弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

憲法

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憲法について発言しなければならない時期にきたようだ。

憲法改正国民投票法案法案は2年から3年かけてジックリ議論するものだとばかり思っていた。
ところが、安倍総理は突然、この法案を今国会で成立させる方向に舵を切った。
あわてて、この法案の条文を読んだ。全文を読んだのは初めて。

私は憲法の改正手続き法の制定には反対しない。遅かれ早かれ改正議論が起こる以上、国民の頭が冷静
なときに、ジックリその改正の手続きについて、決めておく必要があるからだ。

しかし、この憲法改正国民投票法案は、あまりにも、ひどい内容である。

一番の問題は、第105条である
≪ 何人も、国民投票の期日前14日にあたる国民投票の期日までの間においては、次条の規定による場合を除くほか、一般放送事業者等の放送設備を使用して、国民投票運動のための、広告放送をし、又はさせることができない≫

この条文の反対解釈は
≪何人も、テレビ、新聞で憲法改正・反対の広告が国民投票日の14日前までの間は自由とする≫という内容。

郵政選挙で、郵政民営化すれば、改革幻想がマスコミ、とりわけテレビでばら撒かれた。刺客、改革、抵抗勢力・・自民党にとって、聞こえが良い報道がたれ流された。その結果、自民党が圧勝した。

しかし、自分達の社会は、選挙のあと良く考えると、何も変わらず、むしろ与党のやりたい放題だ。松岡大臣などが今なお、居座れるのは、自民党を圧勝させた、このメディアの結果だ。

メディアの威力は甚大だ。国民を誘導、時には誤導する。

憲法改正国民投票法案は、メディアを使って市民の目や耳に一方的に改憲の甘いスポット宣伝を吹き込む仕掛けをつくっているように見える。

「古い憲法よ!さようなら。新しい憲法で社会・国家をよくしよう」
「改憲は改革。護憲は抵抗勢力」
「新しい憲法で、企業も社会、国家も変わり、国民の生活が向上する」
「9条を改正し、強い国防軍を持ち、北朝鮮にバカにされない国家になろう。憲法改正がその第1歩」
「憲法を改正して海外貢献しよう」
「9条を改正しても徴兵制には絶対にしないと与党は公約します」

105条は「何人」も自由に報道できる条文になっている。

これでは、9条改憲を主張する日本経団連などはいくらでもカネを出して、改憲のスポット広告が流せることが可能となる。一方では公務員の活動を制限し、他方で、カネを持つ者の活動を野放しにする法案は本末転倒。

こんなことでは、市民が憲法改正の是非を冷静に検討することなど到底期待できない。

1994年、イタリヤでは、メディア王=民放の4チャンネルのうち3チャンネルを支配した、ベルルスコニー元首相がイタリヤの政権を奪取した事があった。メディア王によって、選挙を支配された苦い経験を持つ。

そこで、国民投票においては、テレビ、新聞での有料広告を禁止したという。
自由法曹団のイタリヤ報告が詳しい。必読の情報だ。
http://www.jlaf.jp/italy/italy.html

この内容のママでは、憲法改正国民投票法案は、「カネで憲法を買収許容法案」になろう。

総務省が、放送法の改正の中に「持株会社」を容認するという報道がなされている。持ち株方式は日本でも一メディア王を生む危険性を有している。この動きと連動すると、数年先の憲法改正は、メディアを支配した者=カネのある勢力が勝利することは間違いがない

だから安倍内閣は松岡大臣等を辞任させず、この法案の立法化を急ぐのだろう

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放送メディアは資本構成の大部分が新聞社資本で占められてる。読売が憲法改正案を打ち上げたのは記憶に新しい。国民の意識調査では、かなりの部分がマスコミの報道に誘導されていると思われることが多い。「本当に大事なことは、ニュース価値がなければ取り上げない。重要でなくても話題になれば取り上げる」これはマスコミの習性です。「国民は3日経てば、忘れかけている。3ヶ月で、ほとんど忘れる。3年前のことは既に忘却の歴史です。」独占資本によるマスコミの寡占化が怖い。デジタルになればもっと寡占化が進む。

2007/4/5(木) 午後 6:48 [ 豊橋の輪隣人 ]

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