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第一生命は何故、平成19年に自民党の金融族議員を接待し、パーテイー券を購入したのか、被告の乙1号証からも明白となった。以下その記録である。(2011年11月1日原告第一準備書面より引用)
平成19年
4月10日頃 第一生命調査部が大手生命保険会社4社の社長に対する参考人招致に係る情報を入手(なお,この情報の入手経緯についても,協力議員からの入手と考えられるが,第一生命関係者はこの点につき曖昧な供述をしている・乙第1号証・欄外の注44。)。
4月10日 金子一義議員が中心となって,「金融問題検討会」が立ち上げられ,自民党国会議員の山本明彦,江崎洋一郎,宮下一郎,越智隆雄,山本朋宏の各議員が参加した。この場において,第一生命から参加した被告を含む役職員が,生命保険業界の立場について釈明を行う。
4月16日 被告を含む第一生命の役職員3名が山本明彦議員と面談。
この際,山本明彦議員から,生命保険会社社長等について,国会における参考人招致が行われる可能性があるとの情報の提供を受ける。
なお,この際,被告から山本明彦議員に対して,「『生保は約款・法令を越えて,保険金を払える可能性のあるものを見つけ出して,払って行こうとしている。それに,行政処分を行ってもよいのか。』といったことを議員からご発言いただけないものか。」との発言があった(乙第1号証18頁22行目「*メモから落とした常務発言部分」)。
4月25日 第一生命調査部の小谷氏及び側氏が再度山本明彦議員を訪問し,生命保険業界と損害保険業界を同一の条件(参考人はそれぞれ協会長1名とし,質疑時間も同一とする)で参考人招致してほしい旨伝える。
また,この頃,小谷氏及び側氏は,宮下一郎,江崎洋一郎,小沢鋭仁の各議員から,本件参考人招致が決定される衆院財金委理事懇談会の開催日を聞いた。
4月27日 自民党の金融調査会・財務金融部会合同会議が開催。
ここで,生保・損保会社への参考人質疑の時間が議論されたが,いずれの案も生命保険会社のほうが損害保険会社よりも質問時間が長く設定されていた。
このことを山本明彦議員から聞いた第一生命調査部の小谷氏は,あらためて山本明彦議員に本件参考人招致における生保と損保の参考人の数及び質問時間を同等にすることを希望する旨伝えた。
また,このころ,第一生命調査部の小谷氏及び側氏は,金子一義,石原伸晃の両議員に対しても,同様の希望を伝えた。
さらに,小谷氏は,尾身幸次議員にも架電し,山本明彦議員の説得を依頼した。
5月7日 第一生命調査部の小谷氏及び側氏が再度山本明彦議員を訪問し,参考人招致における質疑時間につき,損害保険業界と同じ条件にするよう重ねて要請したが山本明彦議員はこれを拒否。
そこで,小谷氏は,同日午後に金子一義議員を訪問し,山本明彦議員の説得を依頼した。
その結果,金子一義議員の説得により,山本明彦議員が,本件参考人質疑について,生保・損保の各協会長につき,各1時間の質疑とする旨の意向を示した。
同日,第一生命調査部の側氏が,江崎洋一郎議員に架電し,上記経緯を報告し,参考人招致にあたっての心構え等につき,指導を受けた。
5月8日 山本明彦議員が本件参考人招致について,生保・損保両協会長に対する各1時間の質疑とすることを提案。
5月10日 衆議員財務金融委員会理事懇談会で,衆議員財務金融委員会委員長の伊藤達也議員の判断により,本件参考人質疑の質疑時間につき,生保・損保の両協会長に対し,各1時間実施することが決定。
5月17日頃 第一生命調査部の小谷氏及び側氏は,本件参考人招致において質問をする予定であった山本明彦,佐々木憲昭,鈴木克昌の各議員から,質問内容の事前通告を受けた。なお,鈴木克昌議員は質問内容の事前告知を当初は拒否していたが,小谷氏及び側氏の両名の要請を受けた小沢鋭仁議員が鈴木克昌議員に取り次いだ結果,質問内容の事前告知に応じたものである。
この後,小谷氏及び側氏は,金子一義議員を訪問し,上記経緯を報告するとともに,9月以降の各生命保険会社社長に対する参考人招致の見通しについての意見を聴取した。
なお,この際,金子一義議員から,「山本筆頭(山本明彦議員)にはずいぶん頑張ってもらった。くれぐれもよろしく頼む。」という発言があった。
5月18日 衆議員財務金融委員会において,本件参考人質疑が実施され,生保・損保両会長に対する各1時間の質疑が行われた。
なお,この際,山本明彦議員は,不払い発生率について「数字としては比較的少ない…。」,保険金支払い促進の取り組みについて「そこまでよくやられたな…。」等第一生命の立場を擁護する発言を行った。
5月21日 被告を含む第一生命の役職員が,参考人招致の「御礼訪問」として,上記各議員を含む議員に対する挨拶回りを行った。
このことからすれば,上記各議員による,本件参考人招致における質疑時間の変更や,衆議員財務金融委員会における発言,さらにはそれらの前提となる国会議員としての地位に基づき知り得た情報の提供や,これらを行うよう他の議員に働きかけるなどの便宜供与行為が,被告による上記各議員に対するパーティ券購入等の利益供与の結果なされたものであることは明らかである。
被告は,平素から,このように,いざという時に第一生命等のために便宜供与を行ってもらいたいとの趣旨で,特定の議員に対し,前記の各利益供与を継続的に行い,相手方となる国会議員においても,そのことを十分認識して利益供与を受けていたものである。
