弁護士阪口徳雄の自由発言

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司法・裁判

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偽装請負に関する極めて厳しくかつ、珍しい大阪高裁の判決である。

この判決の要旨は

1 労働者(原告)と)受入会社(松下の子会社・被告)との間には直接の雇用契約が成立していると認めた点である。

一審の大阪地裁は労働者(原告)と請負会社(パスコ)受入会社(松下の子会社・被告)との関係は偽装請負であり、違法な労働者派遣契約と解したが、しかし、労働者(原告)と受入会社(松下の子会社・被告)の関係には、雇用契約は成立しないとした

これに対して本日の大阪高裁判決は実態を直視し

≪違法な偽装請負による労働者(原告)と請負会社(パスコ)、受入会社(松下の子会社・被告)の法的関係は職業安定法44条、労働基準法6条に照らし、民法90条で無効≫

≪労働者(原告)と受入会社(松下の子会社・被告)の使用従属関係、賃金支払い関係、労務提供関係を客観的にみると、労働契約のほかなく、黙示の労働契約の成立が認められる≫

として、一審大阪地裁の判決取り消し、労働者(原告)の全面勝訴の判決となった。

2 労働者(原告)に対する配置転換の効力についても主文に注目すべき内容。

一審は配置転換行為は嫌がらせであると認めた。しかし、≪その業務に従事する義務はない≫という請求は却下した。

大阪高裁判決は

労働者(原告)に対する配置転換も、大阪労働局への内部告発への報復とし、≪その業務に従事する義務はない≫ことまで主文で認めたことである。
このような義務なきことの確認を主文で認めるケースは極めて珍しい。

3 解雇(雇い止め)は無効

よって賃金をを毎月払え

4 慰謝料請求

一審は配置転換は嫌がらせであるから、慰謝料として金45万円を認容した。大阪高裁は解雇も違法、無効であるからプラス45万円を認容し合計90万とした。

5 結論

大阪高裁判決は偽装請負に関する実態を直視した判決である。しかし今までの伝統的な労働契約に関する「意思解釈」論とは大きく違う。

最高裁の労働契約論は極めて古い伝統的な解釈にたっている。

大阪高裁判決がこのママ確定した場合や、仮に上告されて最高裁でも、大阪高裁判決がもし、維持されれば、労働契約に関する解釈は大きく変えられることになろう。

(注)偽装請負に関しては
≪偽装請負(株主と会社29)≫
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/48945875.html
に書いた。参考までに。
―――――――――――――――――
松下電器子会社の偽装請負、直接雇用成立を認定
朝日新聞2008年04月25日16時10分

 違法な偽装請負の状態で働かされていた男性について、大阪高裁が25日、「当初から両者間に雇用契約が成立している」として、「解雇」にさかのぼって月24万円の賃金を支払うよう就労先の会社に命じる判決を言い渡した。事実上、期間を区切ることなく雇い続けるよう命じる判断だ。


 原告側の弁護団によると、偽装請負をめぐって就労先の雇用責任を認めた司法判断は高裁レベルで初めて。

 キヤノンなど大手メーカーの偽装請負は社会問題となったが、違法行為を指摘された企業が短期間の直接雇用のみで「是正した」と主張する事態が続発。行政もこれを追認していた。今回の判決はこうした法解釈を覆す可能性がある。弁護団は「労働の実態を踏まえた判決を高く評価したい。同様のケースに与える影響は大きい」と話している。

 松下電器産業の子会社「松下プラズマディスプレイ(PDP)」(大阪府茨木市)の工場で働いていた吉岡力(つとむ)さん(33)が同社を相手に提訴した。若林諒裁判長は直接雇用の地位を確認しなかった一審判決を変更。06年の解雇後の未払い賃金(月約24万円)の支払いを命じ、内部告発に対する報復があったと認定して、慰謝料の額も一審の45万円から90万円に増額した。

 判決によると、吉岡さんは04年1月から、松下PDPの茨木工場で「請負会社の社員」という形で働いていたが、翌05年5月、「実際は松下PDPの社員の指揮命令のもとで働いており、実態は直接雇用だ」と大阪労働局に偽装請負を内部告発した。

