弁護士阪口徳雄の自由発言

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公益通報

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【公益通報ハンドブック】という日弁連の消費者委員会の弁護士が執筆した公益通報者保護法の解説本が発行されている。http://homepage3.nifty.com/minjiho/books/kouekituuhou.htm

日弁連の「自由と正義」という会員雑誌に、この本の薦めを書いてくれとの依頼を受けた。立法の過程で、内閣府、国会などで、法案の問題点を指摘しあった仲間の弁護士からの依頼であった。こころよく引き受けた。以下はこの本のすすめである。

【 本法律についての解説書はたくさんある。この本の特徴は何よりも、中村雅人、片山登志子他の弁護士ら、その執筆者にある。
 
 同人らは、公益通報者保護法の制定段階から、公益通報者を保護する立場で、内閣府の法案検討委員、そのバックアップ委員等として立法作業に関与してきたいわば公益通報者保護法の「産みの親」たちである。

日弁連の弁護士の中でこの法律に最も深く関わった弁護士たちである。その結果、内容面も他の多くの解説書とは違った特徴を有する内容となっている。
 
 第一に、本法律各条文の現実の解釈において、未だ判例がない段階では、立法経過、審議内容が重要な役割を果たす。この本は、本法の国会での審議における法案説明の内容を詳細に分析し、同法の適用範囲を明確に示して各条文を解説している。いちいち国会の審議録を調べなくて済む。これは裁判所を説得する際の貴重な資料ともなる。
 
 第二に、この本の特徴は、通報する側の立場から書かれた唯一の本であることである。公益通報者側の相談にのることが多い弁護士にとっては必読文献であろう。
 第三に、Q&A方式で具体例を挙げて書かれていることにより、わかりにくい本法律が非常にわかりやすく解説されている。通報者から相談を受けた際の「相談マニュアル」「訴状」「仮処分申立書」等の具体的対処方法を示しているので、公益通報者の相談にのる場合にきわめて実務的で参考になる。
 
 最後に、この本の真価は次の点にある。
 本法律では、本法で保護される以外の通報対象事実等については、他の法令や一般法理で保護されることになっている(法六条)。公益通報者保護のダブルスタンダードと言われる所以である。

一般法理の保護基準は、これはいくら本法の条文を読んでもわからない。本法の条文に抵触する通報であるから保護されない、と即断すると、弁護過誤を犯す。その場合の一般法理による保護については他の解説書もほとんど言及していない。

この本が最も真価を発揮するのは、一般法理で保護されるかどうかの判断において、今までの内部告発に関する代表的な判例一四件をきわめて分かり易く解説し、その一般法理の基準を導き出し解説している点にある。
 
 以上の結果、この本は、通報する側の立場で書かれているが故に、逆に、告発される側の企業、行政機関等の顧問弁護士にとっても必読文献である。
  公益通報者保護法によるヘルプラインは、大企業、国の省庁、都道府県ではほとんど準備が整った。しかし、それ以外の病院、大学、社会福祉法人や中小企業、市町村の地方自治体では準備はこれからであると言われている。
 
 これらの企業、団体等に関与する弁護士にとっても不可欠な本である。
 
 私が公益通報支援センターの事務局長として公益通報(内部告発)の現場で数多くの相談を受け、面談し、アドバイスをしてきた経験からも、多くの弁護士をはじめ関係者に是非お勧めしたい本の一冊である。】
 
 

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