弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

NHK

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本日(11/6)大阪簡易裁判所でNHKが受信料の未払い者に対する判決があった

≪この判決はNHKの受信料の時効は2年でないというだけで、判例としての価値が全くない。
先例としての普遍性もない≫


この判決によると、被告となった人は、平成14年3月にカラー放送受信契約を締結した。
しかし平成16年4月から受信料を払わなかった。

そこでNHKはこの方に支払督促をしたが払わなかったので、平成16年4月から平成19年7月までの40ヶ月の分の55800円を請求した事件である。

この方は、NHKの受信料は2年の時効にかかるので、それを前提に和解したいと申し入れした様子。

しかし、法廷には出席せず、上記のような書面だけを出した。
NHKは2年の時効を前提の和解を拒否したので、本日の判決になった。

ところが、この判決の理由部分は次の通り。

≪放送受信料は2年の短期消滅時効にかかる債権ではないので、被告の時効の援用は理由がない。

被告は請求原因事実自体については争うことを明らかにしないのでこれを自白したものとみなされる
この請求原因事実に基づき判断すると原告の請求が理由がある≫

判決が多くの国民の規範となるのは、その論理性にある。

ところが上記判決は

≪放送受信料は2年の短期消滅時効にかかる債権ではないので、被告の時効の援用は理由がない≫

と結論だけを書いただけの1行判決。

被告が、2年の短期消滅時効の援用の主張をした以上、裁判官は

1 NHKの受信料債権の法的性質
2 その上で、2年の短期消滅時効にかからないというなら、その理由を法律にそって述べるべきだ

NHKの受信料の債権については争いがある。

NHKの財政を支える負担金的性質と解すれば、消滅時効は10年となる

消費者契約法の双務契約と解すれば民法169条により5年。

しかし、短期消滅時効の場合もある
民法173条を準用すれば2年。
民法174条を準用すれば1年。

詳細は『NHK受信料講座12』で時効についてブログに書いた
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/42766241.html

この方が本人訴訟で、2年と時効の援用をした以上、納得する論理を書くのが裁判官の仕事。

お上の判断だという調子で結論を書くだけでは、判決の肝心な≪論理性≫が欠けている。

この判決では、判例としての価値が全くない。
先例としての普遍性もない。


(注)本人訴訟で具体的な消滅時効の主張を法的に主張しなかった結果、上記のような乱暴な判決となったようにも思われる。

せめて消滅時効の主張をするなら、私のブログを読んで、主張して欲しいね。そうすれば
今回の判決も消滅時効に関する法的性質や消滅時効は何年かを書いた判決になった可能性がある

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裁判員制度ってのが話題になってるけど、
国を相手にした裁判、もしくは公共性のある企業(公的な機関)、もっと広げれば、企業を相手にする裁判なんかに裁判員制度を使って欲しいと思う。
殺人なんて、判断しにくい&負担のかかる裁判に限定する理由はなんなんだろう・・・。

こういう問題にこそ裁判員制度を使った方がいいと思うのだけど・・・。

2007/11/7(水) 午前 2:21 アユアユ

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裁判員制度は国民が司法に参加する点では賛成です。有罪、無罪の評決では職業裁判官より、市民の方が無罪率が高い。
(アメリカのシカゴ大学の調査結果あり)
量刑は今までは、職業裁判官が従来の量刑基準があって、これは何年とか決めていた。市民の意見が刑事の量刑に反映されなかった。最初はとまどうでしょうけれでも、市民感覚が反映される点で賛成です。なお、私達は、20年近い前から、アメリカ、イギリスの陪審、ドイツ、北欧の参審制度などを現地調査し、あゆさんの言われる、国を相手にした裁判などに国民が参加する制度の導入を提言していたが、官僚などの反対で実現せず。ブログでも書きます。

2007/11/7(水) 午後 0:25 [ abc*de*6 ]


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