同8月、松下PDPに期間工として直接雇用されたものの、06年1月末、期間満了を理由に職を失った。期間工だった間、吉岡さんは他の社員と接触できない単純作業に従事させられた。

 判決はまず、請負会社の社員だった吉岡さんらの労働実態について「松下側の従業員の指揮命令を受けていた」などと認定。吉岡さんを雇っていた請負会社と松下側が結んだ業務委託契約は「脱法的な労働者供給契約」であり、職業安定法や労働基準法に違反して無効だと判断した。

 そのうえで、労働契約は当事者間の「黙示の合意」でも成立すると指摘。吉岡さんの場合、04年1月以降、「期間2カ月」「更新あり」「時給1350円」などの条件で松下側に労働力を提供し、松下側と使用従属関係にあったとして、双方の間には「黙示の労働契約の成立が認められる」と認定した。この結果、吉岡さんはこの工場で働き始めた当初から直接雇用の関係にあったと結論づけた。

 松下側が06年2月以降の契約更新を拒否したことについても「解雇権の乱用」で無効と判断した。

 さらに、吉岡さんが期間工として直接雇用された05年8月以降、配置転換で単独の作業部屋に隔離されたことについて、「松下側が内部告発などへの報復という不当な動機や目的から命じた」と認定した。

 昨年4月の大阪地裁判決は「偽装請負の疑いが極めて強い」として、就労先には労働者を直接雇用する義務が生じるとの判断を示す一方、雇用契約の成立は否定していた。

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派遣業法は、本来、様々な働き方を認めるために制定されました。改正により更に雇用者、派遣業者に都合の良い法律になりました。更に、都合の良い法律を目指していましたが、昨今、その流れは完全に途絶え、規制を強化する逆の流れになりました。世論のおかげでしょう。

雇用側にとって派遣社員は、トラブル回避であり企業イメージを悪くするということはありません。また、日本の賃金水準が高く海外の企業と戦えないとう側面は確かにあります。失業率が増えることに比べると、キャノンなど大分に工場を増設する姿勢は評価に値すると思います。

トヨタなどのように直接雇用であれば、紹介料分、雇用者に給料として反映されるので良いと思います。派遣業者も単純労働者確保と専門的な知識者の活用では全然違うように思います。当初、翻訳家などの特赦な職業者の為でした。建設業や港湾従事者が認められていないのは、幸いに思います。

昨今の流れを反映した判決ですね。その背景には、そういう事象を世に知らしめた記者、ジャーナリスト、組合、体験者などのおけげといえます。

派遣業法について、解説していただけないでしょうか。

2008/4/26(土) 午前 9:51 F

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うちの職場も偽装請負に関していえばクロかな?
そろそろ手入れが入るころだと思うのだけど(ニヤリ

2008/5/27(火) 午後 11:23 [ 閉店ガラガラ〜 ]

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利益を得る目的で職安法44条に違反し、この因果関係により実際に利益を得た場合(利益という結果)には、同条は労基法6条違反(中間搾取という結果犯)の構成要件的行為の一部だと言えようかと。これは、例えば住居侵入罪と窃盗罪、文書偽造罪と同行使罪などと同じような牽連犯でしょうか。
で、・・・数罪間に、その罪質上、通常手段結果の関係が存在することを必要とする(最判S24年12月31日)が正しいとすれば、労働者供給(偽装請負など)を行って利益を得た場合には、その意思と行為は中間搾取を禁止した労働基準法6条の構成要件の一部となり、“利益の存在”によってその結果犯である労働基準法6条違反であることになると考えてよろしいでしょうか。

下記のように考えています。単なる“妄想”ですが・・・
http://blog.goo.ne.jp/gooendou_1958/e/c055a7aec9dcf8ba5e34c190c2ccdb04
http://blog.goo.ne.jp/gooendou_1958/e/09c421381d894d0945bd4115c31c494c

2010/4/13(火) 午後 11:47 [ sa_*ait*ma ]

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