弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

公益通報

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≪内部告発者の実名を会社に教えた弁護士は「懲戒相当」≫

この報道が事実なら、ひどい弁護士がいたものだ。
厳重に処分すべきで、戒告レベルではすましてはいけない。
業務停止を1年から2年位に、第2東京弁護士会はすべきだろう。

この弁護士は、自分が公益通報の窓口になった意味を理解していない。

というより、トヨタ自動車販売店グループはこのような、自社に都合のよい弁護士を内部通報窓口に選んだとみた方が正しい。

この弁護士は本当の金を払ってくれる依頼者に忠実だっただけで、このようなレベルの弁護士を選んだ、トヨタ自動車販売店グループのコンプライアンス体質が露見したとみた方が良い。

弁護士も、お粗末なら、選んだ企業も、お粗末の限り。

外部の弁護士だからと言って信用してはならない1事例を、今後の内部告発者に教えてくれた点では、この苦い経験を生かす必要がある。

内部通報をまず優先するという公益通報者保護法の欠陥が明らかになった。

これでは、ますます内部通報に躊躇し、外部への公益通報に走るだろう
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内部告発者を会社通報、第2東京弁護士会「懲戒相当」議決

 内部告発者の実名を会社側に伝えたのは、秘密保持義務に反し、弁護士の品位を失う非行にあたるとして、第2東京弁護士会綱紀委員会は、トヨタ自動車販売店グループの「社内通報窓口」を担当する男性弁護士(34)を、4日付で「懲戒相当」と議決した。

 今後、同弁護士会懲戒委員会が処分するかどうかを審査する。社内不正を告発した従業員に対する会社の不利益な処分を禁じた「公益通報者保護法」施行から4月で2年になるが、告発者の保護を巡って弁護士の責任が問われるのは異例。
 議決書によると、男性社員は2006年4月5日、同グループが弁護士事務所と契約して設置した通報窓口の同弁護士に電話し、名前と所属部署を告げて架空販売・車庫飛ばし事件を告発。翌日、会社から10日間の自宅待機を命じられた。
 通報窓口は原則、弁護士が実名で通報を受け付け、会社側には匿名で通知することになっていたが、この社員については会社側に実名を伝えていた。社員は同弁護士会に懲戒請求を申し立てた。綱紀委員会は「(社員が)実名通知を承諾していたとは言えない」とし、職務上知り得た秘密の保持を義務付けた弁護士法23条違反にあたると判断した。
 弁護士は読売新聞の取材に「告発者が希望しない限り、会社側に実名を通知することはあり得ない」と話している。
(2008年3月10日14時49分 読売新聞)

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閉じる コメント(5)

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この報道が真実ならとんでもない話ですね。内部告発が成立するためには内部告発した者の社会的地位保証と匿名性が不可欠です。
弁護士を雇っている会社が何もしないのであればやはり会社自体に問題ありですね。
この弁護士がやったことは内部通報の信頼を根本から覆すことですから戒告どころか弁護士免許を剥奪してもいいのではなかろうか?
弁護士会懲戒委員会が判断を間違えないことを期待したい。

2008/3/11(火) 午後 10:16 [ tok*o*ya*ou ]

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tokkouyarou さん
弁護士免許の剥奪とは厳しいですね。
第2東京弁護士会でも、公益通報相談窓口を設置し、相談にのっているのに、これらの多くの弁護士達も怒っているでしょう。
http://niben.jp/info/event20070723.html
懲戒委員会の動きに注目する必要がありそうです。

2008/3/11(火) 午後 10:36 [ abc*de*6 ]

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守秘義務や個人情報についてまだ認識の甘い弁護士がいますね
講習などはないのでしょうか

2008/4/15(火) 午後 11:10 弁護士自治を考える会

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弁護士は依頼人の利益を守ることを職務としている点では、会社が依頼人だということで、組織に不服従な労働者を焙り出すということに貢献したのだと考えられます。

問題は、この弁護士が、その手前の「社会正義を実現する」という弁護士の職責を理解していない点にあるのでしょう。

公益通報制度を企業が運用する際に、通報窓口が、企業のコンプライアンス違反を指摘すると同時に、不当にも、情報を握った通報者をも排除するという役割をも担っているということになってしまっている。これは社会にとってまことに不幸なことです。

制度を利用し“組織の方針に不服従なものを焙り出して排除する”という、企業組織の“公益通報排除手法”となっているという現実です。

この場合、例えば、窓口担当者は従犯であって、行為支配した者がその上部に存在するという可能性もあると考えられます。通報窓口の相談担当弁護士が企業とそのような契約(例えば「暗示の意思の合致」など)があったのではないでしょうか。

2009/3/5(木) 午後 10:51 [ sa_*ait*ma ]

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連投御容赦ください。

ところで、理由の無い通報者(労働者)への不利益処分(いわれの無い自宅待機は不利益処分と考えられますので)は、強要罪・名誉毀損罪、或いは、意に反する労働条件の変更・不平等扱いは、労基署に届出た就業規則や労働協約(法規性のある規定)に違反すると考えられますから、刑法・労基法その他の処罰法に規定される犯罪構成要件(複数の罪数)に該当するのではないでしょうか。
労働者にとって、上司(会社)の命令はそれが不当なものであっても、これに従わなければ、更なる不利益が予定されているからです。

なお素人ゆえ誤りがあるかもしれません。

2009/3/5(木) 午後 11:08 [ sa_*ait*ma ]


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