震災後に官房機密費3000万円…被災者支援で 答弁書によると、枝野官房長官は3月17日に支出を請求した。使途は明らかにしていないが、枝野長官は4月14日の参院内閣委員会で「震災でどうやって被災者を支援するかという観点で効果的に使っている」と述べていた。
共産党の塩川鉄也衆院議員の質問主意書に答えた。
(2011年5月10日18時34分 読売新聞)
官房報償費を枝野官房長官は「震災でどうやって被災者を支援するかという観点で効果的に使っている」と言うが本当か??
被災者支援に関連する情報の入手するなら、堂々と使っても誰も文句を言わない。
何も秘密に使うことなどさらさらない。
交通費、書籍費なども何時、誰に、いくら支出したかさえ秘密にすることが、安倍官房長官時代の情報公開請求でも明らかになった。
裁判官は千代証人に『書籍費などは正規のルートで購入しても良いのはないか。何故使途も公表できないのか』と疑問を投げかけた。
とにかく官房報償費となれば何時、誰に、いくら払ったかを一切秘密にできるという自民党時代の長い旧弊が今なお継続することが異常
枝野が「震災でどうやって被災者を支援するかという観点で効果的に使っている」といくら言っても誰も信用しない。
せいぜい政治家達と官僚達が『震災』『被災者支援』に名を借りて飲み食いしているのが真相。
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≪災害弔慰金・義援金を兄弟姉妹にも給付する改革・改善をすべき≫
災害弔慰金の支給等に関する法律は議員立法の為に弔慰金、遺族概念の理念が明白でなく、阪神大震災の時も同じ問題(=同居して、世帯が同じでも兄弟姉妹には支給しない)という矛盾を持ったまま、改正されず本日に至っている。
東日本大震災にも同様の問題が生じている。
この災害弔慰金の問題を岩手県の 遠野ひまわり基金法律事務所の亀山元弁護士TEL:0198ー63ー1755・FAX:0198ー63ー1756 http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/depopulation/syoukai64.html
が弁護士有志の加盟する震災MLに≪災害弔慰金・義援金を兄弟姉妹にも給付する改革・改善をすべき≫旨の投稿があった。
亀山弁護士及びその相談者の承諾を受けて問題提起をする。
ぜひマスコミで報道して頂き、この改革・改善に取り組みたい。 先日、岩手県釜石のシープラザ釜石で相談を受けたのですが、 「生計が同じで同世帯の弟が被災して死亡したが、弟には配偶者・子・親・祖父母はいない。 弔慰金・義援金を受け取れないのか」という内容の相談を 2件受けました。
一人目の相談者の方は、60代の男性で、
『病を抱えていた無職の弟を、同居して同世帯で 10数年間扶養してきたが、津波で自宅が被害を受け弟が亡くなった。ずっと家族として扶養してきたのに、弔慰金がでないのはおかしい 』
二人目の相談者の方は、40代の男性で、
『弟と二人暮らしであり、弟は津波にのまれて亡くなった。両親を亡くし弟と二人で同じ飯を食って生計を一緒にして暮らしてきたのに、 遺族として扱われないことが悔しい。その上 善意で集められた義援金まで行政の線引きで自分のところに届かないのは納得できない』 同時に義援金は各県によって支給対象者が異なります。
釜石市に聞いたところ、岩手県の義援金配分委員会では、災害弔慰金と同じ扱いをしているようで、 兄弟姉妹は支給の対象者になっていない。
他方
では、死亡者の兄弟姉妹にも支給される(相馬市では同一世帯や葬儀の執行が条件)。
この問題は早急に是正されるべきです。
災害弔慰金支給法では家族の生計を維持する者が災害で死亡した場合は500万円、他のケースでは250万円を「遺族」に支給する。
その遺族とは『配偶者、子、父母、孫、祖父母』になっている。
第3条 市町村は、条例の定めるところにより、政令で定める災害により死亡した住民の遺族に対し、災害弔慰金の支給を行うことができる。
2 前項に規定する遺族は、死亡した者の死亡当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含み、離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあつた者を除く。)、子、父母、孫及び祖父母の範囲とする。
