弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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 国会議員の表のサイフは6個ある。これらの表の6個のサイフの収支報告書をバラバラにして届けないで連結した報告書を一括でする法律を作るべきだ。そうすると国会議員のサイフの中味は良く判る。なお時には7個のサイフを持っている議員もいる。

国会議員の収支報告書の連結を求める朝日新聞の社説や、読売新聞の『収支報告書の中央と地方を一括し迅速開示を求める』という社会部の徳毛貴文記者の解説記事に刺激されて法律的に整理した。

1 個人収入の本当のサイフ=これは普通の国民と同じサイフだ=これに違反すると所得脱法違反。いわゆる脱税である。

2 政党の選挙区支部というサイフ=企業献金、団体献金の受け皿である=政治資金規正法18条に根拠規定があり、この収支を法12条で届ける義務がある。これに違反すると収支報告書の不実記載罪、または虚偽記載罪である。橋本派の1億円の件がこれである。(法25条違反)

3 資金管理団体というサイフ=これは国会議員が自ら代表になって個人献金、政治団体からの受け皿である=政治資金規正法19条に根拠規定条文がある。このサイフの収支を法12条で届ける義務がある
以前はこの団体が企業献金の受け皿であったが政党以外が禁止になったので、この団体の存在価値がなくなった。

4 公職選挙法に定める公職の候補者としての選挙活動に関するサイフ=このサイフの明細は公職選挙法189条に規定されている収支報告書に記載して選管に届ける義務あり。違反すると刑罰がある。

5 資金管理団体以外の政治団体というサイフ=これは幾らでもOK。後援会とか励ます会とか、研究会とか名称はバラバラだ。但しこれへの収支を法12条で届ける義務がある。これに違反すると法25条違反。

6 自民党本部から政策活動費を受け取る時のサイフ=政治資金規正法21条の2第2項のサイフである。小泉チルドレンが貰った400万とか、安倍元幹事長の9.9億円とかである=これの支出の明細を法的に直接規制する法律はない。

7 裏カネを扱う『裏サイフ』である=1億円の金を貰いながらこのカネは誰の『裏サイフ』に入ったのか?自民党の安倍幹事長が9.9億円の金を国会議員に配ったとすればそのカネはこの『裏サイフ』に入っている可能性がある。

国会議員のサイフを連結にする為の法律を議員立法でもして貰う為に参照条文を念の為に引用する。

【政治資金収支報告書提出義務条文】
第十二条  政治団体の会計責任者・・・・・は、毎年十二月三十一日現在で、当該政治団体に係るその年における収入、支出・・・・・・・・・を記載した報告書を、その日の翌日から三月以内・・・・・都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出しなければならない。

【政党の支部と本部は別】
第十八条  政治団体(政治資金団体を除く。)が支部を有する場合には、当該政治団体の本部及び支部は、それぞれ一の政治団体とみなしてこの章の規定(これに係る罰則を含む。)を適用する。

【資金管理団体】
第十九条  公職の候補者は、その者がその代表者である政治団体・・・・・のうちから、一の政治団体をその者のために政治資金の拠出を受けるべき政治団体として指定することができる。

【不実、虚偽記載罪】
第二十五条  次の各号の一に該当する者は、五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
二  第十二条・・・・・・・の規定に違反して第十二条第一項の報告書・・・・に記載すべき事項の記載をしなかつた者
三  第十二条・・・・・・の報告書・・・・・・に虚偽の記入をした者

【団体の代表である国会議員を罰する法律】
(秘書がしたという弁明を本来は許さない条文だが発動されたことを聞いたことがない。今回の橋本元首相が平成研の代表だったが不起訴になった。50万以下であるが、これで起訴されると公民権がなくなるので、国会議員には痛い))
2  前項の場合・・・・・・・において、政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、五十万円以下の罰金に処する。

【国会議員の選挙に関するサイフを規定した公職選挙法】
第189条 出納責任者は、公職の候補者の選挙運動に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出について、第185条第1項各号に掲げる事項を記載した報告書を・・・・・・・・・・次の各号の定めるところにより、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会にに提出しなければならない。

【虚偽記載罪】
第246条 次の各号に掲げる行為をした者は、3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
5の2.第189条第1項の規定に違反して報告書若しくはこれに添付すべき書面の提出をせず又はこれらに虚偽の記入をしたとき。

1/4日付け読売新聞朝刊の第3社会面に
『弁護士会の内部告発相談窓口出遅れ』という記事が大きく報道された。

この記事によると『公益通報(内部告発)相談窓口』の設置の動きは大阪弁護士会、京都弁護士会,東京3会だけであるという。札幌、仙台、横浜、千葉、埼玉、名古屋、神戸、広島、福岡などの比較的大規模な弁護士会でも何の検討もしていないらしい。

日弁連は立法段階でこの法案に反対をした。そのこともあり、国会の附帯決議で次の通り要請された。

『本法の運用に当たっては、通報をしようとする者が事前に相談できる場が必要であることから、国、地方を通じて行政機関における通報・相談の受付窓口の整備・充実に努めること。また、民間における相談窓口の充実に関し、日本弁護士連合会等に協力を要請すること』

その結果、総務省から日弁連に要請があり、日弁連は昨年9月に『公益通報者の事前相談窓口』の設置を単位弁護士会に要請した。その結果が上記3単位会では情けない話だ。

確かに、今回の公益通報者保護法はイギリスやアメリカのような法律と比較すると、極めて制限が厳しく
ややこしい法律であることは事実だ。普通の市民に理解不能の法律を作りながら、尻拭いを弁護士会などに押し付けることや、専門的に扱う弁護士が少ないことも消極的になっている単位会の現実は、私も同じ弁護士である以上、よく理解できる。

しかし、どのような法律でも制定された以上、その法律を市民が利用し易いように、且つその充実を運用でカバーするのはこれまた弁護士会の使命であろう。5年後に見直し規定がある。制定後の運用に関与せず、5年後の見直し段階で、あれこれ発言する資格もなくなってしまう。

同時に各地の単位弁護士会に『公益通報(内部告発)相談窓口』が作られていることは、相談の多少とはは別にして、事業者や行政機関への監視機能も持つことも明らかだ。各地の単位会で相談窓口を作る方向でもっと努力して頂きたいものだ。

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