弁護士阪口徳雄の自由発言

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大林組に「コンプライアンス検証・提言委員会」が提言した。本日(3/30)大林組のHPにアップされている。
 
「コンプライアンス検証・提言委員会」は、株主代表訴訟の和解の中で、原告株主・弁護団の要請を受け、大林組が取り入れた委員会。
 
この委員会の特長は、株主が推薦する完全中立な外部委員が参加して、大林組の談合防止コンプライアンスを将来に向けて見直した委員会である。
 
従って、将来の再発防止が主たる目的であり、過去の談合事件を追及する委員会ではない。会社が本来なら、談合事件で刑事告発、有罪の判決がでた時や、公正取引委員会から排除勧告などを受けた時に、自ら自浄作用を発揮してもっと早く設置して、見直すべき委員会であった。
 
今回の大林組のコンプライアンス検証・提言委員会の提言内容は相当詳細で、十分検討できていないが、一番注目すべき提案は
≪ 談合行為や官製談合の存在を発見した場合の行動プログラムの策定≫ にあろう。
万一、現に行われている談合に関与してしまった場合、又は談合行為や官製談合の存在を発見した場合に、経営陣に情報が集約され、社員個々人の判断や責任によらずに、会社があらかじめ策定した対応方法に則って、即座に談合から脱退する、又は談合を通報するなどの行動プログラムを準備し、予め社内周知しておくことは、談合を防止するうえで有効な施策であります。このため、コンプライアンス体制の中に次のシステムを組み込みます。
(1)談合行為や官製談合の存在を発見した場合など、社員が日常業務の中で直面することが想定される具体的なケースへの対応方法を定めた「談合行為等に直面した場合の行動プログラム」を策定します。実際に事態に直面した社員と報告を受けた会社が、速やかに行動できるよう、同プログラムをイントラネット、独占禁止法遵守マニュアル、企業倫理職場内研修テキストにイラストを用いるなどの方法で分かりやすく掲載し、全社員に周知します。


今までの企業の談合防止プログラムの欠陥は、企業の中に、談合が行われていないことを前提に、≪談合は違法であるとか≫≪談合はやめましょう≫などという内容で≪研修、注意、呼びかけ≫にしか過ぎなかった
 
以前から、談合組織に組み込まれてしまっていた場合の、その談合組織から脱退する場合の行動プログラムの欠陥にあった。代表訴訟において原告株主は繰り返し、この点を指摘してきた。
 
≪ 談合をやめたときの企業のリスクを明確にしたプログラムの設計の必要性≫である。

談合は長年継続している場合が多い。このような継続的な談合からの脱退に関する談合防止コンプライアンスプログラムは、最低次のような計画が含まれているものでなければならない。
 
 談合は継続的に行われている。したがって、強固な談合組織ができている場合は、その談合組織からの途中脱退に伴う多くのリスクが生じる。

  第1に、脱退すると企業は安易に落札することができなくなり、仮に落札しても「たたきあい」による利益幅が少なくなる。または、赤字受注にもなりうる。このようなリスクがあることを明確にし、それでも、そのリスクが生じたとしても談合から脱退するということを明確にして、従業員に教育するプログラムでなければならない。
  第2に、談合が業界ぐるみで行われているのであるから、談合を中止した場合の業界ぐるみからのリスクに対して会社としてどのように対処するのかを明らかにしたプログラムでなければならない。例えば、その業界を敵に回すことになるので、談合から脱退しない多数の企業と「たたき合い」の入札になる。相手方は談合から脱退した企業の受注を妨害するため予定価格の50%〜60%で落札する等の攻撃をしてくる。このようなリスクがあることを明確にし、それでも、そのリスクが生じたとしても談合から脱退するということを明確にして、従業員に教育するプログラムでなければならない。JVを組んでくれなくてもJVの工事の受注に参加できなくてもそれを容認する等を明示することが必要とされる。

 第3に、官制談合の場合もあるので、談合から離脱したときに今後その発注機関から不利益取扱いを受けた場合のリスクへの対応を明確にした上で、それでも会社としては受け入れることを明確にしなければならない。


大林組のコンプライアンス検証・提言委員会にもっと欲を言えば、あれもこれも提言して欲しいという願いはあることはある。
 
しかし、原告株主・弁護団が推薦した完全中立の外部弁護士が入って提言した以上、その提言は会社と慣れ合って作成した提言だと、一般的には不信は持たれない。
 
不祥事が発生した時に、企業が外部弁護士を勝手に選び、あれこれ改革、改善すると宣言しても、社会的にはあまり信用されない。
何故なら、その委員会の委員の選任過程が極めて『不透明』だからである。会社に都合の良い外部弁護士や委員ばかりを選んでいると思われるからである。
 
せっかく企業が本当に不祥事と決別する気持ちでも、また非常に良い提言があっても、同じである。
 
 
大林組が委員の選任段階から透明性のある外部委員を設置したこと自体に、本当に談合と決別しようとの決意が見える。
 
他の鹿島建設、清水建設、大成建設などは、談合と決別したと
コッソリ宣言したらしいが、それならこの際、大林組のような、完全中立の外部委員を選んでコンプライアンスの検証をしてはどうか!!
 
外部委員の弁護士ならいくらでも推薦できるし、日弁連に委員の推薦要請でもすれば、完全中立委員の弁護士は推薦可能であろう。
 

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