兄弟姉妹のうち誰かが震災で死亡しても、この法律ではその兄弟姉妹の子供、父母、祖父母がいない限り、支給されない。その結果、上記のような亀山弁護士への相談となっている。
戦傷病者戦没者遺族等援護法等では弔慰金を受ける遺族には兄弟姉妹も含まれている。
第35条 弔慰金を受けるべき遺族の範囲は、死亡した者の死亡の当時における配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の3親等内の親族(死亡した者の死亡の当時その者によつて生計を維持し、又はその者と生計をともにしていた者に限る。)で、死亡した者の死亡の当時日本の国籍を有していたものとする。
弔慰金という以上、死亡当時における配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹か、これらの以外の者の場合は、その者によって生計を維持していたか、又は生計をともにした3親等の親族とするのが従来の法体系の遺族概念とも合致する。
災害弔慰金の支給等に関する法律が議員立法の故に理念・体系が明白でないと揶揄される所以(災害援護貸付金についても同様の問題あり。(注)参照)
そこまで拡大しなくても、災害で死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母がいない場合は≪生計をともにしていた兄弟姉妹≫にも支給しないと災害弔慰金制度が『一部欠陥法』になりかねない。
この改革の為には
①災害弔慰金の支給等に関する法律の第3条2項を『前項の遺族とは死亡した者の死亡当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含み、離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあつた者を除く。)、子、父母、孫及び祖父母、及び生計をともにしていた兄弟姉妹の範囲とする』と改正すること。
②災害弔慰金の支給は自治体の事務であるので各自治体の条例に遺族とは『生計をともにしていた兄弟姉妹』と改正すること。
法の改正を待たずに自治体の条例だけでも改正すれば『生計をともにしていた兄弟姉妹』にも支給できるが、予算措置は市町村が100%準備しなくてはならない。
(災害弔慰金の支給に関する法律が改正されれば、市町村の予算措置は4分の1で足りることになる)
更に亀山弁護士の報告によると、災害弔慰金だけでなく『義援金』も、東北の自治体において指摘の通り格差があると言う。
多くの国民や企業からの寄付である「義援金」は法、条例の改正を待たずに支給できるのであるから、災害弔慰金のような硬直な運用をすべきではないだろう。
(注)
災害援護貸付金は法13条で借主が死亡した時は市町村は放棄できる条文になっている。
第13条 市町村は、災害援護資金の貸付けを受けた者が死亡したとき、又は精神若しくは身体に著しい障害を受けたため災害援護資金を償還することができなくなつたと認められるときは、当該災害援護資金の償還未済額の全部又は一部の償還を免除することができる。ただし、政令で定める場合は、この限りでない。
議員立法の議員らの発想では借主が死亡すれば免除できるという規定を作ったはず。しかし政令に定める場合はこの限りにあらずという『官僚』によって但し書が挿入された。議員連中は政令まで検討しない。この法律が国会を通過した後、官僚が政令をコッソリ挿入した。
その政令とは
第12条 法第13条第1項ただし書に規定する政令で定める場合は、保証人が当該災害援護資金の償還未済額を償還することができると認められる場合とする。
保証人の要求自体は法律事項でなく政令に委ねられている事自体問題であるのみならず借主が死亡した場合でも相続人がいる場合も免除できないと厚労省の『通達』では決めれている。
このような免除できる規定、出来ない規定は本来なら法律で予め定めるべきところ、全て政令や『通達』に委ねられている点に議員立法の『お粗末さ』があると揶揄される所以。 |
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≪第一生命役員と与党議員との癒着を問う株主代表訴訟が開始される≫
