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小泉さんが官製談合の防止についての立法を考えろと自民党に指示したという。この新聞報道を見て、さすが改革派の小泉さんと拍手喝采をした。
知人の大企業の顧問弁護士が、橋梁談合に関する新聞の記事の私のコメントを見て、『阪口さん、談合は民だけでやっていないよ、殆どが官主導だから民ばかりを見ていると間違うよ』とアドバイスしてくれた。大阪の弁護士は立場が違っても弁護士会とかで知り合うので、自由に語りあう風土がある。大阪の株主代表訴訟が和解になるのは、弁護士同士が親しい面もあるからだ。
それはともかく、官製談合防止に関する民主党の案を以前に読んだ。体系的にはよく出来た法案だと思ったが、これでは官製談合がなくならないだろうと思った。現行の法律を少し修正しただけだからだ。
一例が刑法の談合罪の刑罰を重くするという条文だ。罰金をなくし、2年以下の懲役だけにするという。
今と殆ど変わらない。談合は国の税金を詐欺するのと同じだから、詐欺罪と同じ『10年以下』位
にすべきだと思うが、どうして2年以下なのか疑問だ。
何より、官の談合を公正取引委員会等の官だけに裁かせる立法思想が官僚や自民党と変わっていない。
アメリカに面白い法律がある。税金の無駄使いを内部告発した人に対して、その人が裁判で提訴
でき、勝訴して税金の返還できた分の10%から30%をその個人に報酬を払うという法律だ。
1863年にリンカーンが武器の不正請求に関して制定した不正請求禁止法の1986年の改正法らしい。連邦法である。カリフォルニヤ、フロリダ、ハワイ、テキサス、ワシントンDCなど多くの州法にも同じ内容の法律があるという。
朝日新聞の奥山記者の『内部告発の力』の164Pに『キイタム訴訟』という制度で解説もされている。その本には回復した金額の15%から30%とあり、不正請求防止法の中に『私人が提訴できる』という条文になっていると解説されている。この内容についてアメリカでの取材もあり、一読の価値あり、お勧めする。
談合を最も知っているのは企業の談合に関与する人、それをまわりで見ていて知らぬふりをしている人達だ。官側では官製談合を指導しているのは1人でしているわけではない。まわりの役人も知っている。
これらの人に内部告発をさせて、アメリカのように談合により税金を回収した金額の10%を報酬で払う法律を作ったらどうだろうか。橋梁談合なら年間600億の発注額とすれば、税金の損失分はその10%と見て60億。これを内部告発した人にその10%である6億を報酬として払うとすればドンドン談合の告発がでてくるだろう。それでも54億の税金の得だ。おそらく談合などはすぐになくなるだろう。
そこまでが日本の風土に合わないというなら、次の法案だ
地方自治法では、談合関与役人、議員、企業に対して市民であれば誰でも住民監査請求、住民訴訟ができ、自治体の受けた損害賠償を出来る。
他方国の発注した公共工事に談合に関与した役人に対して国が損害賠償が出来るという条文に今でもなっている。しかし国がしなかったらおしまいだ。国民にその提訴権が与えられていない。
この際、官製談合防止について、国民であれば、誰でも関与役人、国会議員、企業に対してその税金の損害賠償ができる国民代表訴訟を新設するべきだ。
地方自治体の談合には住民訴訟、企業の談合には株主代表訴訟があるのに、国の発注工事における談合には国民がこれを是正する立法がないのは不公平だ。国の談合に関して警察、検察、公正取引委員会、会計検査院などの官が全てをする法律でなく、私人もそれを是正できる立法が望まれる。
そうすれば『官の仕事で民に出来ることは民に』という小泉さんのスローガンにピッタリだ。
官の談合を官にだけしか裁かせないというのも、官と官の談合だと批判される。
もしこのような法律が出来たら小泉さんを永久に税金の無駄使いの防止に貢献した首相と評価するだろう
本当に心から拍手喝采をする。
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内部告発した人が不利益を受けない措置も必要ですね。
2005/12/29(木) 午後 8:00