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≪収賄容疑 千葉市長逮捕 入札改革 道半ば? 進む『一般競争』導入…やまぬ汚職≫
東京新聞の4/23の記事である。
東京新聞の記者から、市長が逮捕された当日(4/22)に突然取材を受けた。
【何故、これほど首長が逮捕されるのか、自治体の入札制度と関係があるのか、入札改革 道半ば?という内容で記事を書くという】
千葉市の入札制度を調べたこともないので、入札制度と首長の癒着に関する一般的なコメントを出した。
「指名競争入札では官と業の慣れ合いの結果、きわめて不透明な入札が行われる。
天の声が出しやすくなり、その結果、業者と官が癒着し、腐敗がはびこる。
一般競争入札であっても、地域要件が厳しいと入札に参加する業者数が制限され、入札に参加する業者はお互いに顔が見え、殆ど指名入札と変わらない結果となる。
本当に官が介入できない入札制度は、誰が入札に参加してくるか解らない(制限付き)一般的競争入札にすることであろう」と。
同時に、中央官僚出身の助役、市長などは
「国の補助金などを活用して自治体の事業をやっている。これは俺の能力。自己のお陰で、その業者達は潤っているのであるから、市長、助役に還元して当然という、お上意識やおごり意識が強い。千葉市もそのような市長を長年選んできたほどであるから、議員や業者、職員、市民などもそのような風土があるのでないか」とも指摘した。
以上のコメントが以下の通りに、記者が上手くまとめて記事にしている。
千葉というと、大都市であり、新しい住民が多いはずであるが、何か旧来型の、村のような選挙風土をイメージさせる何かが残っている感じを抱く。
この直感は当たっていた。
そのあと、ネットで調べると2003年(平成15年)10月10日公取委から千葉市の入札に関する課徴金命令があった。
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/03.october/03101001.html
普通の自治体であれば、このような談合事件が発生すれば、市民も怒り、その結果、談合ができない入札制度の改革=制限付き一般競争入札が導入され、市長といえども、天の声が出せない制度に改革されるはず。
その改革は殆どなかったか、あったとしても、適当にお茶を濁したのであろう。
もちろん、この談合企業に対しても千葉市は、損害賠償をしなかった。
その為に2004年(平成16年)7月監査委員会勧告まで受けている。
http://www.city.chiba.jp/kansa/gyoseikansa/download/dobokudanngou040701.pdf
市民の監査請求を受けて初めて談合企業に損害賠償をするほど、千葉市長及び当時の入札に関与した副市長や部長らの職員の怠慢ぶりが良く解る。
そのあと、2年も経過した2005年(平成17年)の本件道路舗装工事で、市長は賄賂を貰い、失脚することになった。
このような、改革の遅れは市長だけではなく、当時の入札に関係する、副市長や部長、課長らの職員が入札改革の声を上げなかった責任でもある。
近いうちに市長選があるなら、このような古い体質と決別できる新市長が選ばれるべきであろう。千葉市民が今度は問われている。
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【収賄容疑 千葉市長逮捕 入札改革 道半ば? 進む『一般競争』導入…やまぬ汚職】
東京新聞(4/23朝刊)
千葉市発注工事に絡む収賄事件で22日、鶴岡啓一市長が逮捕された。自治体の公共工事などを舞台にした首長や幹部による汚職事件はいまだ後を絶たない。一部の自治体で入札改革が進むが道半ば?(野呂法夫)
「一般競争入札だとどの企業が入ってくるかなど分からないが、指名競争入札で地域要件があると談合しやすく、『天の声』も出しやすい」
NPO法人「入札改革支援センター」(大阪市)共同代表の阪口徳雄弁護士はこう話す。