第一生命の監査役からの不提訴通知が届いた。その内容は株主オンブズマンのHPにアップされている。
この監査役の通知によると、
①国会議員のパーテイー券購入
②国会議員との≪懇親会≫という名の接待
③国会議員の選挙応援
は全てOKという。
社長から選ばれた監査役、そのもとで依頼された「御用弁護士達」が言うのであるから、最初から結論は見えている。
今回の原発問題で露見したように、業界、政府委員、与党の国会議員、御用学者との≪癒着≫≪慣れ合い≫が国民に甚大な被害を与えた。
第一生保役員の株主代表訴訟の目的は、
①第一生命という生保会社の役員達が当時の与党議員達と、どのような関係があったのか、その実態をまず公開の法廷で明らかにすること
②職務権限を持つ政府委員や与党国会議員へのパーテイー券購入・接待・選挙応援が、どこまで法的、社会的に許されるかの、その限界を明らかにすること
③最終的には業界と政界の癒着の是正
にある。
会社の役員が自分達は会社、社会の為に正しいことをしていると言うなら、法廷で堂々と証言して頂くことになろう。
株主総会のようなシナリオ通りのシャンシャン総会ではなく、公開の法廷で、シナリオのない3時間から4時間、反対尋問を受け、社会、株主、裁判所にその是非を判断をしてもらおう。
なお、提訴は東京地裁になり、今のところ6月中ごろを予定。
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東日本の大震災で忘れられているが、自民党時代の安倍・河村官房機密費の情報公開裁判は続いている。
安倍官房長官時代の報償費の裁判が5月11日(水)午前11時30分から大阪地裁の806号法廷で開催される。河村長官の2.5億円の食い逃げ裁判は5月26日(木)午前10時から開催予定。
年間12億円の官房報償費の内、本当の機密費はおそらく3億円か4億円前後。残りの8億円から9億円前後は内閣総理大臣と官房長官のお小遣い。大半は国会議員・官僚の飲み食いや、接待費。
河村長官の2.5億円のうち2億円は自民党の幹部国会議員達への分配金。
これを貰った幹部自民党国会議員達は2億円を震災・津波被災者に返還せよ。
自民党の官房長官・総理であった安倍議員等も震災で民主党の政権をあれこれ批判しているが、自分が官房長官時代に飲み食いに使った税金である官房報償費の1億円から2億円を震災・津波・原発被災者に返還・寄付すべきだろう。
民主党の平野、仙谷も同じ。
枝野は2011年5月分から月1億円の内8000万円から9000万円を東北地震の被災者に寄付否予算の見直しをすべきだ。
安倍官房長官時代の官房報償費の情報公開裁判で、原告側は千代証人の再尋問を要請すると同時に、原告本人の上脇教授の本人尋問の申請をした。
以下はその申請書。
平成19年(行ウ)第92号 内閣官房報償費情報公開請求事件
原 告 上 脇 博 之
被 告 国
証 拠 の 申 出
2011年5月2日
大阪地方裁判所第2民事部丙1係 御中
原告訴訟代理人弁護士 谷 真 介 外6名
原告は、下記の通り、原告本人尋問の申出をするので、採用のうえ、尋問を実施されたい。
第1,原告本人尋問の申出
1,原告本人の表示
住所 訴状肩書地
氏名 上脇博之(同行・尋問予定時間120分)
2,立証趣旨
①本件開示請求の対象文書に記載された情報がいずれも法の定める不開示事由に該当しないこと
②本件開示請求の対象文書に記載された情報には、部分開示が可能で、又部分開示請求権の存在すること
③被告が、不開示事由に該当する事由を外形的・類型的に立証し得ていないこと
3,尋問事項 別紙尋問事項書記載の通り
原告本人 上 脇 博 之
1,原告の経歴について
(1)現在の職業と経歴について。
(2)研究分野について。
2,本件情報公開請求に至った動機と理由について
(1)2006(平成18)年10月5日付で、2005年4月より翌2006(平成18)年9月までの間の内閣官房報償費について支出関係書類の開示を請求するに至った動機と理由は何ですか。
(2)従前マスコミ等で明らかにされている内閣官房報償費の使途について、調査・研究をされたことがありますか。
(3)甲5の1の金銭出納帳、甲5の2の収支整理表、甲5の3の支出内訳明細表、甲6報償費について説明してください。
