弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

談合

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11/20に東京新聞朝刊に『談合根絶の処方せん』と題する記事が大きく報道された

東京新聞の橋本誠記者から「従来の告発型の運動から、提案型の市民団体の運動に興味を感じた」ので取材を受けることになった。市民団体、とりわけ弁護士、公認会計士などの専門家の活動は、告発も必要だが、改革しようとすれば、時には、提案型の活動も必要だ。

談合は、国、自治体の入札改革によって大半は、無くすことが可能だからだ。入札改革について、御用弁護士や御用学者がエセ検証するのでなく、今まで談合を厳しく批判していた、外部の専門家が評価し、検証して、入札改革すべき時代に入ったことを痛感する。

以下、東京新聞のインタネット版記事を引用させて貰う
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20061120/mng_____tokuho__000.shtml
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『談合根絶の処方せん』身びいき『官製』招く』

 この夏以降、福島、和歌山、宮崎など各県で談合の摘発が相次いでいる。司直の攻勢に業界や自治体は戦々恐々だが、発注する行政側の改革なくして、根絶の道は開けない。先月、大阪で談合防止策を行政に提言する「入札改革支援センター」が設立された。現在、特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を申請中だ。同センターの中心メンバーである阪口徳雄弁護士(63)に処方せんを聞いた。 (橋本誠)

 かねて、阪口弁護士は談合の告発に携わってきた。入札改革支援センターの設立で、従来の告発からさらに一歩踏み込み、行政の制度変革に挑む。

 ことし七月、奈良県生駒市の山下真市長から「入札を見てくれへんか」と相談を受けた。これが直接のきっかけだ。三月に談合を告発する市民団体「談合防止センター」(大阪府)をつくったが、情報公開訴訟や住民監査請求より、内部から制度を改革する方が談合根絶に効果的だと考えた。

 NPO法人の認証を申請したのは、任意団体では相手にされないから。法人格とそれなりの組織、さらに財政もしっかりして初めて相談に来る。参加者は関西の弁護士十八人、公認会計士二人の計二十人。大阪府の認証が得られる来年二月には、入札改革に取り組む自治体の職員も入れたい。

 古くて新しいテーマである談合根絶。長く「イタチごっこ」が続いてきたが、センターは具体的にどうそれと格闘していくのか。

 まず、入札を改革したい市民や議員への助言。入札結果調書の入手方法といったイロハから無料でアドバイスする。

 もうひとつは生駒市のように自治体の依頼で入札制度を調査し、提言すること。これは有料。生駒市では弁護士二人、公認会計士一人で調査し、五十万円で提言した。普通の弁護士費用なら三百万円はかかるはずだ。市民は無料でいいが、自治体は改革すれば利が生まれるわけだから、実費などは負担してもらう。

 それと、自治体の入札監視委員会にも訓練された弁護士を推薦する。形だけの顧問弁護士より、私たちの方が刺激になるはずだ。

 その活動の“初陣”ともいえる生駒市のケースではどんな提言をしたのか。

 まず、過去四年分の工事発注や物品購入の入札を調べた。大半が指名競争入札なのだが、その指名が市内業者に偏っていた。そのため、市外業者を入れるよう提言した。(市内の業者に偏る根拠の)地元業者の育成論は根強かったが、まずは30%だけ入れようと。きっと、落札率(行政が決める予定価格に対する落札額の比率)は下がるはずだ。

 実際、入札制度改革に取り組んできた神奈川県横須賀市では、落札率が70%台まで落ちた。そうした先例を長野県や宮城県も学んでいるが、制度改革に取り組んでいる地方自治体はまだまだ少ない。

 でも、来年は統一地方選がある。これだけ談合が問題になった以上、候補者も入札改革を掲げるだろう。不祥事が起こった自治体は待ったなしで、改革に手を付けることが多い。わがセンターとしても、アプローチしたいと考えている。

 今月十五日には、和歌山県知事が「官製談合」の疑いで逮捕された。昨今の談合では、行政自らが調整役となる官製談合が圧倒的に増えている。

 和歌山だって改革はしていた。だが、それはザルだった。どういう意味か。

 和歌山でも(業者の提案を自治体が審査して選ぶ)プロポーザル方式や(業者を公募し、一定の技術力や意欲がある業者を指名して入札する)公募型指名競争入札を導入し、落札率は90%程度にはなっていた。

 ただ、深刻な問題はここからだ。プロポーザル方式などの改革で業界内の談合がなくなってくると、ときには利益を無視した落札率50%台といった業者のたたき合いが起きてくる。

 そうならないために官が業界を守る、つまり、官製談合が横行するようになった。しかし、官製談合の根にある「地元企業育成」という論理は、実は(経営体力のない)地元企業を温存させているだけだ。

 ことし一月の独占禁止法改正で、談合の罰則が強化された。これにより、建設業界の談合組織が壊滅的な打撃を受けたという見方がある。だが、その一方で現実にはまだまだ罰則は甘く、組織も温存されているという説もある。

