弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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株主オンブズマンが発足して、今年の2月で満10年になった。
本日の大阪読売新聞の社会面のトップに次のような記事があった。

◎株主オンブズマン 経営責任追及10年 利益供与・談合・粉飾… 代表訴訟など30件
 「企業変わる兆し」

総会屋などの株主代表訴訟はミンボー弁護団、贈賄、談合なら、市民オンブズマン弁護士、粉飾決算事件なら、証券被害に詳しい弁護士、消費者に関する代表訴訟なら、消費者問題に詳しい弁護士・・・・と、この代表訴訟に参加してくれた株主側の弁護士が合計で100人以上になる。今多くの弁護士がその経験を生かし、多方面で活躍している。

今までの10年の訴訟はバブルが崩壊し、日本の企業のコンプライアンスの破綻が一挙に噴出したときの株主代表訴訟であった。
これからの10年の訴訟は規制緩和の『明暗』の『暗の部分』を巡る代表訴訟や損害賠償が増える可能性があるだろう。

規制緩和の結果、弁護士3000人時代を迎える。今までは株主側の弁護団の組織に苦労したが、これからはその必要性がなくなりつつある。

上記読売新聞記事を長くなるが、引用させて頂く

◎株主オンブズマン 経営責任追及10年 利益供与・談合・粉飾… 代表訴訟など30件
 「企業変わる兆し」

  大阪の企業監視グループ「株主オンブズマン」が結成10年を迎えた。住宅金融専門会社(住専)処理問題をきっかけに、弁護士や公認会計士、一般株主が集結した同オンブズマンは、株主代表訴訟を最大の武器に、不祥事を起こした大企業の取締役の責任を厳しく追及。

取り上げた問題は、総会屋への利益供与、談合、贈賄、粉飾決算から、障害者雇用や食の安全にまで及ぶ。この間、株主の地位を引き上げ、企業経営に緊張感を与えてきた。

1日に何度も株取引を繰り返す「デイトレーダー」の出現など、株主を取り巻く環境は激変したが、今後も、企業に社会的責任を果たさせるための活動を続ける方針だ。

  1996年2月に結成。同年6月、破たんした住専「日本住宅金融」経営陣らに損害賠償請求訴訟を起こしたのを手始めに、総会屋への利益供与事件では、高島屋や野村証券、神戸製鋼所。銅の不正取引事件で住友商事、リコール情報隠ぺいの三菱自動車工業……。
計約30件の株主代表訴訟などを起こし、さらに、株主提案として取締役報酬の個別開示なども求めた。
  
 株主対象の電話相談を設ければ、さばき切れないほどの電話がかかった。代表の関西大経済学部教授・森岡孝二さん(61)は「バブル経済崩壊で一気に噴き出した企業不祥事を目の当たりにして、株主の意識も変わり始めていた。その受け皿になれたのではないか」と振り返る。

オンブズマンの活動を「総会屋と同じように面倒で厄介な存在」と煙たがる声は根強く、約100人に上る支援弁護士には、顧問企業から契約を打ち切られたケースも少なくない。しかし、「企業側に変化の兆しも見えてきた」と言う。
   
 02年、雪印乳業に対する株主提案が受け入れられ、消費者団体出身者が社外取締役に選任された。ほぼ毎年行っている上場500社への株主総会などに関するアンケート回収率は、96年の19%が2000年には45%、昨年は53%に達した。
  
 現在、主婦や学生までが株式投資を行う時代。ばく大な資金力を背景に、株主の力を誇示する投資ファンドも現れた。〈株主の権利行使〉のあり方が問われるなか、追及の矛先の向け方も難しさを増している。森岡さんは「メンバーから『一定の役割は果たした』と、解散論も出たことがあるが、日本企業が世界基準に達するには、もっともっと透明性と倫理性が求められる。経験と知名度を生かし、情報発信と発言を続けたい」と話している。

研究機関「日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム」事務局長の川内克忠・関東学園大法学部長の話「株主オンブズマンは、実践的な活動で株主の社会的役割を認知させ、経営者に襟を正させる役割を果たした。意思決定の手続きに第三者機関や社外取締役を関与させるなど、企業統治のあり方に与えた影響は極めて大きい」


株主オンブズマンによる主な株主代表訴訟(すべて和解成立)
和解月      対象企業    不祥事など   和解内容
1997年4月  高島屋     総会屋利益供与 1億7000万円(大阪地裁)
  98年10月 野村証券    総会屋利益供与 3億8000万円(東京地裁)
  99年1月  大林組     ゼネコン汚職  2000万円(大阪地裁)
     12月 日立製作所   談合      1億円(東京地裁)
2001年3月  住友商事    銅不正取引   4億3000万円(大阪地裁)
     5月  日本航空    障害者法定雇用 全国平均雇用率達成を約束
                 率未達成    (東京地裁)
  02年4月  神戸製鋼所   総会屋利益供与 3億1000万円(神戸地裁)
 03年12月 三菱自動車工業 クレーム隠し  1億8000万円(東京地裁)

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