの興奮が冷めないのか実に楽しそうに嬉しそうに父に今回のショーやアニメのことについて語っている。
「ねえ、お父さん。ショー凄かったね!」
「ん、そうだな。俺も結構楽しめたぞ。つーか迫力ヤバいな。CGってレベルじゃねえ」
「そりゃそうだよー。だって魔法だもん!」
「はは、そうだな。あ、そうだナナ。明日お母さん帰ってくるってよ」
 ナナというのは女の子の名前だ。お母さんという単語に敏感に反応するナナ。
「え!本当?お母さん帰ってくるの!?」
「嘘言ってどうする。だから明日のためにちょっと買い物に行くか!うまいご飯つくらないとだからな」
「でも作るのはお母さんでしょ?」
「その通り!」
 談笑して帰宅する父とナナ。これはよくいるように見える家族の幸せな一日のヒトコマ。
 見る見るうちに、目に見えて回復していくアリスは今、元通りの綺麗な裸体となって気絶し床にへたりこんでいた。かすり傷の一つとしてその体には残ってはいない。更には鮮血に染まったこの部屋も元通り綺麗な白壁の容貌を取り戻して輝いている。これはどうしたことかと目をぱちくりさせるリョウ。そんなリョウを見て口元を僅かに釣りあげて可笑しそうにしているのは狂子だ。
「何が起こったかわからない?」
 笑いに震える声でリョウに語りかける。
「あ、ああ……説明してくれ」
「説明するまでもない簡単なことだよぉー。今のが私の能力。肉や血を司る?……まあ、そんな感じのね」
 狂子の能力。それは肉体の再生や分解など、肉体が関わることならばほぼ何でもこなせるオールマイティな能力。普段は己の肉体を驚異的再生能力で守っているだけであるが、無論今のように血を分けて他人の体を再生することも可能。しないだけで、出来ることは沢山ある能力である。ただし、
「言っとくけど、ちょっと怪我したからって私に治して欲しいなんて思わないこと」
「なんで」
「私のコレは治ってる間も意識あるし、バリバリ痛覚も働く。つまり怪我を治すのに常人には耐えがたい激痛を伴うのねー。今はこの子気絶してるし、それどころじゃなかったから使ったけどね」
 そうなのだ。肉体の再生中、痛覚は普段通りかそれ以上に敏感に働く。肉がひとりでに動いて怪我を修復するのだ、痛覚が生きていれば痛いに決まっている。
「……麻酔なしで大手術を受けるようなものか」
「分かりやすく言えばそうだねー。ま、私は痛いの大好きだから寧ろ率先してダメージを受けに行くんだけどッ」
 凄惨な笑顔に思わずぞっとするリョウ。先ほどまでの外道さはどこへやら、今では一般人に戻ってしまったようで。しかして先の畜生の行為に一片の罪悪感をも抱いてはいなかった。相手は悪人。当たり前のことを下までとでも言いたげな、清々しい気持ちでいっぱいに満たされてリョウの心は晴れていた。寧ろ晴れていた。しかもリョウは結局聞き出したい情報を一切聞き出せていなかったため強情にも痛みに屈せず仲間に関する情報を一つとして口にしなかったアリスに苛立ってすらいた。
「もうこいつ起こしても大丈夫か?」
「ええ、無問題無問題」
 気絶しているアリスの頭にリョウが手を伸ばす。人差し指の第一関節が微かに額を捕えようかというその時であった。部屋のドアを荒々しいが丁寧に解き放ち、忙しく中に侵入してくる者があった。簡潔に言うと侵入者である。侵入者の背は高く、また頭の頂から爪先かかとに至るまで、全身をすっぽりと鎧で包んでおり、見るからに重装備で重量過多。そんな重装備で侵入者は俊敏に動き、瞬く間に全裸のアリスをすくい上げてその頼もしい方にかける。リョウは驚きから一瞬遅れたものの侵入者がアリスを抱え上げる頃には腰から拳銃を抜き安全装置を外して銃口を侵入者の兜へと向けていた。よく見るとその背中には背の高い侵入者と同じほどの長さがある刃が橙色の無骨な大剣が、更に剣にかぶせるようにして無骨な大盾が背負われていた。盾の背負い方のせいでそれはまるで亀の甲羅のようであり、つまり背中を剥ければ大概の攻撃は防げてしまうということでもあった。
「止まれ!止まらなければ撃つ……ぞ……!?」
 リョウが警告するよりも一寸早く侵入者は動いていた。方向はといえばリョウに向かってだ。全身鎧の人物はその巨体と重量に任せてそれは危険な体当たりを繰り出しつつ部屋を出る。その動きはアメリカンフットボールを思わせるものがあった。
「くそ!逃がすかぁ!!」
 不意を突かれたリョウはすぐさま照準を鎧の人物に合わせ、躊躇いなく引き金を引いた。勢いよく飛び出す弾丸は正確に兜の後頭部を直撃するが、よほど硬い鎧だったらしい。兜は少しも凹むことなく、侵入者は無傷で走り去っていった。重装備のくせに俊敏であった。手動マシンガンという離れ業をいとも簡単にやって見せるリョウも呆れるほどに速く、その外見とはアンマッチにもほどがある機敏にして迅速。スピーディ。
「……あれ、アリスの仲間だろうな……ふ……ふふふはは…………どれだけ早くともあれだけ重装備だったなら、確実に足跡が残るだろう……コンクリートの上はごまかせても、この街から出たならばそこには未開拓な森林が広がっているのだ。しかもこの街、出口は一つしかない。確かに凄い手際の良さ、俺が反応できないほどに素晴らしい身のこなしだったが、俺から逃げ切るということはできねえ……絶対に悪はぶっ潰す……賊、悪、魔。一つも許さねえ、逃がさねえ、生かさねえ……」
 リョウは低く憎々しく唸る。吼える。呟く。鎧の去って行った方向を恐ろしいほどに無感情が燃える瞳で見つめて、構えた銃は温かいうちに腰へと再び差し込む。悪を憎む気持ち、悪を許さない気持ち、悪を討ち滅ぼす意気。恐ろしい正義がリョウの力の根源。
 そのリョウを見てくつくつと喉を鳴らし顔を歪ませる狂子。実に愉快そうに、愉快でたまらなさそうに微笑む彼女は来たる闘争の予感をその身で感じ、夢想した快感に肉を震わせて悦びを露わにしていた。
 
 その後、リョウが平常心を取り戻し、狂子が我が物顔で部屋に居座り始めた頃に、買い出しに行っていた月影とガロンは帰ってきた。

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