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このブログは 2006/4/11(火) 午後 4:11 に一度書いた内容である。その後に英文の迷惑コメントが1日に1通から5通入る。よって以前のブログは削除した。再度掲載する
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明日(4/12)に大阪高裁で、JR西の消防署員死傷事故判決がある。
マスコミはいつもの通り、有罪か無罪かが大きな争点であるとして、報道する。
しかし、このような事件の場合には、何故このような事故が発生したのか?
再発防止に関係する真実、背景が殆ど報道されないし、されてもごく一部だ。
1 この事件の概要は
石垣の上のフェンス(高さ1.1m)を乗り越え、JR東海道線塚本―尼崎間の線路の敷地内に侵入し遊んでいた市立中学生2人 の内の1人がフェンスに面した最も外側の下り線路内で大阪発姫路行き「新快速」にはねられ重傷を負った。負傷した中学生 を救助するため、線路内に入った消防隊員4名の内2名が後続列車の京都発鳥取行きの特急「スーパーはくと11号」に接触し、 1人は死亡、もう1人は重傷を負った。運行を指令する指令員などの救助作業中の安全確保が適切でなかったためであると言われ責任が追求されている。
2 1審判決は
報道によると、指令員は「信頼の原則」により業務上の過失罪に要求される注意義務違反はなく無罪となった
3 「ヒューマンエラー」の追求のあり方
私はこの事件が有罪か、無罪かを論じるつもりはないし、その立場にもない。
ただ、このような多くの人間の過失が競合して発生する過失事件において、ある特定の個人の刑事事件で立件して起訴すべきかどうかについて、いつも疑問を感じる。
航空機事故のパイロットや管制官の責任追求、原発事故の担当者の過失責任・・・・などの関係者の過失が連続する事故の場合である。
業務上過失事件では、ある一瞬の「ヒューマンエラー」が過失致死罪に要求される注意義務違反かどうか
を論じ、事件全体の極一部を論じることになる。1秒か2秒の瞬間の責任を問うからである。
事故が起る原因は、その「ヒューマンエラー」が、何故生じたのかにある。その「ヒューマンエラー」から苦い教訓を引き出すことが今後の再発防止に連なる。
事故に関係する人達も、自己の行為が刑事責任追及されることの危険性があるために、真実の事故原因を語らない場合もあろう。
その結果、事件本体がどうして発生したのか、本件の場合であれば、1次災害が発生した場合の事故救出のあり方や、何故、司令員が、安全の為に列車を止めて、注意をしなかったのか、本当の事故原因がどこかに放置される危険性がある。
刑事事件の過失責任を追求するあまり、事件の真相は解明されない。教訓も導き出せない。
特に、現代型の、組織的な事故に対して、単なる個人の過失を問う業務上の過失事件では役に立たない。
仮に有罪になっても、その個人のレベルで反省するだけになるからである。
関係者の責任追及だけではなく、今後の再発防止に関する原因の解明に役立つ事故原因が求められるのに、その「ヒューマンエラー」の評価を巡って刑事事件では争いになり、原因究明は放置される。
そのためには、関係者への免責特権を与えるなどして、再発防止に役立つ情報の提供を求めた方が、長い目でみれば良いのではないかと思う。
特に関係者の「一瞬のヒューマンエラー」で大量の被害者が発生する事故の場合には、何故その「ヒューマンエラー」が発生したのか?その労働者の意識、考え方、ひいては職場環境のあり方、企業の風土などについて、言及した方がもっと社会にプラスになる場合が多い。
JR西が、この事件の再発防止の観点から、真剣な教訓を導きだし、それをその後の運転などに生かしておれば、昨年の悲惨な事故が防止できたかどうかは断定が出来ないが、何らかの影響があったのでないかと思う。
ところが、何故か刑事責任のみが優先され、それで有罪にすれば、責任追及が出来たと判断する市民やマスコミのあり方も問題だ。
企業内部の事故原因の解明や鉄道事故調査委員会の結果が、どのように再発防止に生かされたかを点検する方がはるかに良いように思うがどうだろうか?
その為には、業務上の過失罪等の過失犯の刑事責任の追及やその厳罰化を求める市民感覚について、私達市民自身も反省する必要を感じる
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私も、この意見に大賛成です。『事故が起る原因は、その「ヒューマンエラー」が、何故生じたのかにある。その「ヒューマンエラー」から苦い教訓を引き出すことが今後の再発防止に連なる。』人は必ず一定の確率で誤りを犯す。もし、誤りを犯しても、未然に事故を防止するシステムを構築する。このフェイルセーフを構築しなければならないと思います。個人を処罰しても社会的な利益は少ないだけです。業務上過失犯には司法取引の導入を期待したい。
2007/3/25(日) 午後 11:52 [ 豊橋の輪隣人 ]