弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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≪裁判で国の主張PR…「訟務広報官」4月に登場≫
 『法務省は4月から、国が被告となる裁判の広報活動を一手に担う「訟務広報官」を新設する』
2007年2月12日11時38分 読売新聞
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国が被告となる裁判の広報活動を政府が行なうという。これは反対だ。

今、大阪の『NHK市民の会』が提訴するという、総務大臣の命令放送が憲法違反であるが故に無効、取消などの訴訟は国=法務大臣が被告となる。

このような訴訟では、国=法務大臣=総務大臣側=NHK側の一方的な広報を政府の広報官が、提訴段階で国の主張を予めすると、マスコミはこの広報官らの報道を大きく報道する。

NHK市民の会の報道力が国の報道力に負ける以上、マスコミでの扱いは国の報道官より、小さい報道になることは明白だ。

この問題だけでなく、国家賠償請求、官官接待の違法情報開示請求、政務調査費の開示請求・・・・
政府、国会議員、官僚のデタラメを問う訴訟を起こした場合はすべて同じ問題が生じる。

このような国を被告とする訴訟の、提訴段階での、政府=国の広報が、この裁判を審理する、裁判官の心証に少なからず影響を与える。

裁判官も人の子である。時の政府=広報官の報道を相当気にすることは明らかだ。

国の主張が、準備書面という法廷でなく、広報=マスコミで報道されると致命的な影響を与えるからである。

このような国を当事者とする、訴訟問題には、最高裁で判決が確定した場合ならともかく、提訴段階、一審判決段階、高裁判決段階では、裁判官の心証に甚大な影響を与える。

≫国が提出する準備書面の要約を作成・・・事前に報道機関に対する説明会を開いり≫

これなどはもっと、重大問題。
例えば、国の重要役人を証拠調べするとか、国の施設を検証するとか、国の所持する秘密の文書の提出命令を出すなどの審理の途中段階で、報道官がそのような証拠調べは反対である旨の広報し、それがマスコミに報道されることは確実だから、裁判官の訴訟指揮にも重大な影響を与えることは明らか。

政府=国の広報は、訴訟に関しては、判決で確定しとか、控訴するとかなどの、よほどの特別事情の場合でない限り、辞めるべきだと思う。

これでは、広報という手段による、訴訟=裁判に対する事実上の『介入』になろう

権力を持つ者の広報=報道と、市民側のない者の広報=記者会見=報道とは、質的な格差がある。NHKなどは市民の動きは殆ど報道しないが、政府=広報の報道は大きく報道する。

この情報力、広報力の格差の違いをキチント見て、マスコミは、このような広報官の新設には反対する報道をして欲しい。
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≪裁判で国の主張PR…「訟務広報官」4月に登場≫
 『法務省は4月から、国が被告となる裁判の広報活動を一手に担う「訟務広報官」を新設する』
2007年2月12日11時38分 読売新聞

 国の裁判が注目を集めるケースが増えているのに、国の主張が国民に十分伝わっていない現状を改めるためだ。

 国の裁判は法務省が一元的に担当しているが、専門の広報窓口はない。報道機関の取材などには、関係省庁や法務省の担当者が談話や資料を個別に出しており、国民が直接、国の主張を知ろうとしても、方法がない状態だ。

 国の裁判について、最近では、ハンセン病訴訟の控訴断念など、政治主導で決着させる例も出てきた。法務省としては、国の裁判への注目が高まる中、「法にのっとった国の主張を理解してもらうため、国民に直接、訴える必要がある」と判断した。

 広報官は数人のスタッフを持ち、結果が社会に重大な影響を与える裁判や新たな法解釈が争点となる裁判に対応する。具体的には、国が提出する準備書面の要約を作成し、法務省のホームページに掲載する。判決など裁判の節目には、事前に報道機関に対する説明会を開いたり、事後に記者会見を行ったりする予定だ。

住民の地方自治体に対する公金の支払を求める請求権は5年で時効消滅しない場合がある。最高裁が2006年2月8日注目すべき判決を出した。自治体の職員にとって必読判例となった

