弁護士阪口徳雄の自由発言

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小沢氏「不起訴不当」と議決 検察審査会、異なる結論
 
小沢議員の資金管理団体である陸山会の2007年(平成19年分)の収支報告書に小沢議員に借入金4億円の返済を記載しなかった事実が虚偽記載として告発された事件。
 
以前の事件(2004年、2005年)は4億円の借入金などを記載しなかった事件だが、今度の事件は、借りたその4億円を小沢に返済した事実を収支報告書に記載しない罪である。検察は嫌疑不十分として、不起訴にしたが、第1検察審査会が、不起訴不当と決議したようだ。
 
議決書を全文見ていないので、伝えられる情報をもとに感想を書く。
 
この議決はほぼ、以前の第5検察審査会議決と同様に秘書の供述を信用でき、小沢の供述は信用できないと言っているが、その認定事実から起訴相当とまで飛躍せず、表現も、第5検察審査会議決のような感情的ではない。
 
 
1 『秘書が小沢に報告し了解を得た供述についての意見』
 
≪石川が小沢に対し、どのような場面で了承を得たのか具体的な供述はなく、それに対する小沢の応答も「おう、分かった」などというものである.
小沢がどこまで石川の説明を理解していたのかも定かではないと述べて、共謀の状況に関する石川の供述の信用性に疑念を呈する.
しかし小沢と石川の上下関係を考えれば、小沢が理解していることを確かめながら報告をして了承を求めるはず。
 
 『4億円の借り入れに際し、小沢が融資申し込み書などに自署した事実についての意見』

 年約450万円という金利負担を伴う経済的に合理性のないこの借り入れの目的は、原資の隠蔽以外にあり得ないことは、通常人であれば誰しも考えること。

 4億円もの大きな金額の借り入れに際して、手形に自ら署名していることについて、何の説明も受けることなく求められるままに書類に署名した、というのも、不自然。

 この事情が収支報告書への不記載とどこまで結びつくかについて疑義があるが、原資を隠蔽するという動機があったことは、石川の供述から明らかで、小沢も同じ動機を共有した根拠にはなりうる≫
 
3 『小沢の事務所に水谷建設から資金提供があったという事実についての意見』

 水谷建設関係者の供述は具体的で、本人のみしか知り得ない事情も含まれ、その信憑性はかなり高い。 この資金提供の事実の存否は、本件の虚偽記載等とは直接結びつくものではないが、4億円の原資を隠蔽する必要性があったことの根拠に十分なりうる。
 

この議決の意味するところは、小沢は真っ黒に近いが、有罪にするだけの証拠が未だ十分でなく、不起訴処分は不当という議決となったようである。
検察の捜査が不十分であるとして、今後捜査を尽くすべき点を具体的に列挙し、更に、『秘書が秘書が』という政治家の逃げ口上も立法論として区別して指摘している
 
5検察審査会はほぼ同じ証拠を検討し、起訴相当と議決をした。他方本第1検察審査会は同じような疑問を述べながら、捜査が尽くされていない点、立法論の問題を明確に区別して不起訴不当にとどめている。今回の議決は市民感覚が反映した議決ではあるがしかし、証拠と感情を区別した議決と評価できる
 
何故このような差が出たかが不明であるが、第1検察審査会議決の方が冷静で妥当。おそらく、アドバイスする弁護士のスタンス、冷静さなども大いに影響している可能性が大。
 
これもあれも、小沢議員が国会で説明責任を果たさないことから生じている問題であり、この際、トコトン国会で説明するか、それとも、3時間から4時間記者会見を開き説明すべきであろう。それがない限り、真っ黒に近い灰色議員と永久に批判されるだろう。


小沢氏「不起訴不当」と議決 検察審査会、異なる結論
2010715 1927
 小沢一郎民主党前幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件のうち、2007年報告書分を審査していた東京第1検察審査会は15日、政治資金規正法違反の疑いで告発され、2月に不起訴となった小沢氏について「不起訴不当」とする議決を公表した。
 議決は8日付で、「上下関係からみて秘書が独断でなし得るとは考えられない」と指摘。04〜05年分を審査した東京第5検察審査会が4月に出した「起訴相当」とは結論は異なるが、小沢氏のこれまでの説明に対する国民の強い不信が反映されたといえそうだ。
 議決はまた、小沢氏らをあらためて聴取するよう求めたが、検察側は「必要な捜査は終わった」としており、近く不起訴とする見通し。小沢氏起訴の可能性があるのは、2回目の議決を控える04、05年分に絞られた。
 議決は、元秘書の衆院議員石川知裕(37)、池田光智(32)両被告=いずれも規正法違反の罪で起訴=が「報告書の提出前に原案を示して説明し、小沢先生の決裁を得た」と供述した点を重視。
 小沢氏事務所側に「裏献金」を提供したとされる水谷建設関係者の供述については「具体的で信ぴょう性はかなり高い」と判断。
(共同)
 

