眼と心に優しい少女漫画達

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鼻と唇の消失

 一昔前の少女漫画を揶揄する決まり文句として、
 「顔中眼ばっかで瞳の中に星キラキラ」というのがある。

 でも少なくとも、
 70年代〜80年代前半あたりの少女漫画、
 眼ばっか、ってことはない。
 高い鼻梁としっかりした輪郭の唇を持つキャラが多かったと思う。
 というか、
 眼だけでなく「鼻や唇の描き方」で人物の性格なども表現していた。
 かなり描き分けていた。
 
 意志の強い女を「敢えて鼻の穴まで描くこと」で強調したり、
 大人っぽい女キャラの上唇がめっちゃくっきり山型だったり、
 下唇に(立体的な質感を出すための)縦線が細かく描いてあったり、
 紅い唇を墨ベタ塗りで表したり…。
 あああっっ画像で例示できないのが残念。
 ちょっと昔の漫画読みの方々は
 池田理代子さんあたりの作品を具体的に思い浮かべてくだされ。


 (低年齢少女対象といわれる『りぼん』などでも、
 お目々の大きさが目立ってはいたが、
 それでも「眼ばっか」ではなかった。)


 で。
 90年前後からかなぁ、
 漫画雑誌が「ジャンル」でどんどん細分化されていった頃。
 エロくない系の一般少女漫画・ファンタジー漫画のキャラが
 なんだか変容していったのを覚えている。
 (青年漫画系はよくわからないので除外ね。)
 
 レディースコミックはエロがどうあれ昔の絵柄を引き継いでいるのに
 (というか昔の絵柄の作家さんが移っていった?)、
 普通の少女漫画のキャラ達の
 鼻と口の肉感・質感描写が薄くなっていった感じ。
 それは瞳の中の「星」がほぼ絶滅したのと同時期だったように思う。

 鼻梁を目立たせることよりも、
 鼻のあるあたりにスッと縦線を引いてそれだけとか、
 下手すると読点みたいなのとか、
 まったく無い、ってのもある。
 (ギャグキャラでなくシリアスシーンでの少女キャラの鼻だよ!)

 そして口。
 男キャラは二本のラフな横線で「男らしい口」を表したりしてるが、
 可愛いという設定の女キャラの唇は昔より一段と小さくて、
 描き方も大雑把。
 やはり、まったく無い、ってのもある。
 とにかく、「唇」らしさを描いていない印象を受ける絵が多くなった。



 

 最近。
 朝日新聞のコラムで、
 眼を強調するプリクラを撮って、
 画像の鼻や口部分を「消す」処理をするとか、
 マスクでいつも鼻や口を覆っているとか、
 そういうティーン達の話を読んだとき、
 「あ、漫画の世界が現実にまで広がったのかしら」なんて思った。

 まさに今、
 少女は「眼ばっか」?
 一昔前の「瞳に星キラキラ」と違っているのは、
 
 ”眼だけの生きもの”に近づいているところかも。

 


 これは
 もっと精密に作品群を調べて
 まとめてみたいテーマである。
 

 
 
 

 前回からの続きね。



 ★『トーマの心臓』(全3巻 小学館フラワーコミックス)

 最近小説化されたとのこと。
 
 参考:『トーマの心臓 Lost heart for Thoma 』(ダヴィンチブックス) 森博嗣/萩尾望都(原作)http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%81%AE%E5%BF%83%E8%87%93-Lost-heart-Thoma-%E3%83%80%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4840128677/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1252052754&sr=1-1

 わたしは
 文庫ではなく、
 昔懐かしいコミックス(昭和51年第9刷!)で再読。

 「『風木』でいくとユーリ→セルジュ、オスカー→ジルベール?」
 なんて
 阿呆なことをかつて考えていたが
 実は逆だった!
 ユーリは不安定で意外にも感情的で脆い。
 オスカーは家庭的には複雑で「不良」っぽい風貌だが
 愛に関しては健全でまっとうな奴だ。
 懐の大きさはセルジュというよりパスカルか?