(4)上記の資料に基づく内閣官房報償費の使途の分析をした結果としてどのようなことが言えますか。
(5)甲10ないし甲11の3にみられる野中広務元官房長官による証言から、内閣官房報償費の使途を分析した結果どのようなことが言えますか。
(6)甲12の1ないし2の週刊誌報道からして、内閣官房報償費の使途についてどのようなことが言えますか。
(7)調査・研究の結果,内閣官房長官が交代した際に,内閣官房報償費に引き継ぎがなされているかどうか
(8)内閣官房報償費と政治資金規正法との関係について述べて下さい
(9)内閣官房報償費を内閣総理大臣に支出しているとの報道について,支出の適法性に問題はありますか(政治資金規正法との関係,賄賂該当性など)
(10)内閣官房報償費を国会議員に支出している場合,支出の適法性に問題はありますか(政治資金規正法との関係,賄賂該当性など)
(11)内閣官房報償費を公務員一般に支出している場合,支出の適法性に問題はありますか(賄賂該当性など)
(12)その他内閣官房報償費に関する調査・研究の結果について
(13)内閣官房報償費の情報公開に関するこれまでの内閣の動向について
3,本件開示請求文書に記載された情報と法に定める不開示事由との関係について
(1)政策推進費の関係について
ア 相手方が記載されない政策推進費受払簿が公開されることによって,一般人に政策推進費の使途を推測することが可能ですか
イ 月1〜3回の定期に支出されている政策推進費について,内閣官房長官の行動と付き合わせることで推測することは可能ですか
ウ 内閣官房長官の具体的行動はマスコミ等に公表されていますか
エ 内閣官房長官の具体的行動を調査,把握することは可能ですか
オ 本件対象期間内の阿倍晋三氏内閣官房長官の行動を調査をしましたか,またその結果はどうでしたか
カ 内閣官房長官自らが支出,管理する政策推進費については領収書がある場合とない場合がありますが,領収書がない政策推進費の支出について,千代幹也証人が法に定める該当性を判断して開示・非開示を決定したことは,適法,適正ですか
キ 政策推進費には領収書がない場合がある点から,支出の一部を示すにすぎない領収書について,しかも相手方を非開示とした場合に,一般人が政策推進費の使途を推測できますか
ク 政策推進費の支出目的に「合意の対価」があることの問題点について述べて下さい(賄賂該当性など)
ケ 出納管理簿のうち政策推進費については相手方の記載がないが,内閣官房長官の行動の調査・把握可能性との関係で,これが開示されることで一般人が政策推進費の具体的使途を推測することは可能ですか
(2)調査情報対策費,活動関係費の関係について
ア 調査情報対策費と活動関係費がそれぞれ1つの支払決定書でまとめて支出されている場合に,各支出の支出金額,支出日等がわかりますか
イ 上記アがわからない場合,その具体的使途を一般人が推測することは可能ですか
ウ 上記アの場合で,支払決定書に支出内容について代表的なもののみが記載されている場合に,一般人が使途全てを推測することは可能ですか
エ 支出決定書の相手方の記載を消して開示された場合,上記(1)の内閣官房長官の行動の調査・把握可能性との関係で,一般人が使途を推測することは可能ですか
オ 出納管理簿について,手方の記載を消して開示された場合,上記(1)の内閣官房長官の行動の調査・把握可能性との関係で,一般人が使途を推測することは可能ですか
カ 領収書等について,支出相手方の記載を消した場合,上記(1)の内閣官房長官の行動の調査・把握可能性との関係で,一般人が使途を推測することは可能ですか
キ 領収書等の体裁で一般人が使途が推測できる可能性はありますか
ク 領収書等の体裁がわからない方法での開示は可能ですか
ケ 支払相手方の記載がなく,また支払目的についても政策推進費,調査情報対策費,活動関係費の別以上の記載のない報償費支払明細書について,内閣官房長官の行動の調査・把握可能性との関係で,開示されることで一般人が使途を推測することは可能ですか
コ 上記ケの推測可能性は支払決定書や出納管理簿に比べて違いはありますか
サ 活動関係費中の書籍類について,支出先の書店が判明した場合に,内閣(内閣官房)の事務遂行に障害が生じる具体的おそれはありますか
