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≪仮設住宅建設に関する法律と実際≫
日弁連の弁護士達が約1000名ほど被災者救援に関するMLを作り情報の交換をしている。一日に100通の情報が飛び交う。私も何かできることがあるかも知れないと思い参加した。
仮設住宅の議論も今後情報の交換になると思うで、『後方支援』のつもりで仮設住宅の法律と実際の運用に関する資料を整理した。
仮設住宅の設置に関する法的根拠は災害救助法23条1項1号にある。
第23条 救助の種類は、次のとおりとする。
一 収容施設(応急仮設住宅を含む。)の供与
3 救助の程度、方法及び期間に関し必要な事項は、政令でこれを定める
法23条3項を受けて、災害救助法施行令9条1項は次の通り定めている。
第9条 救助の程度、方法及び期間は、応急救助に必要な範囲内において、厚生労働大臣が定める基準に従い、あらかじめ、都道府県知事が、これを定める。
2 前項の厚生労働大臣が定める基準によつては救助の適切な実施が困難な場合には、都道府県知事は、厚生労働大臣に協議し、その同意を得た上で、救助の程度、方法及び期間を定めることができる。
この施行令9条1項を受けて厚生労働大臣は『災害救助法による救助の程度、方法及び期間並びに実費弁償の基準』(平成十二年三月三十一日 厚生省告示第百四十四号)を次の通り2条2号で定めている。
第2条 法第23条第1項第1号の収容施設(応急仮設住宅を含む。)の供与は、次の各号に掲げる施設ごとに、当該各号に定めるところにより行うこととする。
一 避難所(略) 二 応急仮設住宅
イ 住家が全壊、全焼又は流失し、居住する住家がない者であって、自らの資力では 住家を得ることができないものを収容するものであること。
ロ 一戸当たりの規模は、二十九・七平方メートルを標準とし、その設置のため支出 できる費用は、二百三十四万二千円以内とすること。 ハ 応急仮設住宅を同一敷地内又は近接する地域内におおむね五十戸以上設置した場合は、居住者の集会等に利用するための施設を設置できることとし、一施設当たりの規模及びその設置のために支出できる費用は、ロにかかわらず、別に定めるところによること。 ニ 老人居宅介護等事業等を利用しやすい構造及び設備を有し、高齢者等であって日常の生活上特別な配慮を要する複数のものを収容する施設(以下「福祉仮設住宅」という。)を応急仮設住宅として設置できること。 ホ 応急仮設住宅の設置に代えて、賃貸住宅の居室の借上げを実施し、これらに収容することができること。 ヘ 災害発生の日から二十日以内に着工し、速やかに設置しなければならないこと。 ト 応急仮設住宅を供与できる期間は、完成の日から建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第八十五条第三項又は第四項に規定する期限までとすること。 仮設住宅の床面積が29.7㎡以下で建設費用が234万2千円(ロ)とか、仮設住宅の期限を2年(ト)などとする『大原則』なるものは、何のことはない厚生大臣が決めた基準でしかない。
この基準などは厚生労働大臣が変更しよとすればできるのである。もちろんその調達財源と相談の上のことになるが。
阪神大震災の時の実際の費用がどれ位かかるか調べた貴重なレポートがある
それによると建設費用に約300万円、その後の維持管理費用などを加算すれば400万円となった旨の報告である。
阪神大震災の仮設住宅の建設、運用に関して実際どのように苦労したかの兵庫県の資料がある。参考にすべき資料である。
この資料の中に個人の資金で仮設住宅を建てたケースも阪神大震災で行われた報告もある。2532棟も自力仮設住宅もあったことは驚きである。
阪神・淡路大震災では、個人の資金により建設された仮設的な住宅についても建設された。神戸大学原田賢使等の調査([調査地域]神戸市東灘区、灘区、長田区、須磨区、[調査期間] 平成7年12月1日〜12月29日)によると、調査区域内における自力仮設住宅は2,532棟確認でき、区域別では、長田区が多かった等の結果が出されている。また、自力仮設住宅を建設した理由は「住み慣れた土地で早急に生活を再開したかった」が最も高く、次いで「店舗・工場等を再開しないと生活できないから」・・・・・とある。
自分の土地に自力で仮設住宅を建設できる根拠は建築基準法85条1項2号である。但し30㎡以内で2年と制限がある。
阪神大震災の時に公費で自分の土地に仮設住宅を建てて欲しいという要求があったが全て国に断わられた。当時の兵庫県知事はこの点の実現ができなかった点を「残念だった」と総括している記事を見たことがあった。
東日本の被災者の仮設住宅に関する費用は阪神大震災当時と比べ一戸当たり400万円では済まないだろう。