 んで、
 「『はみだしっ子』なら、ユーリ→グレアム、オスカー→アンジー!」
 これは奇しくも娘と意見が一致した。
 オスカーもアンジーもチェーンスモーカー(爆)だしねぇ。
 ではエーリクは?
 わたしはサーニン説、娘はマックス説。
 
 …なんて他作品キャラの類推などしてしまうのも
 少女漫画の再読の楽しみの一つかも。

 内容については色々なレビューで言い尽くされているから、
 わたしは絵について一言。
 
 1974年の連載作なので
 「絵柄が古い」と感じる人も多いかも。
 でも、少年達が大勢走ったり集まったり、
 そして食堂などで乱闘(?)したり、
 特にそういったシーンがとっても上手い。
 (最近の若い漫画家さんたち、
 このてのモブシーンを自らさらさら〜っと描けるかしら?
 下手すると写真トレースとかに逃げたり
 アシさん頼りだったり
 背景の端役を描くこと自体をパスしたりのような気もする。)
 それから雨・雪・風・葉っぱ・木立の
 多彩で丁寧な描写。
 もちろん花も!魅力的!
 美男美女だけ描けても漫画家にはなれないんだよねー本当に。
 美形たち(もっぱら美少年)だって、
 初期の萩尾作品特有の繊細な線がよくマッチしていて、
 「古くて地味でも素敵」だと感じる。
 
 いやー少女漫画って
 ほんっっとうにいいもんですねぇ♪
 
 なんちゃって。


 
 ★『訪問者 萩尾望都作品集8』(小学館)

 『トーマの心臓』で重要な役どころだったオスカーの
 複雑な家庭事情を描いた読み切り作品が表題作。
 
 ちょぴっと『砂の器』的な
 「大人と子どもの放浪の旅」シーンが印象的。
 
 オスカーのおかあちゃんおとうちゃん、
 今で言うなら「問題親」なんだろう。
 対して、
 オスカーは健気で良い子過ぎる。
 「しょうもない親の元で
 子どもは子どもであることを奪われてしまう」、
 という典型。
 切ない。

 (よく考えるとおかあちゃんは初めからおとうちゃんの被害者なのだが
 何故かおとうちゃんに感情移入してしまった。
 というか萩尾さん、しばしば「母」を微妙に悪く描くね。)

 最後に、泣き所の一節を引用:

 「−ぼくは
 いつも−
 
 たいせつなものに
 なりたかった
 
 彼の
 家の中に住む
 許される子どもになりたかった
 
 −ほんとうに
 −家の中の子どもに
 なりたかったのだ−」
 
 

 
 

 
  

 

 前の記事(http://blogs.yahoo.co.jp/aamane1960/59612867.html)の
 続き、
 というか感想文提出的記事その1(汗)。

 
 ★『フラワーフェスティバル』(全2巻 小学館PFコミックス)

 1巻のpp.4-5の見開きタイトルページに釘付け!
 なんちゃってではない「本当のプロ漫画家」だからこそ
 これだけ魅力的なバレエ世界を画面に表現できるのだなぁ、と
 感嘆しきり。
 衣装をつけての舞台のシーンだけじゃなくて
 レオタードでのお稽古のコマもひとつひとつ丁寧で動きがあって
 いちいち見惚れてしまう。
 2巻のp.34の群舞の動き、
 同p.195のグラン・ジュテ(跳躍)の高さ、
 ここら辺のコマの印象は、
 10年以上前に最初に読んだ記憶がそのままキープされていて、
 再会したみたいで嬉しかった。

 ストーリーは人間関係が少々複雑ではあるが、
 少女漫画の王道を行く安心展開。
 主人公が「バレエはダイナミックで才能充分」なのに
 ドジで少し泣き虫、奥手の割に時々トンデモ言動、というところが
 かのノンナ・ペドロワ(@『アラベスク』)の伝統を
 見事に引き継いでいるしね。


 ★『感謝知らずの男』(全1巻)

 実力派バレリーノのレヴィが主人公の連作3つ収録。
 わたしは第2話「オオカミと三匹の子ブタ」が好き。
 ここで第1話(表題作)に引き続き、
 脇役のシグ(妖しいマッチョガイ)が不思議な個性を出している。
 第3話の「狂おしい月星」は
 友人アーチーの変化とレヴィの苦い思いが描かれているが、
 ちょぉっと先の見えちゃうストーリーかなー。
 でもアーチーの「俗にまみれていく過程」は
 身につまされる感じで感情移入してしまった。

