弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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12月10日の新聞に耐震強度偽装問題で、弁護士や建築士らで構成する「欠陥住宅全国ネット」は、全国で「構造計算偽造・ずさん検査告発110番」を開催するという報道がされた。

先日、大阪のある弁護士から「ずさん検査告発110番」を開催するのだが、公益通報者保護法との関係で、問題が生じないか電話で相談があった。以下に要約して質疑応答を報告する。

問1 『弁護士が110番で相談にのるのはどうか』
答1 『従業員が「実はわが社にこのような偽装行為をした事実があるが、どうしたらよいか」と言う
ことで弁護士に相談するだけなら、それは相談であって、外部通報ではない。OKだ』

問2 『従業員がまず、社内に事前に通報しないで、我々の110番に通報することは問題がないか』
答2 『まず、内部に通報しないとダメという法律構成にはなっていない。それを聞いた「欠陥住宅全国ネット」の皆さんが、そんなひどいことは許されないということで、国土交通省とか地方自治体、マスコミに通報すると、それは外部通報となろう。』

問3 『上記2の場合に外部通報になる場合はどうすればよいのか?』
答3 『その場合は公益通報者保護法の3条3号のイ、ロ、ハ、ニ、ホに該当するかどうか検討しなけ
ればならない』

問4 『いま法3条の条文をPISAのHPで見ているが、どう考えればよいのか・・・・・・』
答4 『この法律は外部通報については欠陥法である・・・なおイ、ロ、ハ、ニ、ホそれに該当
しないとこの法律では保護されないが、一般法理で保護される。法6条の解釈規定を読んでおいて欲
しい・・・・外部通報についてはダブルスタンダードの保護規定になっている』

こんなやり取りをした。法3条3号の外部通報が認められる要件は次の通り。
イ 前二号に定める公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理
由がある場合
ロ 第一号に定める公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は
変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合
ハ 労務提供先から前二号に定める公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合
ニ(略)
ホ 個人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相
当の理由がある場合

内部通報をまずすべきということにはならない。行政機関に通報する選択枝もある。
外部通報となると構造計算偽造の場合は一般的に上記ホに該当する可能性がある。震度5弱で倒壊の危険性があれば「急迫した危険性」があると解釈される。しかしでは震度6強だと急迫性について疑義が生じる。自民党、公明党の与党がこの急迫する文言を突然に入れた。

またある販売会社の社長が、「公表すれば、ただではおかない」という言辞を吐いた」という証拠があれば上記イ、ハに該当する。しかし国会で「そのように言っていない」と否定しているところから、直ちにイ、ハに該当するとは言えない。

この条文は外部通報に関する関係では欠陥法だ。経団連や官僚、与党から外部通報を極めて制限する内容にされた。日弁連や民主党が反対したが多数で可決された。
ややこしい条文が入ったものだ。生命、身体の安全に関する問題は外部通報を当然に認めるべきだ。

なお、私は通報者が110番で、もし本当の内部告発があった時は、内部通報などをしても握り潰されるから、行政機関に通報するようにアドバイスをして、本人と一緒に行動するのが一番安全だと言った。しかし、国会答弁を聞いていると国土交通省などに通報しても、当初は関係ないと無視したことからするとどうなるか判らない。

この公益通報者保護法は施行後5年で見直すことになっているが、施行前から見直す必要を感じる

熊谷組の企業献金裁判を準備していくなかで私達は多くのビックリするような政治と金の実態を知った。
一番驚いたのは自民党から国会議員に配る『政策活動費』というものであった。

東大の会計学の専門の醍醐聡教授がこの問題を調べていた最初の学者だった。醍醐先生を講師に呼び、早速、学習会を開き、勉強した。この裁判を支援してくれている横浜の元校長先生が、当時の自治省に毎日行って自民党の収支報告書の中の、政策活動費を全て書き写してくれた。(当時はコピーが出来ず、見て書き写す必要があった)これを裁判の証拠に出した。この部分の一部はは政治資金オンブズマンのHPアップしている。http://homepage2.nifty.com/~matsuyama/menu04.html

盆に配る金は氷代と呼ばれ、暮れに配る金はモチ代と呼ばれている。しかしこの金はせいぜい200万とか300万だけである。派閥の事務総長クラスになるとこれが5000万とか1億円になる。自民党の幹事長となると、年間5億とか6億円を受け取る。これらの金を貰った議員は誰に、幾ら払ったか、その支出を自民党本部にも明細を報告する必要がない。もちろん一切収支報告書にも書く必要かない。使途不明金になっている。大物政治家となると1億の金など『エー何のこと』と言うはずだ。

自民党の本部の収支報告書を見るとある議員に3億円とかを一回で配っていることも記載されていた。真相は不明だが、小選挙区からコスタリカ方式で比例区に回った議員に対する解決金かと思われるような巨額の金であった。何故これほどの大きな金を貰い、その配布先を収支報告書に書かないから、疑われるのだ。

議員を辞める国会議員にも退職金代わりに1000万とか2000万を配っている。もと大阪の専門学校の教師がその議員1人1人を調べ、退職議員であることを発見してくれた。準備書面にもこのことを書いた。この裁判はこのような多くのボランテイアーによって支えられている。弁護士と株主だけでこの裁判は出来ないのだ。次の議員の税金問題に関しても公認会計士の協力があったから判明した。

不思議なことにこの金の支出については、全額支出すれば、国会議員個人の所得の申告書に記載する必要がない。もし残ったら雑所得として申告する必要があるという扱いになっているという。しかし残ったかどうか誰も調べない。国税もこの政策活動費についてはアンタチャブルになっているという。愛人に配っても『政策活動費』となり適正な支出になるのではないかと言う。市民から見ると驚くべき国会議員の『特権』だ。誰も調べないのだから支出は何でも良いことになってしまう。もちろん議員個人のポケットに入っても判らない。

この金の大半は企業献金である。自民党の議員も財界の言うことをよく聞くはずだ。こんなおいしい金を配ってくれるのだからね。ところが経団連はこのような使途不明で政治の腐敗を生む企業献金を『社会貢献活動』と言っている。『自民党議員裏金貢献活動』と言ってもらうと市民に判りやすい。

来年1月11日の熊谷組の名古屋高裁金沢支部の判決がこの自民党の『政策活動費』の原資を裁くのだ。裁判官も、この実態を見て欲しい。証拠は腐る程出しているのだから。

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