仮設住宅の建設は緊急に避難所から解放するという点で意義があるが、コストを考えれば実に無駄という報告がある。もっと多様な被災者の住宅建設支援というメニューがあってしかるべきという貴重な報告である。宮城県の報告書の7頁参照。
『最後に、仮設住宅のコストパフォーマンスの悪さが挙げられる。都道府県にとって、その費用の大半が国から支出され、自らの費用負担が少なくて済むため、仮設住宅の建設が続けられているが、自治体がその全額を負担しなければならないとしたなら、おそらくはこのようなコストパフォーマンスの悪い手段をとる可能性は低いのではないか。』
仮設住宅に同じ公費が投入されるなら、自己所有土地に自費で仮設住宅を建設する被災者に仮設住宅建設費、維持管理費の合計400万円を支給する方法もあってしかるべきであろう(高額納税者などはご遠慮願い、その場合に災害援護貸付金の所得制限は低すぎるが、何らかの所得制限が必要だろう。)
被災者生活再建支援法で自宅が全壊した世帯には300万円が支給される。
自力で住宅を建設する者にプラスして仮設費用分の400万円を合計700万円を支給すれば、自力で仮設住宅に住み、2年後に明渡を要求され、その仮設住宅が撤去されるという資源の無駄使いを防ぎ、かつ被災者の恒久住宅の再建になるかと思うがどうだろう。
確かに700万円では恒久住宅建設が難しい面もあるが、あと350万円を災害援護貸付金を借りて合計1050万円前後なら何とか自宅を再建することが可能になる被災者も増えるのではないだろうか。
このような考えは、土地を持つ者と持たない者への差別だとの批判もある。震災被災者への持家援助だとの批判もある。
他方、自力で自宅を再建できない被災者には最後に『公営住宅』を提供するとすれば一戸あたり約1600万円が必要となる。このような住宅建設支援方法によると公費投入という視点では結果として公費投入が少なくなるという説もかなり説得力があるように思う。
その点はともかく『厚生省応急仮設住宅の設置に関するガイドライン』は自治体の仮設住宅建設に関する担当者や、仮設住宅のあり方を議論する基礎的事実資料になろう。
日赤ガイドラインも同様。
この中に『民間の賃貸住宅を借り上げること』も仮設住宅としてOKと言われているが、この点も多いに活用すべきであろう。
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日弁連や関係する弁護士会が被災者向けの無料法律相談を始めた。
阪神大震災の法律相談の経験者弁護士による研修も東京で開始された。
相談に応じる弁護士は、既存の法律知識で判断するのでなく震災特例が多いことに要注意。
内閣府の被災者支援に関するサイト参照
厚生労働省のサイトも参照
各自治体で上乗せ条例や要綱もあるので調べる必要あり。
なお、実際の相談=被災の現場から震災国家における被災者救済には何が必要かも検討し改革・改善内容などを早急に提言して欲しい。現実の被災者が救済される弁護士らしい改革・改善を。
ヒステリックに国、政府、自治体等の責任追及を叫ぶ「一部マスコミ」「表向き過激な評論家達」「この困難な事態を政治的に利用しようとする一部政治家達」とは一線を画しながら。
空虚な批判、表面的な責任追及等だけでは、現実の被災者は救済されない。
○東日本大震災電話相談
○仙台弁護士会「電話法律相談」
○岩手弁護士会 「電話法律相談」
※「無料相談(面談)」をご希望の方は法律相談センター(TEL:019―623−5005)で予約をしてください。
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東日本大震災による多くの住民の被害には心が痛む。遠くからでは義援金を出すのでが精一杯で、現地に行って被災者や自治体の職員らの相談にのることもできない。
平成7年1月の阪神大震災の時は事務所と阪神地区は近くだったこともあり、1月末から避難場所に行き、被災者や自治体の職員らの法律相談にのった。
阪神地区は借地借家が多かったこともあり「住宅が壊れたが何らかの国の補償があるか」「敷金・保証金は返るか」「自宅が壊れたが借地契約は存続するのか」などの住居に関する法律相談が多かった。
当時は1月末頃から2月になると被災者の関心は、住む家の問題が気になる時期でもあったからであろう。
東日本震災被災者の多くの方も近いうちに、これから直面する住宅問題などに関心が行くことになろう。被災者の相談にのった経験から被災者救済制度について判る範囲で解説したい。
1 住宅が地震・津波で全壊、大規模半壊した被災世帯に対する支援制度
震災・津波などの自然災害で自宅が全壊した世帯には最大300万円、大規模半壊は150万円を限度で現金で支給する制度である。次のような内容である。