シ 活動関係費中の交通費について,支出先の交通事業者が判明した場合に,内閣(内閣官房)の事務遂行に障害が生じる具体的おそれはありますか
ス 活動関係費中の贈答品について,支出先の販売業者が判明した場合に,内閣(内閣官房)の事務遂行に障害が生じる具体的おそれはありあますか
セ 活動関係費中の支払関係費については銀行の振り込み手数料と言うことであるが,振り込み手数料を支払った相手方である銀行が判明した場合に,内閣(内閣官房)の事務遂行に障害が生じる具体的おそれはありますか
ソ 上記サないしセについて,支出相手方以外の支出金額や支出日付のみの場合が判明した場合に,内閣(内閣官房)の事務遂行に障害が生じる具体的おそれはありますか
4,部分開示について
(1)部分開示論をめぐる判例の動向と部分開示請求権について
(2)本件開示請求対象文書と部分開示論の適用について
(3)支出の相手方を非開示としてその他の部分を部分開示することは適法ですか
5,その他関連する事項一切
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≪福島原発による原子力損害のうち『風評被害』は今後大きな争点となるだろう。過去の判例をこの機会に整理した≫
1 「風評被害」はどうして起こるか
判例にみる原子力被害(敦賀原発、東海村原発事件)に関する『風評被害』は、次のような順序で発生した。
① 原子力事業者が原発事故を起こす。
② 国や自治体が一定の指示、勧告などを国民・消費者等に行う
③ 事故の内容や、国等の取った行動をマスコミが広く、大量に報道する。
④ 国等の指示、勧告や報道を知った流通業者が「消費者は買わない」と想定して取引拒絶、返品、ひいては買控えの行動にでる。
⑤ その結果、国等の指示、勧告やマスコミで報道された商品=販売物が損害を受ける。
⑥ 本来の事故に関する安全宣言がなされても、それ以降、相当の期間、その商品=販売物の買い控えが継続する。
⑦ 同時に、国等の指示、勧告等やマスコミに報道された以外の付近の地域や商品=販売物まで消費者は『風評』によって買い控えする
⑧ その結果、それらを販売していた事業者は大きな損害を受ける。
一般的な損害賠償事件と異なるのは、①の事件発生と⑤⑧の損害の間に②又は③及び④の第3者が介在し、その上⑥⑦の一般の消費者の心理が介在する点である。なお①②の行為により⑤の結果だけの場合は風評被害と言わずいわば「真正被害」である。
2 敦賀原発廃液漏えい事件(名古屋高裁金沢支部・H1.5.17)
(1)この事件の概要は、
日本原子力発電(株)の事業所内でコバルト60を含む放射性物質の流出事故がありその一部が一般排水路から海へ排出された。しかもそれを秘密にしていた。それが発覚し、
①S56.4.18に通産省から公表され、マスコミに大きく報道された。
②4月19日から順次名古屋、東京、大阪等の卸売市場が敦賀産をはじめ福井県産の魚介類の集荷自粛を始めた。
③他方、4月19日、敦賀市が安全宣言を行い、4月20日福井県も安全宣言をした
④4月23日県外の卸売市場の自粛は解除された。
⑤その後も、敦賀産魚介類の価格の暴落、取引量の低迷、敦賀湾一帯の観光地での旅館、民宿の予約キャンセルが相次いだ。
(2)原告=控訴人らの請求内容は
原告ら(魚介類の仲買業者ら4名)は、主に金沢港の魚市場で仕入れ、それを主に敦賀魚市場等に卸すことを主な業者であったが4/18から8/末までの間、大幅な売り上げ減少が生じた。その減少額に利益率を乗じた金額を損害額等として4社で合計528万円余の損害賠償を請求した。
(3)判決内容は原告の請求棄却。その理由は
①「本件事故により漏洩した放射能による汚染区域は浦底湾内に限られしかも魚介類についてはわずかにホンダワラ・・・・サザエに検出されたにすぎず、その他の魚介類には検出されず、仮にこれを毎日食べても人体に影響がないほど極めて微量であって結局本件事故によって敦賀湾でとれた魚介類には殆ど影響がなく、従って当然に金沢産魚介類は無影響であったと認めるのが相当である」