 談合組織は確かになくなりつつある。落札率がこれだけ全国的に低下したことはかつてなかった。スーパーゼネコンなど大手建設会社は談合をやめようと業界内で呼びかけており、「談合屋」と呼ばれた担当者はなし崩し的に辞めさせられている。彼らは地方の公共工事で、地元企業とJV(共同企業体)を組む入札は辞退している。地元同士の談合に巻き込まれ、やけどする恐れがあるからだ。

 ただ、司直も談合ばかりやっているわけにはいかない。談合組織の「三年か五年は我慢。静かになったらまた復活や」という声も水面下からは伝わってくる。

 たしかに罰則は強化されたが正直、まだ不十分だ。指名停止処分を受けるとしても、談合したほうが得なのが実態だ。

 例えば、公共工事入札の課徴金(売上額に対する罰金)は今回の独禁法改正で6%から10%に引き上げられたが、15%に上げる案は経団連が恥も外聞もなく反対した。10%では仮に落札率を95%とすると、業者の取り分は予定価格の85%。土木で67−68%、建設で75−83%といわれる損益分岐点をまだ上回っている。つまり、利益は罰金を科せられても出るわけで、痛くもかゆくもない。

 三十年も談合していたと自白しても、科せられる期間が過去三年分だけなのも問題。せめて民法の不当利得の時効と同じ十年にすべきだ。それに談合の実行行為者に出る判決は暴力団関係者を除けば、執行猶予ばかり。逮捕者が社員だけでトップに責任が及ばないのもおかしい。今月十日の橋梁(きょうりょう)談合事件の判決は実刑だろうと思っていたが結局、全員執行猶予だった。裁判所の感覚がずれている。

 指名停止期間も短い。直接、談合で被害を受けた自治体などからの指名停止は大体八カ月から一年。他の自治体でも指名停止を受けるが、これは二、三カ月。これでは、ほとんど企業にとって損害にならない。

■20社で反乱30で不能に入札参加業者増やせ

 罰則規定の強化とともに談合防止の決め手には何が必要なのだろう。

 制限付き一般競争入札を導入し、参加業者を増やすことだ。指名競争入札にしても、大体二十社前後になると誰かが反乱し、三十社程度になるともう談合はできなくなる。

 それと何より、精神的な風土を変えなくては。業界やその受益者はまだ、議員や首長の選挙で談合を容認し、業界と癒着した人を応援している。口では税金の無駄と言っていても、自分の腹が痛んでいるわけじゃないのが難点だ。市民はタックスペイヤー(納税者)の視点を持ってほしい。

<メモ> 制限付き一般競争入札 仙台市の公共事業をめぐる贈収賄事件などを受け、建設省(当時)が1994年に導入。不特定多数の業者を自由に競争させる一般競争入札の特徴を生かすとともに、工事の質を確保するため、技術や経営状況に一定の条件を設定する。地方自治体にも広まりつつあるが、対象を大規模工事に限定する市町村が多い。

 改正独占禁止法 2006年1月施行。違反企業に対する課徴金算定率を引き上げ、大企業製造業は売り上げの6%から10%になった。違反行為を早くやめた業者や自主申告した業者は課徴金を減免し、繰り返した業者からは加算徴収する。公正取引委員会には、裁判所の許可状による捜索、差し押さえなどの強制捜査権を付与。従来、東京高検に限られていた刑事訴追が、全国の地検で可能になった。

<デスクメモ> その昔、談合は「助け合いだ」と零細業者たちからよく聞いた。根は農村共同体を引きずる因習なのだろうが、裏切れば「仲間はずれ」という残忍さも伴う。逆に自由競争の徹底は弱肉強食。金持ち企業の談合には単純に怒れるが、零細業者の摘発を聞くたび、模範解答では割り切れない思いに沈んでしまう。(牧)

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尾崎正直高知県知事は、「報酬等の源泉徴収漏れ(不納付)と県警の長年の無申告」について税務署の見解に従わない。また、県警は、無申告の事実を認めており、会計指導課は納付漏れを認めているにもかかわらず、監査委員である坂本千代税理士と山本広明、西森雅和県会議員、奴田原訂委員長は、この所得税法違反の実態について住民監査請求を却下した。これは、背任罪に相当すると思うので、この「問題の所在」を提起したい。
まず、税務署の法解釈では、源泉税の徴収義務者である県には、この会計資料を7年保存する義務がある。かつ、県警が隠蔽や偽計目的で長年無申告を続けていたのなら、重加算税35%の対象になり、国税通則により7年の修正申告を求める事案となる。さて、知事部局では20年度の5%程度の開示の部分に2件の徴収漏れ事案が発覚した。ところが、県は長年、書類の保存を5年と法解釈していたので、紙ベースの書類が2年分存在しない。電算処理しているデーターを復元するには、外部委託している会社に最低でも24万円の余分な公費支出が必要になる。

2010/2/8(月) 午後 7:23 [ エコビレッジ・コスタリカ共和村 ]


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