弁護士阪口徳雄の自由発言

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「放送命令は違憲」 NHK巡り市民団体が国を提訴へ朝日新聞2007年02月06日08時01分

この為の集会が2/27午後6時半から開催される『NHKと放送法』の市民集会(NHK30)
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/46019167.html

この集会の参加者は会場の関係で100名に予約制にしていた。しかし報道後に、反響が大きく、当初予約制で100名としていたが、難しいので、先着順に200名の、会場を変更したと先ほど事務局から連絡あり。資料代1000円。

連絡先の電話06−6946−4910
ァックスは06−6945−0691。『NHK市民の会』あて。
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≪2/27午後6時半。『NHKと放送法』についての市民集会が開催される≫

場所は大阪駅前第2ビル5階。大阪市総合生涯学習ルーム第1研修室
http://www.manabi.city.osaka.jp/Contents/lll/center/center.html

具体的には
*NHKの受信料の法的性質と義務化問題=これは私が報告予定
*総務大臣のNHKへの放送命令の取消訴訟にの内容=弁護団から報告予定

それを受けてNHKの放送のあり方などについて討論する予定。
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総務大臣の放送命令の違憲を争う今回の裁判は、『拉致放送が是か非か』を問う訴訟ではない
総務大臣の『放送命令が憲法上許されるかどうか』を問う訴訟である。

憲法21条は
1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

戦前、NHKが国家、軍部から、国民を戦争動員に狩り出す手段に利用された
そのために幾百万の国民が犠牲になった。このような悲惨な体験から憲法21条が創設された。

しかるに、1950年6月放送法が制定された当初から、放送命令が規定されている。
殆ど死文化されたママの条文が現総務大臣によって生き帰ってきた。

この条文が憲法21条の表現の自由に抵触するというのが、今回の訴訟だ。
憲法が優先するのか、それとも放送法の命令が許されるのか、これをどう解釈するかの裁判になる。

原告側の主張は、おそらく次のとおりとなろう

1 テレビの放送の自由は21条1項で憲法上保障されている。検閲も2項で憲法上禁止されている。

検閲とは
テレビなどの放送機関に、事前に何を放送するのかチェクして、ある報道を禁止すること=不作為を命じることを言う。他方命令放送は、事前に放送機関に、ある報道をするよう作為を命じることを言う。この差は作為か不作為かの差でしかない。
いずれも、憲法上禁止されていることは明らかである

そうすると、命令放送は事前検閲が許されないと同じように、作為か不作為かの差は別として、憲法21条違反となる

2 国家、行政機関、大臣らが放送機関にあるテーマーで命令するなら普通は違憲となる。

国家、政府でなく、政府、政党から独立したアメリカ型の連邦通信委員会(FCC)である電波管理委員会を設置し、その委員会が、命令放送も出来る法構造ならば、別という考えで、1950年6月放送法が制定され、命令放送が規定された。

行政権力が、NHKに命令できるという条文は憲法で、禁止されていたので政府などから独立した電波管理委員会なら、少なくとも憲法21条をクリヤーできると考えたのであろう。

昭和27年の7月、アメリカの占領政策の終了に際して、政府はドサクサに紛れ、政府、政党から独立したアメリカ型の連邦通信委員会(FCC)である電波管理委員会を廃止した。

そしてこの管理委員会の権限、業務が殆ど郵政省に移管された。
本来なら独立の電波管理委員会が廃止されるなら、命令放送条文も削除されるべきだった。

当時は、放送法の固有問題から、電波管理委員会が廃止されたのでなく、行政簡素化の一環として委員会が廃止されたので、命令放送はそのまま十分検討もされないまま、残された。
しかも電波審議会などという『エセ』審議会が設置されたが、これは総務大臣の下請け機関。

他方電波管理委員会は政府、国会、政党から独立した準立法、準司法、準行政機関。

3 今回のNHKへの放送命令が、許されると、憲法改正、消費税導入、NHK受信料義務化法案だって、総務大臣の命令ができる事態となる。
 
上記2に述べた、歴史的経過があったので、歴代の総務(郵政)大臣は放送命令が出来ても、具体的なテーマーで放送命令を出すことに運用上配慮してきた。

しかし、現総務大臣は、ピントがずれていたのか、それとも、総務大臣のパフォーマンスの為か、突然拉致問題の放送を命令した。これを安倍総理は憲法21条を理解できていないのか、総務大臣を支持した。

拉致問題は政府、国民にとって重要な課題である。これは誰しも疑わない

しかし時の政府が、重要だからといって、TVなどの放送機関に命令を出せたのでは、放送の自由は死滅する。

消費税が今最重要課題だ。やれ憲法改正問題が最重要問題だ。

現総務大臣にいたっては、当面、NHKの受信料義務化法案が最大だという危険性すらある。

このようになっては、NHKは、政府、総務大臣の命令ばかりになる。

4 NHKの契約者の地位がどのような法的地位かがあらそわれる
今回の総務大臣の命令の取消を求める訴訟は、原告適格が争点となる

本来は大臣の命令の当事者はNHKだからだ。
それをどうして、第3者であるNHKの契約者が取消訴訟が出来るのかという問題である。

(1) NHKの受信契約者は、NHKが有する『放送の自由』の反射的効果の結果、放送の自由権を享受できる地位でではない。

契約者はNHKの放送の憲法上の自由権とは別に、行政機関から、介入、命令されないNHKの放送を聞く権利=広い意味での知る権利を有する。これは憲法上保障されている。

(2) 電波法は当事者だけでなく、利害関係人も審理に参加できるという法律構成になっている

第89条  利害関係者は、審理官の許可を得て、参加人として当該審理に関する手続に参加することができる。

電波法は必ずしも名宛人だけが法的利益があるとは考えていない証拠。

(3) 行政事件訴訟法は原告適格を広げた。この事件で原告適格が認めれないと行政事件訴訟法の改正が意味をなさない。この改正はこの訴訟に追い風となろう。

NHKや国は、NHKのは受信者によって維持されていますと口当たりがよいことを言っているが
訴訟になれば本音がでて、契約者は何も法的権限がないと主張するのか。
受信者は、義務だけ負担し、権利はないという主張を国やNHKは主張するのだろうか。