②「本件事故の発生とその公表及び報道を契機として、敦賀湾の魚介類の価格が暴落し、取引量の低迷する現象が生じたものであるところ、敦賀湾内の浦底湾に放射能漏れが生じた場合、漏出量が数値的には安全でその旨公的発表がなされても、消費者が危険性を懸念し、敦賀湾産の魚介類を敬遠したくなる心理は、一般に是認でき、したがって、それによる敦賀湾周辺の魚介類の売上減少による関係業者の損害は、一定限度で事故と相当因果関係ある損害というべきである」
③「敦賀における消費者が、敦賀湾から遠く離れ、放射能汚染が全く考えられない金沢産の魚まで敬遠し、更にはもっと遠隔の物も食べたくないということになると、かかる心理状態は、一般には是認できるものではなく、事故を契機とする消費者の心情的な判断の結果であり、事故の直接の結果とは認め難い」
④「上記控訴人らの売上高が本件事故後減少したとしても、消費者の個別的心理状態が介在した結果であり、しかも、安全であっても食べないといった、極めて主観的な心理状態であって、同一条件のもので、常に同様の状態になるとは言い難く、また一般的に予見可能性があったともいえない。すると、本件浦底湾における人体に影響のない微量の放射能漏れと敦賀の消費者の金沢産魚介類の買い控えとの間には、相当因果関係はないというべきである」
(4) この判決の評価
①この判決は理論的には敦賀湾内の魚介類については風評被害を肯定している。『敦賀湾内の浦底湾に放射能漏れが生じた場合、漏出量が数値的には安全でその旨公的発表がなされても、消費者が危険性を懸念し、敦賀湾産の魚介類を敬遠したくなる心理は、一般に是認でき、したがって、それによる敦賀湾周辺の魚介類の売上減少による関係業者の損害は、一定限度で事故と相当因果関係ある損害というべきである』これは正しい。
②この判決は消費者の心理状態を誤解している
イ『敦賀における消費者が、敦賀湾から遠く離れ、放射能汚染が全く考えられない金沢産の魚まで敬遠し、更にはもっと遠隔の物も食べたくないということになると、かかる心理状態は、一般には是認できるものではなく、事故を契機とする消費者の心情的な判断の結果であり、事故の直接の結果とは認め難い』
『売上高が本件事故後減少したとしても、消費者の個別的心理状態が介在した結果であり、しかも、安全であっても食べないといった、極めて主観的な心理状態であって、同一条件のもので、常に同様の状態になるとは言い難く・・・・』と認定した。
ロ しかし、消費者が、本判決の『放射能汚染が全く考えられない金沢産の魚』というような事実を知ってでも、買い控えしているとは思われない。一般的に消費者は必ずしも敦賀原発事故に判決に関与する裁判官ほど正確な情報を入手して行動するわけでもない。行政機関からの 安全宣言がなされても、その情報を正確に入手するとは限らないし、その安全宣言なるものを信用できるかどうかの情報も持ち得ない。『安全でないから買わない』のではなく『安全でなさなそうだから買わない』又は『安全かどうか判らないから買わない』という心理過程を経て購入を控えるのである。このような『心理状態は一般に是認できない』のではなく『一般的に是認できる消費者の心理状態』である。
本判決の想定している消費者とは情報をほぼ正確に入手し、理性的な消費者像である。本件判決はこの点に関して消費者の一般行動を誤解している
3 東海村JCO臨界事故(東京地裁・H18.4.19)
(1)事実の概要
平成11年9月30日、東海村において臨界事故が発生した。東海事業所周辺では4.5ミリシーベルト/毎時中性子線が測定され、土壌、ダスト、ヨモギ等からセシウム137・・・ヨウ素131等が検出された。従業員の2名が死亡する等して、半径350㎡以内の付近の住民に退避勧告をし、10㎞圏内の住民には屋内待避勧告をした。本件事故は我が国初めての臨界事故であり、情報が被告会社から関係機関への通報の遅れたことも加わり、マスコミには大きく連日報道した。原告会社は事故現場から約9キロメートル離れた場所に本社、工場を有していた納豆の製造・販売する業者であったが、この報道と同時に、取引先から納豆製品の取引停止等を受け、その後も風評損害により事故後2年分の営業利益、銀行からの借入金の利息相当の損害金、慰謝料なども含めて、合計約15億9577万円余の請求をした。他方会社は仮払い金2億1300万円の反訴請求。
(2)結論
原告の請求は棄却。