(1)住宅の損壊の被害程度による支援金(これを基礎支援金という)(第3条2項本文)
①全壊世帯には 100万円
②大規模半壊世帯には 50万円
但しその被災世帯が1人の場合は その3分の2(第3条5項)
大規模半壊とは住宅が半壊し基礎、壁、柱などの大規模補修を行わなければ居住することが困難であると認められることを言う(法2条2号ニ)
(2)住宅の再建方法による支援金(加算支援金という)
①自宅を建設・購入 200万円
②補修 100万円
③賃借(但し公営住宅は除く) 50万円
但しその被災世帯が1人の場合は その3分の2(第3条5項)
(3)適用対象世帯
この被災者救済制度は「その居住する住宅が全壊・半壊世帯」(法2条)とあるので「家主」がそこに居住していない以上適用されない。(家主の自宅が損壊した場合はその自宅は当然に適用になることは当然)店舗だけの建物所有者などにも「その居住する住宅」とある以上店舗付住宅なら別であるが、単なる店だけの場合も適用がない。
借家人や外国人にも適用される。持家だけとも制限していないからである。「居住する」とある以上、一定期間の定着=住民票、外国人登録証明などの住所が必要であるから、旅行者、一時住まいなどの別荘などの場合は適用されない。
(4) 申請方法
①基礎支援金は自然災害が発生してから13カ月(施行令4条1項)加算支援金は37カ月以内(施行令4条2項)(今回の災害では無理なので、この時期を政令で延長する必要あり)
②申請の窓口は地元の市町村。宛先は県。
③証明書類(市町村が発行する「り災証明書」などが必要。
八戸市が早速HPにアップしている。
これは県、又は市町村に聞けば良い)地元の市町村が機能不全に陥っている自治体もあるし、避難所対策で手が一杯となっているので、早急に県で対策を検討する必要あり。どのような被害救済手続きにも必ず「り災証明書」が要求されるので、この発行事務は市町村にある関係上、この支援体制が要請される。
(5) 根拠法
「被災者生活再建支援法」
「被災者生活再建支援法施行令」
「概要」
(6) 阪神大震災時にはこの制度がなかった。
この救済制度は阪神震災の時にはなかった。当時の国・大蔵省は「私有財産への国の補償」は自然災害では認められないという大原則を振りかざし、認めなった。
多くの被災者達の運動の結果、そのあと3年してやっと議員立法で通過した法律。
当時は家屋の全壊で最高100万円だった。平成16年に家屋の全壊で300万円にアップされ、収入制限などもなくなり現行の法律に改正された。十分な制度でないが
阪神大震災当時からみれば大きな前進。
2 震災・津波などで亡くなった遺族に対する災害弔慰金
(1) 概要・根拠法
① 震災等で亡くなった被災者が「生計維持者」である場合は500万円、その他の者である場合は250万円の災害弔慰金を条例に基づき自治体が支給する制度である。
② 災害弔慰金の支給等に関する法律
③ 災害弔慰金の支給等に関する法律施行令
法3条3項、施行令1条の2で「生計を主として維持していた場合にあつては500万円とし、その他の場合にあつては250万円とする」と規定。
④ 各自体の条例
福島県参照
(2) 実施主体(市町村)
(3) 受給権者
災害により死亡した方の相続人=配偶者(内縁の関係夫婦も含む)子供孫、祖父母)とし兄弟姉妹は除くことになっている。この結果、阪神大震災の場合には生計を維持している者達が兄弟姉妹の場合などに支給できないと言う矛盾が多発した。
(4) 死亡の推定
災害の際にその現場にいたが3カ月後になっても生死不明の者は当該災害によって死亡したものと推定することになっている(法4条)
(5) 災害と死亡との相当因果関係
支給する自治体側ではこの因果関係の認定は相当苦労した。震災直後の避難所での死亡とかは相当因果関係ありとして支給決定をすることなどは悩むことはなかったが、いわゆる「災害関連死」と言われる事例、例えば、仮設住宅などでの「本来の病気」「ストレス」が原因となっての死亡したケースなどでは悩んだという話をよく聞いた。実務的には医師、弁護士、職員などで構成される「災害弔慰金審査委員会」が設置され個別に検討した。当時は先例がなく悩んだが、今後は下記大阪高裁の判例にみられる因果関係論が一応の参考になろう。
≪震災前夜昏睡状態にあり数時間か数日で死亡する可能性があったとしても、延命の為に治療継続中で震災が原因となってその治療が不可能になり死亡という結果が生じたこと、および震災がなければその治療により延命の可能性があり、少なくもその時期には未だ死亡していない以上相当因果関係があるとした≫
一審は上記のケースでは相当因果関係がないとしたが、大阪高裁は比較的因果関係を広く解した。
3 災害障害見舞金
