弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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最高裁の判決も誰が担当するかにより変わるものだ。
裁判官なら誰が担当しても同じ判決になるとは限らない。

1/24の朝日新聞の31面に最高裁裁判官だった滝井繁男さんのインタビューが掲載されていた。取材は東京の司法記者クラブの山口進記者。一読の価値あり

滝井さんが大阪弁護士会の弁護士から最高裁判事に推薦された。昨年退官して現大阪弁護士会の弁護士。
その滝井さんの判決について、記者は次のように解説している

≪最高裁では最近、立法や行政に対する従来の及び腰の姿勢から一歩抜け出ようとする「変化の兆し」が表れている。その影のキーマンの一人が、昨年10月に退官した滝井繁男元判事(70)だ≫

最高裁判事を退官しても殆ど語らない人が多い。そのような中で、山口記者は、ここまで滝井さんの本音を聞きだしたものだと関心した。

滝井さんは、最高裁判決を数歩、改革した数少ない最高裁判事の1人となろう。

滝井さんの大きな役割は、2005年の、在外日本人から国政選挙の選挙区選挙の投票権を奪った公職選挙法は違憲と断じた判決にある。国会の権限である立法の不作為に風穴を開けた。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiKbn=01&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=25008

滝井氏は大法廷に回付される前、第二小法廷で審議中の段階から判決まで、この訴訟にかかわった。おそらく、このときに滝井さんが第二小法廷にいなければ、従前のように、簡単に棄却されていただろう。最高裁は、立法の不作為には、国会の大幅な裁量権を理由に全く審査しないのが最高裁判例だからだ。

これが今後、国民の投票権だけでなく、その他の権利に及ぼしうる判例となるかどうかは、今後の判例
の積み上げによる。

上記インタビューで滝井さん曰く
≪法の解釈は、社会のどんな要請に応えるべきなのか、いつも考えた。その中で、社会的「弱者」の存在は常に念頭にあった。弱者は常に救済されなければならないとは思わないが、特に医療や労働、行政訴訟の分野での高裁の判断が本当にそれでよいのだろうかと考えることがあった≫

生保(日本生命、住友生命)ゼネコン(熊谷組)の政治献金事件は、残念ながら、最高裁第2小法廷には継続しなかった。
生保事件は第1小法廷、ゼネコン事件は第3小法廷。もし滝井さんの最高裁第2小法廷に継続すれば、八幡政治件事件が見直されたかも知れないと思うと残念のきわみ。

地裁・高裁・最高裁の裁判官全てが上記のようなスタンスで判決するならば、どれだけ国会の怠慢、
中央官庁、巨大企業などの社会的強者の違法・不正行為が是正されることか。

熊谷組の自民党長崎県連献金株主代表訴訟事件 http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/41412128.html
で、本日(1/31)名古屋高裁金沢支部に行って今帰った。

この裁判長は、
*昨年1月に熊谷組の1審福井地裁の株主勝訴判決を取り消して逆転敗訴させた。
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/23126743.html
*住基ネットが違憲と断じた1審金沢地裁判決も取消し、合憲とした。
*談合情報などを証拠に、談合があったと断じた1審金沢地裁判決も取消し、企業の談合がなかった
と逆転敗訴させた

これほど、この1年間に、一審の、社会的弱者勝訴判決を取消し、社会的強者を、高裁で逆転勝訴させる裁判長も珍しい。

滝井さんのような裁判官は悲しいかな極めて少数。

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