鶴岡市長の現金百万円の収賄容疑とされる舞台は、二〇〇五年に十社が指名競争入札した街路築造工事で、都内の「東(あずま)起業」が四千二百七十万円で落札したという。
当時、土木工事の入札制度はどうなっていたのか。市財政部によると、金額によって条件は異なるが、すべて指名競争入札だった。入札参加業者は営業や実績などで持ち点を付けられ、市内に営業所や支店がある「準市内の業者」の地域要件も満たす十社を街路築造工事入札で指名したという。
今回の落札率は、役所側の予定価格に対して約97%と高い。談合の有無や、市長自ら予定価格を漏らしたり指示する「天の声」の状況は今後の捜査に委ねられるが、阪口氏は「業者間で入札相手のカオが分かり、不正の温床となりがちだ。入札改革を怠り、自ら不正に手を染めていたなら政治的、法的責任は避けられない」と指摘する。
自治体の官製談合や汚職は古くて新しい問題だ。
首長らが逮捕され続けても、懲りない面々は出てくる。だが、〇六年の宮崎、福島県の知事汚職事件を受け入札改革に取り組む自治体が増えた。一般競争入札を増やして競争性を高めたり、先駆けの長野県では原則すべての工事で一般競争入札を導入したりしている。
千葉市も〇七年度から工事に応じて一部制限を設けた一般競争入札を導入。「その対象工事を、昨年度からは一千万円以上に下げ、指名競争は一千万円未満と狭めた」(市契約課)という。
こうした入札改革で成果を上げているのが、東京都立川市だ。〇三年の水道工事をめぐる汚職事件の後、入札を一般競争に改めた。市議が予定価格を聞き出す口利きや業者の談合もできにくくなった。その結果、落札率は〇六年度に81%に下がり、市の予定価格から浮いた金額は同年度までの四年間で約四十五億円に上った。
五十嵐けん市議は「一部を国や都に戻し、繰越金や補正予算として使えた。充実した公益通報制度や、口利きや働きかけを記録して公表する制度も併せて必要」と話す。
全国市民オンブズマン連絡会議は昨年、千葉市の大会で、自治体が入札改革を進めれば「全国で千九百二十七億−四千七百八億円の節約が可能」との試算も出している。
阪口氏は「鶴岡市長は自治省(現総務省)から助役に“天下った”人物」と指摘し、こう言い切った。
「兵庫県芦屋市で建設省(現国土交通省)出身の助役の汚職事件もあったが、国から事業やカネを回してやっているとのお上意識やおごりが強い。千葉は議員側も業者側も公然と利権でカネをやりとりする政治風土もあるだろう。職員を含め全体の意識を変えないと不正はなくならない」
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こんばんわ
「二階告発状」記事へのコメントで写真をほめていただき恐縮です。何しろケータイカメラで撮っているので辛い時が多くあります。
千葉市へ指定管理者制度の運用指針について勉強に行った時、本来は一般競争入札に準じるべきである管理者選定の多くが、狭い範囲での指名入札に近いものが多いことに違和感を覚えました。そこに共通するのは権力者に都合のよい団体との「出来レース」とでも言える「1団体指定」を隠蔽する「形式的公募」の実態でした。千葉市の目を見張る急激な「東京都並みの発展」は、地方都市の行政ガバナンス能力をはるかに超えている。結果、今回のような不祥事が起きたと考えます。
このブログに触発されて立川市へ官製談合と入札制度の勉強に行った時は、立川市職員の明快なスタンスと業者への徹底した説明責任に驚きました。先生のご指導もあったと思いますが、立川モデルと呼ばれる新庁舎建設手法は、本来あるべき姿の税金の使い方だと思いました。
2009/5/3(日) 午前 1:07
ローカルさん
千葉に関する『目を見張る急激な「東京都並みの発展」は、地方都市の行政ガバナンス能力をはるかに超えている。結果、今回のような不祥事が起きたと考えます』という指摘は千葉の現状を見事に表現したコメントですね。
今度同じような不祥事自治体がでたときに、記者からコメントを求められたら。この表現を使わせて貰います。
2009/5/3(日) 午後 8:10 [ abc*de*6 ]