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「水鏡綺譚」は単行本の発行は2004年。
で、連載はというと、これがすごい。
1988年から開始で1991年まで、掲載誌は「ASUKA」だ。

懐かしいですねえ。
「花のあすか組」とか載ってたころでしょうかねえ・・・っていっても、さすがに、サラリーマンになりたての頃だし、少女マンガ誌をリアルタイムで読んではいなかったんだが・・・じゃないな、「りぼんオリジナル」読んでたんだな、あの頃は。
うーん、会社の寮を出るときに全巻捨てた記憶があるが、もったいなかったな。
とっておけばよかった。

で、「水鏡綺譚」は、連載中に完結せずに、1992年、2004年と書き下ろしを追加して、やっとこうやって完結して本になったというわけだ。
長い旅だったね、というわけね。

主人公の2人(少年と少女)の目的(失われた鏡=少女の魂、を取り戻す)に向けての、「ロードムービー」でもあるのだが、目的の達成はすなわち2人の別れ(と記憶からの削除)を意味するので、心中ものの「道行」の匂いも常につきまとう。

ま、こういう「何かを手に入れるために協力する男女」が「手に入れたら別離」という運命を背負っている設定は、他にもありますわな。

「どろろ」

もそうだし

「時をかける少女」

もそうだ。
他にもたぶんごまんとあろうね(コメント募集中)。

「俺たちに明日はない」・・・は違うか
「明日に向かって撃て」・・・も違うし、男同士だし
「テルマ&ルイーズ」・・・も違うな女同士だし

そういえば、こないだムスメにアメリカンニューシネマについて訊かれて・・・って何でそんな質問されたのか、というか、あいつは10歳でなぜそんなものに興味を持つのか・・・
あ、そうそう。
どっかの中学の入試問題(国語)の文中に「俺たちに明日はない」ってのがモチーフとして絡んでて、それの説明したのと、ついでに「映画音楽全集」みたいなCDかけてたもんで、他にもその手の映画のタイトルが出てきたからだな。

で、「ヴァニシング・ポイント」だの「イージーライダー」だのその辺のあらすじも説明したけど、結局あれだね、なんか説明しててわかったんだけど、

1)車(バイク)で突っ走る無軌道な若者
2)旅先でいろいろ
3)最後は撃たれて(またはバリケードに突っ込んで)いきなり死ぬ

ばっかしだな。

「どれも同じじゃん」

とムスメ。
はい、そうです。その通りです。
でもね、私の母はね、私が10歳のころに「ヴァニシング・ポイント」みに連れてったんだぜ、映画館に。
おれ、なんだかさっぱりわかんなかったけど、

「ああ、あれこれ好き勝手してさいごは死ぬんだ、そういうのもかっこいいな」

とか思っちゃいましたよ。
いいのか、そんな人生観コドモに植え付けて、母よ。
あと「ジョニーは戦場へ行った」ね。

「ああ、こうやって四肢の自由も感覚器官も奪われてネズミに顔をかじられてもまだ死ねないのね。でも夢だけは見られるし色つきなのね」

とか。
そんな映画コドモに見せてどうするつもりだったんだろう。
何か狙いがあったのか、何も考えずに自分のみたいものに連れて行っただけなのか。
後者だろうな、たぶん。
でもね、本当は俺は「チキチキバンバン」の方をみにいきたかったんだぜ。
コドモだったから。

ま、後に大きくなってから、江戸川乱歩の「芋虫」(最近丸尾末広がマンガにしましたなあ)だの、「ガープの世界」の頭の方の描写だの読むときに役立ちましたけどね、「ジョニー」の映像の記憶。

とかなんとか、アメリカンニューシネマ的な世界と違って、
「水鏡綺譚」

「どろろ」

どこか、「切ない」とか「哀しい」とか「さびしい」「いとしい」とかそういう気配が濃密で、それは日本の作品だからなんでしょうかねえ。
まあ、わかったふうな口をきかせていただくと、あれかね、主人公の「個」が確立してないのかねえ。なんというか、コドモがオトナになる時に「心の全能感」を失うのと引き換えに「身体と行動と社会性の自由度の増大」を手に入れる、みたいなそういう「喪失と獲得」の交換をストーリーや設定に混ぜ込んであると、なんか日本人(の主に男ではないかと思うが)ウケするのかねえ。んで、物語の作法としては、その「喪失と獲得」の交換が、「少年と少女の別れ」と重ねて描かれる、と。
(同じモチーフを「少年と少女」以外の「少年(または少女)と老人」とか「少女(または少年)と何らかの場所」「少年(または少女)と人間以外の生き物」とかにした作品もそれこそ数多く、そんな「物語文」は中学入試問題で飽きるほどお目にかかれる。)

エヴァとか、大林映画とか、宮崎映画(では喪失性は少なく、成長の不連続性は爺視点と婆モチーフによって打ち消されるのでファミリー向けに見えるのだろうか)とか・・・

さて、映画の話ですが、さいごにムスメには

アメリカンニューシネマの世界が好きなら
大槻ケンジの
「サボテンとバントライン」
聴いとけよ。あれは名曲だよ

とか言っておいたけど。
あの歌の主人公と猫(の名前がバントライン)はやっぱり、どちらかというと「水鏡綺譚」「どろろ」の系譜に連なる2人であって、ビリーとワイアットやボニーとクライドの仲間ではないわな。

ああ、日本。
コドモの帝国。

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「僕はジャングルに住みたい 」江國香織でした。「俺たちに明日はない」が登場する小説。
公文国際学園中等部(2009年)、芝浦工業大学中学校(2009年)、玉川学園中学部(2009年)とかで国語の問題文になってる。

2009/12/25(金) 午後 3:39 [ 肋六 ]


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