面白い訴訟になろう。

5 このような訴訟を契約者が自腹を切ってしなければならないところにNHKの危機がある。

このような命令の動きがあったときに、NHKは、総務大臣に
『20億の金をNHKにくれるなら拉致被害者の会が行なっている、北朝鮮向けの放送に補助金を出してはどうですか。NHKの命令されると憲法の21条に違反する可能性もあります』と進言して『命令放送は不要です。以前から言われなくても、放送しています』
といえば、NHKの放送の自由が守れたのに、かえすがえすも残念

国会議員が命令でなく、「公平な報道に」といっただけでも『必要以上にそんたく』して番組を改編した
NHKに、それを望むことは不可能か。

そうすると、NHKに対して
『総務大臣の憲法違反命令にNHKが従う義務なきことの確認』も必要になろう

6 2/27の集会に多数の参加を。
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「放送命令は違憲」 NHK巡り市民団体が国を提訴へ朝日新聞2007年02月06日08時01分

 菅総務相が昨秋、北朝鮮による日本人拉致問題を国際放送で扱うようNHKに命令したことに対し、総務相に命令権限を与えた放送法33条は憲法が保障する「報道の自由」を侵害するとして、関西の市民グループが国を相手取り、同条の違憲確認と命令の取り消しなどを求めて大阪地裁に提訴する。NHKに対しても、命令に従う義務がないことの確認を求める。同条の違憲性を問う初めての訴訟となる見込みだ。(並木昌廣)

 提訴するのは「NHKをよくするためにアクセスする市民の会」のメンバーら。3月初めまでに原告数を確定し、訴状を出す。

 訴えなどによると、菅総務相は昨年11月、NHKに対し、短波ラジオ国際放送で北朝鮮による日本人拉致問題を重点的に扱うよう命令。従来の命令項目は(1)時事(2)国の重要な政策(3)国際問題に関する政府の見解――だったが、「拉致問題に特に留意すること」との具体的項目を初めて加えた。

 市民の会は、放送法33条について、言論や出版、放送の自由を保障した憲法21条に違反すると主張。「政府が33条を利用して恣意的(しいてき)に情報をコントロールする可能性がある」としている。

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結局の所、NHKが放送法を自分の都合のいいように本音と建前使い分けて解釈して、相手、場合によって同じ物の解釈が別になってるから、こういう・・・ねじれたと言うか矛盾したことが色々出てくるんだろうな〜。 基本的に、NHKって公共放送としての使命感なんてなくて、ただ利己の利権を守りたいだけだよね・・・。

2007/2/6(火) 午後 11:51 アユアユ

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NHKは「視聴率が低くても必要な放送は行う責務がある。」と言っていますが,それって誰も観なくてもOKってことですよね。だれも観ない番組を垂れ流し,スポンサーがいなからノーチェックで,番組に抗議してスポンサーの商品の不買運動をすることもできない。テレビはおろかパソコンを買ってもNHKに報告しなければならず,引っ越しても知らない間に住所を知られてしまう…。どこまでやるきだNHK!

2007/2/8(木) 午前 2:00 [ yuk*hi*o081*2*00 ]

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元々の原因がNHKの不祥事って事を忘れてないか??って言いたくなるよね・・・。

2007/2/8(木) 午前 2:39 アユアユ

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中日新聞読ませていただきました。おっしゃる通りだと思います。

2007/2/8(木) 午後 10:43 [ 閉店ガラガラ〜 ]

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あゆさん。[ yukihiro08142000 ][ taka_bou_2000 ]さん。コメントいつもありがとう。ところで、中日新聞は2週間ほど前に取材があったが、その記事はみていない。NHKは良い番組も多い。民放のつまらない放送よりよっぽど良いと思うし、受信料を払う価値ありと思う。私は払っている。もし安倍、中川の政治家の介入にNHKの幹部が、真摯な態度をとるなら、これほど、ブログに、NHK批判をしないのですがね(笑い)

2007/2/8(木) 午後 11:08 [ abc*de*6 ]

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真摯なたいど、以前にNHKって一部の人間の金儲けのためだけに存在してるような気がする。少なくとも、子会社とかの問題をクリアーにして欲しい・・・。それがない限り受信料は払う価値がないと思うけどな・・・私は。

2007/2/9(金) 午前 0:25 アユアユ

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私はスクランブルさえやってくれれば。結局は払わないんですが。「見る見ないに関わらず払うもの」とよくNHKは言うけど、だったらテレビ設置してない人からも取ればいい。何故テレビ設置してない人は契約不要とされたのかよく考えて欲しい。当時はNHKの視聴の有無を判別する手段がなかったが、今はできるのですから。

2007/2/9(金) 午前 9:34 [ k2v** ]

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k2vsnさん『見るみないに関わらず払う』というMHKの論理は、受信契約を見るから払うという有償双務契約と見ていないのです。NHKへの負担金と解釈しているのです。この結果、時効も10年説になっているのでしょうね。この違いの説明は別途書きます。

2007/2/10(土) 午前 11:05 [ abc*de*6 ]

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