弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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5/31の朝日新聞の朝刊に山口進記者の署名入りで【最高裁、変化の兆し 「藤山判決」への対応に見る】と言う地裁・高裁・最高栽の判決を検証した興味深い記事があった。

最近の司法記者は提訴、判決という単発の事件だと記事を書くが、自ら調査して記事を書く記者が少ない。いわゆる調査報道記事を書かないのだ。否書けない記者も多いのか知れない。
調査して書くとなると、記者に自ら書く視点が要求される。その視点の発見は簡単ではない。そして調べた事実を自ら検証するだけの能力が要求される。

東京地裁の藤山雅行裁判長(53)の時代を一部先取りした東京地裁の判決を、記事が述べるとおり、東京高裁の裁判官が破棄した。これを最高栽が高裁判決を破棄をした。
昔は、下級審の判決が時代を先取りし、これを古い年寄りの最高栽裁判官が逆に破棄するケースが多かった。この記事を見て東京高裁は深刻な状況にあると感じた

これらの東京高裁の裁判長クラスは、『司法エリート』と呼ばれる人達である。昭和40年代に裁判官になり、行政に迎合する判決を書き司法内部で『エリート』になった人達である。司法の『エリート』であったが故に東京高裁は深刻である。

私も『最高栽の方が柔軟か?』 というブログを書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/29401308.html 。高裁の裁判官の方が頭が固く、最高栽の方が柔らかいのだ。

このような裁判官には時代の新しい動き、時代を先導する藤山裁判官のような判決は出せない

東京地裁の藤山雅行裁判長は、新しい時代をリードする裁判官だった。(行政部の判決を評価して言っているので、最近はどのような判決をしているか、判らないので過去形にした)しかし異色である。
各地の裁判官は東京高裁のように今なお古い発想の裁判官も多い。

今回の山口記者の調査報道記事は弁護士も非常に勉強になったので、この記事の一部を引用させて貰う。
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 最高裁が変わりつつある。そのことを端的に示すのが、東京地裁の藤山雅行裁判長(53)の一連の判決を最高裁がどう受け止めているか――という点だ。行政の違法性を厳しくチェックして注目を集めた

「藤山判決」は、地裁の次の段階の東京高裁で大半が覆されたが、主要な訴訟については、最高裁がその高裁判決を破棄するという例が相次いでいるからだ=表。藤山判決をめぐる「復活」現象から何が読み取れるか。外部からは容易にうかがい知ることのできない最高裁内部の変化を探った。(山口進)

 ●住民勝訴→高裁で逆転「林試の森」 再び見直しの動き 
 
今月22日。建設相(当時)が認可した東京都立「林試の森」公園を拡張する都市計画事業をめぐる訴訟で、最高裁が注目すべき動きを示した。
 この訴訟は、敷地内にある官舎をそのまま温存する一方、同じ敷地内に住む住民に対しては立ち退きを求めることの是非を問うもので、二審の東京高裁判決では住民側が逆転敗訴していた。
 
これに対し、最高裁第二小法廷は、住民側の上告を棄却する際には必要のない弁論を7月10日に開くことを決め、関係者に通知した。これは、東京高裁判決が見直される見通しとなったことを意味する。
 
この訴訟の一審判決を出したのが、藤山氏だった。藤山氏は02年8月、「可能な限り公有地を利用すべきなのにそうしなかった」として、都市計画を「違法」と判断。国の事業認可を取り消していた。
 最高裁判決は今秋に出る見通しだ。「林試の森」訴訟で、最高裁がどこまで藤山判決の論理に沿った理由づけをするかは不透明だが、国の事業認可を取り消す方向での結論が出れば、最高裁としては初めての判断となる。

 ●納税者重視へ 高い「再逆転率」  約7割。
 
藤山氏が行政訴訟を扱う東京地裁民事3部に在籍した00〜04年に言い渡し、判例雑誌などで公表された30件の税務訴訟の判決のうち、納税者側の主張を認めた割合だ。
 
従来、地裁段階での納税者側の勝率は数%とされていただけに、革命的ともいえる数字だった。
 こうした藤山判決はしかし、「司法は行政にあまり口を出し過ぎるべきではない」といった価値観を持つベテラン裁判官が多い高裁ではほとんど覆された。ところがその後、最高裁で「復活」するケースが相次ぐ。(以下一部略)
 