このことは平成19年5月17日の面談において,金子議員から「山本筆頭(山本議員)には,ずいぶん頑張ってもらった。くれぐれもよろしく頼む。」との発言があったことからも窺われる。すなわち,この発言は,参考人招致に関して便宜を図った山本議員に対し,第一生命又は生命保険業界でパーティ券の購入等の利益供与を行うよう依頼をしたものであり,このような発言があることからして,第一生命と特定の国会議員との間で,上記のような便宜供与を期待してパーティ券購入等の利益供与が行われるという癒着関係が構築されていたことは明らかである。(略)
その他の議員についても,第一生命は,いざという時に第一生命に対する国会議員の地位に基づく便宜供与を期待する趣旨でパーティ券の購入等を行い,それを受け取る国会議員においても,そのことを十分認識した上で,その利益供与を受けたものである。これは,パーティ券購入等の相手方の多くが,金融業界に関連する部会や委員会等での活動経験が長い議員や,生命保険業界に関連する主要な役職に就いた議員であることからも理解できることである(乙第1号証32頁の注105を参照)。
(1) 国会議員へのパーティ券の購入、接待、選挙応援は政治を歪め、民主主義の原則に反する
① 政党への企業献金とその政党の所属の国会議員の政策、活動への期待、要請、請託との対価関係は迂遠である。しかし企業がなす特定の国会議員へのパーティ券の購入、接待、選挙応援はその国会議員への期待、要請、請託とは密接である。何故なら、その特定の議員への企業の期待、要請、請託は明示であれば当然だが、黙示であっても「あうんの呼吸」で判るからである。国会議員がその企業からパーティ券の購入、接待、選挙応援を受けながら、その企業の「利益」の為に活動するのが政治家の常である。企業もそれを期待してパーティ券の購入、接待、選挙応援をするのである。政治家個人の常として、政治活動が企業からのパーティ券の購入や接待、選挙応援によって左右されるとすれば,政治家個人の政治上の主義,施策、政治活動を選挙において訴え,選挙における国民の選択によってその活動に信任を得るという選挙制度の意義を否定し,その根幹をも揺るがすことになりかねず,政治そのものへの批判にも結びつくこととなる危険性を有している。選挙以外の要素によって国会議員の政治活動が支配され、民主主義の根本原則に違反する。
② 特に、同一業界が業界団体を結成してパーティ券の購入や接待、選挙応援をするときは,その影響力は個々の企業をもはるかに超えると考えられるから,それが政治家個人に及ぼす影響力は個々の国民によるパーティ券を購入や接待、選挙応援に比してはるかに甚大である。政治家個人の政治活動が業界団体からのパーティ券を購入や接待、選挙応援によって左右されるとすれば,政治家個人の政治上の主義,施策を選挙において訴え,選挙における国民の選択によってその活動に信任を得るという選挙制度の意義を否定し,その根幹をも揺るがすことになりかねず,政治そのものへの批判にも結びつくこととなる。従って,業界団体によるパーティ券を購入や接待、選挙応援するのは国民の有する選挙権ないし参政権を実質的に侵害するおそれがあることは否定できない。のみならず,業界団体のパーティ券の購入や接待、選挙応援することが特定の政治家個人ないし政治団体にのみ集中するときは,当該政治家個人のみが資金力を増大させて政治活動を強化することができ,ひいては国の政策にも決定的な影響力を及ぼすこととなりそれは政治の腐敗を生みだす。
(2) 国会議員へのパーティ券の購入、接待、選挙応援は刑法の賄賂罪に該当するか仮に該当しなくても賄賂罪と紙一重である
パーティ券を購入したり、接待したりする国会議員に、企業が期待、要請、請託する内容に関しての職務権限があれば、立派な賄賂罪になる。仮に職務権限がない国会議員に対して、職務権限のある国会議員への働きかけを行うならば、斡旋贈賄罪になる。自民党の役職者が自党のある金融部会において、その企業や業界の「期待、要請、請託」内容を決議や申合せをし、職務権限ある他の国会議員を、その決議や申合せに事実上拘束させるなら、限りなく賄賂に近いパーティ券を購入であり接待である。選挙応援は金銭の支払いではないが刑法上の賄賂には無形の対価も含まれる点で同様である。
(3) 企業と族議員の癒着は民主主義に反する
日本の企業は、以前から政権政党であった自民党の「特定」の国会議員に対して、企業献金、パーティ券の購入、接待攻勢、選挙応援を繰り返した。これらの「特定」の国会議員達はその見返りに企業、業界の為の政策、政治活動を行った。企業、業界と「族議員」との間にお互いに持ちつ持たれつの不透明な癒着の関係が政治を支配してきた。長い間、この不透明な関係が続いたことが国民の政治不信を招き、2009年の政権交代の要因になった。 第一生命や生保業界も当時政権政党であった自民党の議員のうち自民党の役職者か「財政・金融族議員」を中心にパーティ券の購入、接待攻勢、選挙応援を繰り返した。乙1号証にパーティ券を多額に購入している国会議員である、尾身幸次、石原伸晃、江崎洋一郎議員達は政府や自民党の役職者か、財政・金融担当の国会議員達であった。 もちろん野党の中でも財政・金融に詳しい国会議員などにもイザという時に「保険」の為にパーティ券を購入したり、接待したり、選挙応援なども行っていた。しかしその金額の総額は与党の議員への総額と比べ極端に少ない。 このような特定の国会議員への多額のパーティ券の購入や接待等は社会的に相当でなく、民主主義の「公序」に違反するから取締役の義務に違反する。
このような原告株主の主張に第一生命の被告はどう回答するのか
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