災害により重度の負傷、疾病で精神又は身体に著しい障害を受けた被災者には生計を維持する者には250万円、その他の人には125万円を支給する制度。根拠条文は上記
「災害弔慰金の支給等に関する法律」第8条の別表参照。
4 災害援護貸付金制度
家が全壊した者には350万円、一部滅失した者には150万円を3年又は5年据え置き、そのあと年3%の利息で、10年で返済する貸付制度である。この借入には罹災証明を添付して保証人をつけて借入を当該市町村に申請する。借りるときは良いが、いずれ返還することが要求される制度であるので、将来、返済可能かどうか、保証人に迷惑をかけないかどうか、慎重に判断を要する。阪神大震災の時に借りて、保証人になって貰ったが最後はその保証人に迷惑をかけたケースも相当あったと聞いた。阪神大震災の貸付金が今なお残っていることが以前に報道されていた。なお、当時は「被災者生活再建支援法」が無かった関係でこの貸付金に依存せざるを得なかったことは確かである。
5 震災等による借地借家法の特例
震災による借地借家関係は一般の民法、借地借家法ではなく、特別の「罹災都市借地借家臨時処理法」によることになる。
神戸商工会議所のHPに具体的事例を述べて詳しい解説があるので参照されたい
6 災害救助法関係
被災者が有する土地、建物の固定資産税の減免や所得税の減免制度があるがこれは別途。
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朝日新聞の「人」欄に東京空襲の中山武敏弁護団長が紹介されている。
東京空襲等の一般の市民などの戦争被害者に対する戦後補償がないのは軍人等と比べて憲法14条違反と提訴。一審は敗訴したが、高裁で係争中。
同時に一般市民が戦争による被害補償を求め「差別なき国家補償」を国に求める立法運動となろうとしている。
彼の故郷は九州の被差別部落とあり、一般市民の戦争被害者に対する補償の欠如は軍属と比べ、差別ととらえた。それが戦争被害者救済運動となり、国を動かす運動になりつつある。
中山弁護士は元官房長官であった民主党の仙谷弁護士と23期の同期生。
仙谷は司法修習生の時は弱者救済を表向き叫んでいた。
この2人のスタートは同じ弱者救済であったが、40年も経過すると他方は月1億円の官房報償費を使いこんだ「俗物政治家」
仙谷は官房報償費の透明化を検証すると言いながら、今なお何も明らかにしない。
自民党河村官房長官の2.5億円の食い逃げの情報公開も自分が使いたいばっかりに政治資金オンブズマンのメンバーの情報公開もサボった。
彼の子分である枝野とか言う、さえない官房長官弁護士も、大阪地裁の釈明にも答えず自民党官房長官と同じレベルの悪質さ。
他方の中山弁護士は、以上の通り今なお弱者救済を求めて市民の目線で裁判を続ける弁護士。
朝日新聞の「ひと」欄の中山弁護士と、同期の仙谷官房長官弁護士と比べ、違えば違うものだと、官房報償費の情報公開裁判の準備書面を書いていて、つい比べたくなった。
同様に「君が代」処分取り消し/都教職員167人 逆転勝訴/懲戒権の逸脱、違法 東京高裁の弁護団長の沢藤統一郎弁護士も同じ23期。あかはた新聞を紹介する
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枝野官房長官、裁判所の承認申請にどう答えますか(内閣官房機密費41) という大阪地裁の裁判長から質問状が枝野長官に送られた。
本日(3/2)枝野官房長官は大阪地裁に回答してきた。
千代幹也証人は官房報償費の直接の使途に関係しない原告弁護士の質問に「具体的使途に関する質問」と言い証言を拒絶した。枝野はこの官僚の証言拒否にお墨付きを与えた。
「国会議員に対して報償費を支払ったことがあるか」
「国家公務員に対して配布したことがあるか」
「活動関係費の交通費には飛行機、電車代が含まれるか」
などの質問は何時、誰に、いくらのカネを払ったというような具体的使途ではなく、カネの配布対象の「一般的属性」の質問である。
それすら、枝野長官は回答を拒否した。
自民党時代に形成されてきた官房報償費のデタラメな使い方を踏襲したいのであろう。月1億円も使えるとなれば、野党時代は官房報償費の「透明化」とあれほど叫んでいたのに、実際自分が使えるとなるとトタンに自民党と同じ穴の狢となる。
平野、仙谷、枝野と民主党の3代続いた官房長官は結局、官房報償費という政治とカネの最大の「ブラックボックス」を少しも明らかにしようとしなかった。
仙谷、枝野らは小澤議員の政治とカネをあれこれ大きな顔して批判はできない。
このような官房長官の不当な拒絶は違法だとして行政事件訴訟や国家賠償を提訴しようと弁護団では今、メールが飛び交っている。
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