 バレエシーンの見事さは相変わらずだー。
 どこもかしこも素晴らしい。
 
 他に好きなコマはp.26の「マッチョになりたいレヴィの貧弱なポーズ」
 p.27の「憧れ(?)の看護婦さんをぬいぐるみに見立ててみるシーン」
 などなど。
 pp27-30の幻想はホントに、「漫画」ならではの画面なのよ。
 大好き。


 ★『青い鳥(ブルーバード)』(全1巻)

 4作収録。どれもバレエ物。
 
 「海賊と姫君」:
 マクラにジャケットやネクタイ、時にはビスチェとか着せてる
 シーンが時々出てくるのがツボ。
 こういう小物遣いが萩尾さんの絵だと実に映える。
 
 「青い鳥」:
 表題作なのでタイトルページがコミックスの表紙になってる。
 これ、とても魅力的〜。
 お話も一番好きかも。
 特に主人公ヤンが涙ながらに語るpp.100-103が圧巻。
 「なにもかもなくしても 
 希望がなくても
 世界が不条理でも
 舞台だけは美しかった
 あそこには幸福があった
 舞台にだけは青い鳥が住んでた」(p.103)
−−涙涙!

 「ロットバルト」:
 イマドキのネタがラストに絡んでるサスペンス物。
 ちょっと苦手かな?

 「ジュリエットの恋人」:
 ヒロインのサンドラが最初良い味出してたのに、
 恋の魔法(?)で
 平凡な乙女キャラに変わってしまったのが残念ー。
 でもこのヒロインのバレエは上手い!
 

 ★『ローマへの道』(全1巻)

 バレエ&親子関係トラウマストーリー。
 ベタと言えばそれまでかも知れないけれど、
 これはラストで泣いてしまった〜。
 恋愛ストーリーには距離を置いてしまうお年頃のわたしでも 
 母子物には弱いのだった。あうあう〜。
 
 主人公マリオのメンタルな弱さが親譲り、というか
 父親そっくりというあたりが何とも心に沁みる。
 主人公の恋人であるラエラの母語がらみの心情も切ない。


 ♪続きは次回ね♪

 

 
 
 

 

 

 
 

 (参考:熱いかるたブログ→http://www.karuta.org/wp/2009/01/08/post_1749/

 前にちょっと記事にした「自分のことでないと夢にしたらあかん」(http://blogs.yahoo.co.jp/aamane1960/59495726.html)の出典である
 
 「気になるコミックス」を大人買い。
 現在第5巻まで出てる。(雑誌では講談社の「Be Love」連載中)。

 実家に帰る電車の中で
 車酔い体質にも負けないで爆読。
 昨日も5冊全部再読して、
 一番好きな「ちはやたち小学生時代」の部分を
 さらに再々読してしまった。

 この記事を書くにあたって表題を書く前にまたしても1巻分再々読。
 ハマりまくり。

 ホントに面白い!
 少女漫画読み40年の歴史を誇る(?)わたしだが、
 これはスポ根漫画としてトップレベルの作品だと
 自信を持ってオススメしたい!

 百人一首のかるたで「スポ根」、なのだ。
 競技かるたってお正月あたりしか見聞きする機会が無いかもしれないけれど、
 畳の上の格闘技、という俗称は大げさではない。
 
 生で競技を見ると凄いのだ。

 かつて、
 某学園祭で「文化部発表コーナー」を通りかかったとき、
 みやびな和歌の詠み上げとほぼ同時のバン!という轟音に仰天して
 思わずその部屋に入り込み
 「かるた実演」を見学したことがあるが、
 ジャージ・Tシャツ姿でひっつめ髪の女性部員も、
 文化祭ということで袴姿(正装?)の上級生部員も、
 指にいくつもテーピングをしていて、
 鋭い「素振り」を詠み上げの間に繰り返していたのが印象的だった。
 突き指脱臼は日常茶飯事というハードな競技なのだそうな。
 頭脳戦、心理戦という点でも凄いのだが
 身体能力もシビアに問われる高度な競技!