昨年の最高裁大法廷で、裁判で行政の違法性を問える市民の範囲(原告適格)を広げた小田急線高架化訴訟の一審も、藤山判決(01年10月)だ。
 最高裁は原則として、法律問題に限って審理する。それ以外は判決ではなく、書面だけの決定で上告を棄却する。このため「藤山判決のその後」のすべてをフォローするのは難しい。高裁で覆ったままのものも、公表されただけで10件はある。
 
ただ、最高裁が高裁判決を破棄する率は全体で3%前後であることを考えると、「再逆転率」は高いと言って間違いなさそうだ。

 ●「消極主義」から脱却図る
 藤山判決は、最高裁にどんな影響を与えているのだろうか。
 「普通の人に近い感覚から問題提起をした功績は大きい。社会の変化に対応するためには、従来の法的解釈だけでは対応できない」。ある最高裁関係者はこう言って藤山判決を高く評価する。
 その評価は、同時に、藤山判決を受け入れた最高裁自身の変化、つまり司法改革の流れの中で従来の「司法消極主義」から半歩抜け出そうとする姿勢への変化をも物語っている。
 別の最高裁関係者はこう解説する。
 
「ここ数年、最高裁裁判官の間の議論が自由になっている。弁護士や学者出身の裁判官などもみな持ち味を出し、自由に発言するようになった。キャリア裁判官出身者がにらみをきかすこともなくなり、黒衣役の調査官の報告書の内容が覆されることも多くなった」

 最高裁のそうした変化には、町田顕(あきら)・最高裁長官(69)の影響もありそうだ。町田長官は初任時代、藤山氏と同じ東京地裁民事3部で、司法の行政チェックの先例となる数々の判決に関与した。
 
02年の長官就任後は「(上ばかり見る)ヒラメ裁判官はいらない」「神髄は自分の信念を貫くことにある」などと訓示。法曹界では、藤山裁判長を意識した発言とも受け取られた。
 
一方、行政に対して厳しい姿勢で臨む藤山氏の背景には何があるのか。
 藤山氏が最近書いたエッセーに、それをうかがわせるような一文があった。「実務租税法講義」(民事法研究会)に収められた一節には――。
 
「近代市民社会は不当な課税への抵抗を通じて形成されたと言っても過言ではない」「法に従った課税が実現されるよう課税庁に対して司法機関が適切なチェック機能を果たすこともまた重要な課題である」
 
行政が恣意(しい)的に市民や企業の財産を侵しかねないことへの危惧(きぐ)。それが、藤山氏が手がけた数々の税務訴訟や「林試の森」訴訟の判決の根底にある。
 
また、行政が住民に経済的な負担を課すことは、公有財産によっては目的を達成できない場合に許されるという考えは、戦前に活躍した憲法学者・美濃部達吉の「日本行政法」に由来するものだ。同書は藤山氏の座右の書だといわれ、藤山判決の中で実際に引用もされている。
 
藤山判決は、高裁で覆され続けるとともにその「特異性」が喧伝(けんでん)された。藤山氏は04年、東京地裁医療集中部に異動し、現在も同じ部署にいる。
 
■藤山裁判長が関与した主な判決・決定と→その後の高裁→最高裁の判断
 (○=藤山裁判長の判断ないしそれと同じ結論、×=異なる、△=その他)

01年 3月 旧興銀への追徴課税を違法として取り消し   ○ × ○
01年10月 小田急線高架化、事業認可は違法と取り消し  ○ × △
01年10月 談合を追及する住民訴訟の原告に公取委が事件の記録を開示した処分は適法 ○ × ○
01年11月 難民認定を申請中、不法入国などを理由に収容されたアフガニスタン国籍の男性5人について収容を停止 ○ × ×
02年 3月 大手銀行を狙い撃ちにした東京都の外形標準課税条例は違法・無効と判断。都に納付分の返還を命令 ○ ○ △(和解)
02年 8月 官舎を温存して民有地を収用する東京都立「林試の森」公園拡張事業の認可を取り消し ○ × △(審理中)
02年11月 自社株購入権(ストックオプション)の行使で得た利益は一時所得と判断。給与所得とした課税処分を取り消し ○ × ×
04年 1月 第2次納税義務者の不服申し立て認める    ○ × ○

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私は、次の言葉に感服しました。 行政が恣意(しい)的に市民や企業の財産を侵しかねないことへの危惧(きぐ)。・・・ 最近の、行政庁の処分行為の連発は、国民から、行政の企業への監督の怠慢を非難されたことから来る、反動の面もあると思われ、行き過ぎが企業活動の自由闊達さを奪い、経済の沈滞につながらなければよいと思うのですが。

2007/3/15(木) 午後 9:18 [ 豊橋の輪隣人 ]

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