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閉じる コメント(7)

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http://blogs.yahoo.co.jp/haneymasako/32752357.html 驚きの金額です
消費税の議論の前に 議員削減してほしい
小沢は衆議院ですが この人は政治家とは思えません
先生 どしどし 記事書いてください
おばさんはお勉強になります

2010/7/16(金) 午前 10:46 まさこ

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”証拠なき裏金問題”を理由に別件の”期ずれ”や”建て替え省略”の形式犯で起訴などできないし、すべきでもない。
検察とメディアを一方的に信じ、被疑者側を一方的に疑って決議しているだけで”法と証拠”になど基づいていない。
「本人のみしか知り得ない事情」が意味を持つのは、客観的証拠があった場合であって、そうでなければ単なる作り話の可能性があるのだから、「信用できる」などと判断できるわけがない。
有ることは証明できても、無いことは証明できない。
しかも、説明だけなら小沢は一貫して「記者会見のオープン化」を実施して、全メディアの質問を受けている。

にもかかわらず、今回の審査会の判断を肯定的に評価するのは理解能力が低いということ。

2010/7/16(金) 午後 7:52 [ mhkb ]

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同感です。推定無罪という言葉の意味。「原資隠蔽以外にありえない・・・」などど想像だけでストーリを展開している様は、これまで検察が冤罪をつくり出してきたパターンである。ある意味人権侵害である。小沢氏の関与はともかく、検察の裁量で政治資法違反の摘発が行われていることの問題点を取り上げるべきである。それにしても検察審査会に同じ事案で幾度も告発し世間を騒がせ国政を混乱させた申請者は市民団体名と代表者名を名乗るべきである。まともな団体なら秘匿などしない。告発者も一定の社会的責任を負うべきではないか。

2010/7/18(日) 午前 1:24 [ hanako ]

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理解能力というよりやはり職域の問題になるのかもしれません。
弁護士さんは登記に詳しくはない。
よく聞く話なのですが、トラバックでもなんか言い訳としか読めない文章も出てきましたしね。
職域が違うという事で補助弁護士さんが免責されるとは私は思いません。
職域があろうがなかろうが、受けた以上は代金支払い時が所有権取得時期だとの法的根拠が曖昧な事を虚偽記入だと議決する事はあってはならないと考えるからです。

2010/7/22(木) 午前 8:27 [ war*ga*i75* ]

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ちなみに私の持っている本では債権行為の成立と同時に物権変動が生じるとあり、判例もこれを支持しているとあります。
起訴相当議決のあった事例は農転も絡む仮登記の本登記ですので問題外ですが、宅地の売買だとしても代金支払い時が所有権取得時期だとする法的根拠がわかりません。
法的に説明できる方がおられましたら、よろしくお願いします。

2010/7/23(金) 午前 8:23 [ war*ga*i75* ]

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さて所有権移転時期は上記より当事者の合意時期になるのだと思いますが、これを代金支払い時にするためには売主・買主間での特別の特約が必要になるのだと思います。
この特約は当事者がするものであり、検察審査会のメンバー及び補助弁護士が決められる特約ではないと思います。
にも関わらず、所有権取得時期を代金支払い時だと犯罪事実として議決した事はまさにでっちあげ以外のなにものでもないと思いますが、いかがでしょうか?

2010/7/24(土) 午前 7:25 [ war*ga*i75* ]

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この分野の職域は司法書士さんになるんですよね。
数年前の不動産登記法の改正で日本司法書士連合会から各会員に、登記原因証明情報というものに所有権移転時期の特約を入れるように指導があっているそうです。
それで司法書士さんは仲間内で検察審査会の議決など法的根拠がわからないので無視する事にしたそうです。

2010/8/7(土) 午前 7:29 [ war*ga*i75* ]

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