弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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官制談合防止法について自民党が改正案を検討している。
この点に関して(談合6)で感想を述べた。 http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/21494988.html

自民党の案が具体化してきているらしい
2/6の毎日新聞朝刊によると官制談合罪を新設し、その懲役刑を「3年から5年以下」で調整中だという。http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060206k0000m010110000c.html

刑法96条の3第1項は競売入札妨害罪、2項は談合罪でこの刑罰は2年以下の懲役又は250万以下の罰金である。独禁法3条「不当な取引制限」は3年以下の懲役又は500万以下の罰金である。これを3年から5年前後位に引き上げ、独立の官制談合刑罰法を作るという案である。

刑法などの談合罪の刑罰は軽い。他人の金を詐欺した時は刑法では「10年以下の懲役」である。談合罪は国を騙して税金を詐取したと考えれば10年以下にしなければならない。
それがどうして、5年以下になるのか、民主党の案も自民党の案も談合については極めて甘い。市民の感覚と政党の感覚が違う点だ。

罰金の額もアメリカのシャーマン法では国などに与えた損害の倍額まで課すような条文なっているらしい。(なおこれでは構成要件があいまいになるので、改正前の35万ドル位にする案も一案だ)

なお官制談合防止法=入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律という法律が2003年1月から施行されている。
http://www.city.omachi.nagano.jp/gappei/reiki_yasaka/data/houki/hen02/02000088.htm

この法律が出来てからも、防衛施設庁の官制談合が行なわれているのであるから、官制談合を防止する点で殆ど効果を発揮する法律ではなかったことになる。

条文の1条は「趣旨」2条は「定義」で実質内容は3条以下だ。

3条の「各省庁の長官になどに対する改善措置の要求など」は当然の行政機関内部の定めを書いたもので、当たり前の話。この条文がなくとも公正取引委員会が是正勧告を出していた。例えば1999年11月17日防衛庁の調達実施本部に公取委が是正の勧告をしている。行政機関が談合を無くす措置を講じるのはこの法律の有無に関係なく当然の責務だからだ。殆ど意味のない条文。

5条の懲戒する条文も当然の話であって、この法律の有無に関係なく懲戒が出来る。殆ど意味のない条文だ。

少し新しい点は4条4項の「各省庁の長等は・・・入札談合に関与した職員が故意又は重大な過失で損害を与えたと認めるときは当該職員に対し速やかにその損害賠償請求を求めなければならない」という条文位である。

この条文は「国などに損害」を与えた場合で、官制談合の結果、損害がでたとしても、業者が払えば「国などに損害があったが補填された」ことになり、損害賠償できないことになる。する必要性もない。どうせ業者に払わせるのだから役人は腹が痛まない。この条文も効果を発揮しない。
談合を行った業者や、役人に対してはアメリカのように2倍、3倍賠償をさせるという法律を作らないと痛くも痒くもない。このような案を幾ら作っても官制談合が無くならない。

一度以下の法律を10年時限法で作ってはどうだろうか?
10年で官制談合が無くなれば廃止すればよい

官制談合関与罪新設案
「国、地方公共団体の役員若しくは職員が入札談合等関与行為をした者は10年以下の懲役
又は〇〇百万円の罰金に処す」

官制談合防止法の4条4項の改正案
「各省庁の長等は・・・入札談合に関与した職員が故意又は重大な過失で損害を与えたと認めるときは、当該職員に対し速やかにその約束した【相当額の違約金】の請求を求めなければならない」

この場合には入札業務等に関与する役人に「もし官制談合に加担して国などに損害を与えた場合は、契約価格の10%とか20%の金額を、業者が支払うかどうかに関わらず、その違約額を支払う」旨の誓約書を取るなどすることが必要になる。

入札参加業者には「もし談合した場合は契約金額の10%とか20%を損害として賠償金を払う」旨の念書をさしいれさしている。業者にも約束させているのだから、役人にも入れさせることが可能だ。
こうすると、関与職員が払う賠償金の性格が違うので、談合業者が払っても損害賠償できる条文になる。

防衛施設庁の官制談合の契約額は100億とすればその10%と計算しても、関与した役人には民事上、極めて抑止効果を発揮するだろう。

さらに、【国などが関与役人にその損害賠償の行使を怠る時は、国民がこれを代位行使し、その関与役人に損害賠償の請求をすることができる】という条文を新設することで100%の威力を発揮すること間違いなし。

これ位にしないと官制談合がなくならない。


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