判決要旨は
『原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律等に基づき健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が,出国に伴い支給を打ち切られた健康管理手当の支払を求める訴訟において,被告が地方自治法236条所定の消滅時効を主張することが信義則に反し許されないとした』内容である

≪判決要旨≫
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=34109&hanreiKbn=01
≪判決全文≫
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070206114452.pdf

原爆の被害者が、「原爆特別措置法」に基づき、健康管理手当ての請求権を自治体に対して有することになった。この法律に基づき、広島県に在住した住民がこの手当てを受けていた。
ところが、この住民はブラジルに移住した。

国は、外国に移住した被爆者の住民には、この法律に基づく健康管理手当てを請求できないという通達(402号通達)を出していた。このために広島県などは、この通達に従い、外国に移住した住民には、この手当ての請求はできないとして、ブラジルに移住した住民には、その支給をしなかった。

そこで、ブラジルに移住したこの住民達は一度、日本に戻り、健康管理手当ての請求をした。これに対して、請求した段階では、5年が経過しているので、健康管理手当ての請求権が仮にあっても、5年の消滅時効で消滅したという主張を広島県がした。

これに対する最高裁の判例である。

国、自治体に対する国民・市民の請求権の時効は『私債権』の場合は民法の消滅時効による。『公債権』の場合は会計法、地方自治法で5年とされている。

国・地方自治体は『時効の援用』をしなくても、債権は時効消滅するとされている。これは国・自治体の債権、債務が当事者の援用という行為を待たず、消滅させるとしたのは、国・自治体の公債権の画一的処理をする必要性がからであると言われている。私債権との違いである。

今回、最高裁は、国民・市民が国・自治体に対する支払の債権がある場合に、国、自治体が、自らこの住民の権利行使を、不可能ににしている場合は、5年で消滅する扱いは信義則に反し許されないと命じた。5年で、画一的に消滅するとする国・自治体の考えを否定したのである。

全ての場合でなく、国・自治体が、その債権の請求の行使に対して、いわば「妨害をした場合」には、5年の時効で消滅するという扱いが出来なくなったことにしたのである。

この判例は当然と言えば当然だ。通達で権利行使を出きないような場合なら、この判例の射程距離だが、実務では、この判例の射程距離がどこまで及ぶか、相当議論となろう。

住民に公債権が一度発生しているのに、その権利行使を住民が5年間、合理的理由な理由で行使できなかったかどうかが勝敗を決することになる。この具体的事実認定においては、何故権利行使が出来なかったか、その経過や理由、自治体の担当者の説明などなどが、訴訟の争点となろう。

最高裁は、いわゆる「公債権」に関して、消滅時効を住民に有利に解する傾向にある。
自治体が住民に対する水道料金請求権などは、従来は公債権として5年と解されていたが、最高裁は2年で消滅すると解した。(この場合は水道料金は公債権でなく、私債権と解し、住民に有利な解釈をした)

http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/42766241.html (NHKの受信料も公債権でなく、私債権と解されるだろう。政府やNHKの10年説などは最高裁では殆ど、支持されないだろうと思う。5年が精一杯か)

上記判例も同じ流れで、住民はが自治体に対する請求権は、5年で当然消滅すると解されていたが、そうではないという。(同じ)

自治体の法務担当者や、顧問弁護士にとっても公債権についての消滅時効は悩ましい問題になる。
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≪会計法≫
第30条 金銭の給付を目的とする国の権利で、時効に関し他の法律に規定がないものは、5年間これを行わないときは、時効に因り消滅する。国に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。
 
第31条 金銭の給付を目的とする国の権利の時効による消滅については、別段の規定がないときは、時効の援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとする。国に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。

≪地方自治法≫
第236条  金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は、時効に関し他の法律に定めがあるものを除くほか、5年間これを行なわないときは、時効により消滅する。普通地方公共団体に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。
2  金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利の時効による消滅については、法律に特別の定めがある場合を除くほか、時効の援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとする。普通地方公共団体に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。

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