但し、納豆業者の損害があったが、2億1300万円をJCOから仮払金として、受け取っているので、納豆業者の損害と仮払金との差である3112万円の返却が逆に命ぜられた。
(3)理由
①即時損害(廃棄分相当)
平成11年10月1日、取引先から拒絶され、それを廃棄した分2,564,763円。これについては、『本件臨界事故に伴い、納豆製品の安全性を懸念する消費者、販売店の心理は一般に是認できる』として取引拒絶、返品損害はこれを全額認めた。
②営業損失
経験則上、風評被害については、一般に、事故直後に最も強く事故 の影響を受け、その後、正確な情報が伝えられるのに伴って、徐々 に終息していくものと考えられる、として、平成11年10月から 平成12年2月分までの5ヶ月間を風評損害として認定した。但し この5カ月間の売上減少額は最大値であった平成11年10月の2 分の1が相当と認定し、その額に5カ月分を乗じて、それに営業利 益率を乗じた結果3915万円余が損害と認定。
③慰謝料 500万円
④テレビコマーシャル料支払い済による中止分 支払った2億658 万余の半分である1億3290万円が損害
⑤合計 金1億7961万円余を本件臨界事故による相当因果関係ある損害と認定した。
⑥ 納豆業者の損害が1億3290万余あったが、2億1300万円をJCOから仮払金として、受け取っているので、納豆業者の損害と仮払金との差である3112万円の返却が逆に命ぜられた。
(4)本判決の評価
①JCO事件に関して原子力損害賠償紛争審査会が風評被害が安全宣言 後2カ月だけ認めるという意見書(注1)があり、本判決以前の風評被害 は最高2カ月という判例(注2)があったがそれ以外の判例(注3)は風評 被害を肯定しなかったことからすると風評被害を5カ月と認めた点、 および納豆という財産の被害であるにも関わらず慰謝料として500 万円を認定したことは評価できる。
②しかし納豆は、日本人の食生活に米などのような無くてはならない食品ではなく、且つ同じような商品を作る競争業者が多数あり、代替可能商品である商品の特性が考慮されず、このような商品が、一度マイナスイメージをもたれるとその回復には相当の時間がかかる「商品の特性と消費者の関係」があまり考慮されているとは思われない。2年間かかったという原告の主張が妥当かどうかは事実認定の問題もあり肯定すべきかどうは判らないが、風評被害が判決摘示の通り『一般に、事故直後に最も強く事故の影響を受け、その後、正確な情報が伝えられるのに伴って、徐々に終息していくものと考えられる』ならば5カ月で突然終了するのではなく、その後も徐々に金額を逓減しながら被害を認定する方法もあったのではないか。
4 福島原発事故に関する風評被害と上記原発事件との比較
(1) 最大の違いは
①原子力災害対策特別法15条2項により内閣総理大臣が原子力緊急事態宣言をすることが同法により義務付けられ同3項により県及び市町村などに指示することが義務付けられ等原発事故とその指示との間に法的因果関係があることが明白であること。野菜、原乳などの農作物の出荷制限、作付制限などの指示も同法に基づく指示である以上、風評被害ではなく原子力被害そのものであること(JCO事件の場合は報道による流通業者の取引拒否とは異なる)
② 仮に法15条に基づく指示がホウレンソウ等の一部農産物であっても、それ以外の農産物及び指示された地域以外のホウレンソウであっても福島県、茨城県などの『東北県』まで広範囲に及んでいること。
③一部農産物に関して安全宣言がなされたが、他方で今なお原子力非常 事態解除宣言(法15条4項)がなされていないこと。
(2)詳細は次回。
(注1) JCOの平成12年3月29日の『原子力損害調査委員会』報告
(注2)東京地裁(平成18年2月27日判決。判例タイムズ1207号116P)同じ納豆業者の風評被害による請求。
(注3) ①東京地裁(平成16年9月27日判決。判例時報1876号34P)
②東京高裁(平成17年9月21日判決。判例時報1914号95P)
(本件臨界事故により販売土地価格が下落したという請求が否定さ れたケース)
③ 東京地裁(平成18年1月26日判決。判例時報1951号95P)
(パチンコ店の風評被害による損害が否定されたケース)
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