弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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 【談合が何故なくならないのか】

結論から言えば
『談合が仮に発覚しても、談合に対する刑罰や損害賠償制度では談合をした方が得だからである。
談合が発覚しても、その企業、担当者にとってわりにあわない制度でないからだ。
談合が発覚すれば、企業、担当者にとって割りに合わない制度になれば、談合がなくなる』

1 課徴金制度は極めて談合企業に甘い制度になっている

(1) 課徴金の率が6%や10%では談合をやった方が得だ

 例えば談合で予定価格の95%で受注したとする。談合が発覚して課徴金10%が命じられても、予定価格の85%で落札した計算になる。

土木工事なら60数%〜75%前後、建設工事なら75%〜80%前後で十分儲かる価格だと言われている。公共工事の設計価格が高いからだ。課徴金10%では痛くも痒くもない計算になる。

発注機関から違約金10%を請求されても、課徴金10%と合計しても、ほぼトントンになる。

仮に談合が発覚し、20%を支払っても、談合した側には特別の損害が生じるわけではない。
よって談合は、発覚しても『わりにあわない』ものではない

 今回の独禁法の改正作業の過程で、公取委が15%案を出した。これに対して、経団連が恥も外聞もなく、強烈に反対した。http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2004/056.html

後になって判ったが、経団連の役員らには、橋梁談合、防衛施設庁談合・・・に連座する三菱重工や新日鉄の会長クラスが入っていたからだ。

経団連は、政党の政策を評価するとか、何とか言って、企業献金の斡旋を再開した。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/speech/comment/2003/spe0527.html

何のことはない。経団連が要求する、課徴金などの増額に反対するために、格好を付けただけではなかったのか?自民党に企業献金を武器に独禁法の修正を裏で「要求」したのではなかったのか。

これを受け入れ、公明党までも、経団連の要求を受け入れ、現行の10%に下げさせた経過がある。

(2) 課徴金が命じられるのは、談合した過去3年間の受注した金額に対してである。それ以前の談合は不問にふされる。これでは談合のやり得になる

『第7条の2 事業者が、不当な取引制限・・・・・・・・・・で次の各号のいずれかに該当するものをしたときは、公正取引委員会は・・・・・当該事業者に対し、当該行為の実行としての事業活動を行つた日から当該行為の実行としての事業活動がなくなる日までの期間(当該期間が3年を超えるときは、当該行為の実行としての事業活動がなくなる日からさかのぼつて3年間とする。以下「実行期間」という。)における当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に100の10(略)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない』

橋梁談合の場合、発覚までの30年間、談合を継続していた。3年分の課徴金を払ったところで、27年分は談合のやり得だ。課徴金が15%、20%になっても、過去3年では談合は企業にとって割りに合う。

課徴金は、談合によって得た不当利得を吐き出す制度とすれば、民法の不当利得の時効は10年だから、最低10年分を遡る位の立法にすべきだろう。さらに、悪質な企業は懲罰的にその2倍、3倍を課徴金として科す内容にすれば、これは談合は割りに合わないものになろう。

企業献金を貰う自民党が与党では、このような談合をすれば、損をする独禁法に改正することはおよそ不可能だ。

安部総理も戦う政治家を言うなら、このような談合企業と戦う政治家になるべきだが、財界の総本山の社長や会長らと懇談しているようでは、およそ改革を期待できない。口で言うことと、やっていることが大違いだ。

2 刑法や独禁法の談合罪の刑罰が軽すぎる。
判決では実行行為者は全部執行猶予判決になる。

刑法の談合罪で懲役2年以下、独禁法の談合罪で懲役3年以下である。

その上、逮捕、起訴されるのは末端の職員ばかりで、トップには及ばない。
しかも、それらの担当者でも、判決では、実行行為者は、執行猶予判決に今まではなっている

裁判官も裁判所の「量刑基準」があり、談合は会社のために犯したのであり、実行行為者自らが利得していない。社会的制裁も受けた、という決まり文句で執行猶予判決になっている。

逮捕された人は大変だが、これらの人への弁護士費用や、その他の諸費用を払っても談合のやり得になる。だから何回、摘発されても、企業は2年〜3年すれば、もとの木阿弥になって談合を繰り返した

談合は税金の詐欺であるから、刑罰は詐欺罪と同じ10年にすべきだろう。
2回談合すれば、併合罪にして、長期15年にすれば、威嚇効果は十分に発揮する
そして、現実の判決では実刑にするなどの重罰化が求められる

これらの法律を作るのは、政府、政党、国会議員、官僚の仕事である。しかし、政府、政党、国会議員、官僚は談合罪に関する重罰化となると、知らぬふりをする。

彼らは、入札妨害罪などで、自分達が罰せられる危険性があるからだ。

3 談合による指名停止期間が短い。

談合すると発注機関から指名停止を受ける。しかし談合した当該発注機関からは1年などの指名停止を受けるが、それ以外の発注機関からは2ヶ月から5ヶ月前後とかの極めて短い期間である

橋梁談合事件では発注者の東北、関東、北陸各地方整備局から8カ月、それ以外の中部、近畿、中国、四国、九州各地方整備局や北海道開発局などが5カ月だった。地方自治体では2ヶ月か3ヶ月だ。

この場合は旧道路公団での談合も重なり、指名停止さ期間が延びた。このような、場合は例外だ。
ちなみに、神戸製鋼などでは橋梁談合の指名停止による損害はなかったと株主代表訴訟で答弁してきている。

大林組は和歌山県のトンネル談合で、和歌山から、1年の指名停止を受けた。しかし国土交通省からは2ヶ月だった。隣の大阪府、兵庫、京都なども2ヶ月か3ヶ月だろう。この程度なら少しは痛いが、談合が割りに合わないものではない。

以上の発注機関の指名停止期間が短いのは、官制談合があるから、談合を勧めた官側が、企業に遠慮をして、短い指名停止期間にしている。

談合した発注機関の指名停止期間が1年では短い。2年にすべきだろう。それ以外の発注機関からも最低でも1年から2年にすべきだ。

指名停止期間の定めは、これは法律、条例で定める必要がなく、国の省庁、自治体の通知や規則でできる
こんな、簡単にできることもしない国、自治体の役人の談合に甘い体質がある。

それを国会、地方議会で追求もしない議員の談合企業との癒着、甘い体質がある。
政・官・業の談合癒着体質が、談合やり得を放置している

明日からとは言わないが、1ヶ月後から談合を割りに合わない犯罪にする為には、この指名停止を大幅に延長することだ。

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