 百人一首は好きだし、
 自分で一人百首を「ダイエット狂歌」ということで
 百人一首からパロディにした際に
 歌の解釈も一通り真面目に勉強したけれど、
 競技かるたとなると
 わたしには無理だなーーーーー。
 
 でも夢中になる人の気持ちはわかるし、
 これを「自分の夢」として邁進している人って、カッコイイと思う。
 某学園祭でもらった「かるた部」紹介のパンフにも、
 そういう
 「ちはやちゃん」が何人も
 かるたに賭ける熱い思いを書いていて、
 心打たれたもの。

 
 あ、『ちはやふる』の話だった。
 この作品はアマゾンでもミクシィのレビューでも
 たくさんの感想が書き込まれているので、
 (ネタばれもあるけれど)
 参照するといいと思いますーーー。
 作者さんは実は、とある複雑な過去を持ってますが
 その時の名前のまま、
 「今度は正々堂々とオリジナル作品で勝負を賭けた」という覚悟と気迫が
 漫画にちゃんとあらわれてます。 

 続刊も古書ではなく新刊を買います。頑張って末次先生。 
 
 

 

 5月の連休の時通読した漫画。
 今回レビュー記入、ということで、
 思わず一気に再爆読してしまった。

 第4巻の巻末解説が何と
 故中島梓さんだ…。しみじみ。
 




 (ご注意:以下の記事では、大雑把な形ですがネタバレもあります。
 ストーリーバレではないけれど。
 まっさら気分で読みたい、という方はパスされるといいかも。)












 さて。
 タイトルの「美少年保存の法則」は、
 裏返すと「醜オジ全滅の法則」であり、
 さらにこの『マリオネット』のシリーズで特徴的!な
 「女性キャラほぼ全滅の法則」も含んでいる。

 いやー最初に読んだときから感じていたけど
 これらの法則、
 シリーズ全編にわたって首尾一貫してる〜
 と改めて実感した。

 で、「保存」「全滅」とは何ぞや?


 


 『マリオネット』は作者自身が
 「ウスラエロコワ」物語と称している通り、
 ああいうシーンや背徳的な関係や殺人(&流血・放火)などが
 てんこ盛り。
 上品で流麗な少女漫画的表現でソフト化されつつも
 ストーリーは基本的にダークだ。

 当然「人死に」も多くて、
 主人公に関わった人たちは、
 次々たくさん死んでしまう。
 
 ところが「美少年」は死なないのだ。
 主人公ダニエルとその周辺の美少年たち、
 いろいろピンチに直面しても
 「誰も死にましぇん」!

 
 かなーり「やなやつ」である某脇役の少年の場合は
 作者的に思い入れがあるようで
 どうも「美少年」にカウントされていたらしく、
 パッと見「美少年」とはとても思えない子だったのに
 最後まで生き残る。
 逆に少女的けなげさと幼さを持つ某脇役の少年は
 美「少年」の範囲外だったらしく
 「見〜た〜な〜ぁ」的きっかけであっさり殺されちゃう。
 そしてすっごい美形の男の子が一人、悲惨な形で亡くなるけれど、
 こちらは本当に年齢的に「美少年」未満だったのだ…。

 こんな感じで美少年は選抜されて保存される物語だが、
 悪役オジたちは殲滅される。
 最初「優しげ」なオジでも
 悪いヤツだと判明した時点で画面では醜オジとして描かれ、
 もうそうなったら余命は僅か。

 ついでに。
 悪いヤツでなくて巻き添えをくってしまう男の人ってのも
 少々いるが、
 みんな美少年とは言えない年だし。



 そして、女性キャラだ!
 悪女、背徳の女にとどまらず、
 ちょっと生意気なだけ程度の若い子も
 なぁんにも落ち度のない脇役少女も
 少女未満?の儚げな美形キャラも
 ほぼ皆バッドエンド。
 ホント凄い。
 愛田さんー、
 女性ってだけで
 年齢職業性格不問、主役脇役おかまいなしに殺す殺す。
 (重要な役どころの女性キャラが一人だけ最後まで生き残るけれど
 これはメンタリティが「美少年」だったのかな?)

 
 

 「美少年は良い子もワルも好きだけど、
 オジなんてイヤ。
 女も実は、きらぁ〜い!」
 という、
 少女たちの深層心理の一部分にフィットしたから
 80年代にウケた漫画の一つになったのかなぁ、
 なんて深読みしたりして。
 
 
 まあストーリーは好みがあるかもだが、
 漫画の上手さは絵柄・タッチ・キャラ造形・構図・背景・効果
 どれも本当に素晴らしいと思う。

 少女漫画好きなら
 背景だけ描いてある一コマや
 ちぃぃぃぃさい一コマも
 思わず凝視してしまうよ。
 一見の価値有り。
 
 
 
 

 
 
 
 

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