弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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放送法の改正案にNHKに対して総務大臣が、『命令放送』という言葉はひと聞きが悪いので、『要請放送』とかに放送内容を総務大臣が『求める』ことができるとかに改正すると言う報道がなされている

何の権力を持たない者が、NHKに要請するのは自由。

総務大臣という、NHKに対する、監督権限を持つ者が、要請するのは根本的に違う
要請放送であっても憲法違反。

1 電波法の定める総務大臣のNHKへの権限。

電波法は、放送事業者の事業活動に必須の無線局(法2条5号)の開設について、総務大臣の免許が必要とされている。しかも、免許の有効期間は5年を越えないとされているので、5年ごとに再免許を受けることになる(法13条)。もし、総務大臣の放送法の命令に従わなければ、第76条により「総務大臣は、免許人等がこの法律、放送法、若しくはこれらの法律に基づく命令に違反したときは、3ヶ月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、若しくは第27条の18第1項の登録の全部若しくは一部の効力を停止し、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。」となっている。総務大臣の命令に従うべき義務が法律上定められている。

2 放送法の定める総務大臣のNHKへの権限。

第37条 協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、総務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 2 総務大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を附し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。

3 以上の電波法、放送法上、総務大臣がNHKに対して法的権限を持つ以上、これが『命令』から仮に『要請』に変わったとしても、総務大臣の権限が絶大である以上、事実上の強制力になり、NHKはこれに事実上従う義務が生じる。

国会の多数政党が実質的にNHKの予算、事業計画を事実上支配しているこから、戦後、幾度かの放送に対する介入が与党又はその有力国会議員によって行われてきた。NHKは、国会議員の発言を必要以上に忖度して番組を改変する等の問題が発生してきたのである。

以上の通り、法律上、事実上、NHKへの強制力を持つ者が、NHKに『要請』する場合も同じように
憲法の21条の報道の自由を侵害することになろう。

なお、要請するだけで、あとはNHKにお任せというなら、それは財政民主主義に反する。
国はNHKに命令し従わせるから、国の税金を25.8億円を支出するのである。しかしそれは憲法違反。総務大臣の『要請』に、従っても良いし、従わなくても良いというなら、この25.8億円の支出は、実にいい加減な支出となる。

目的を定めない国のカネの支出は許されない。
『命令』から『要請』に変わるというなら、この支出は不当だし、もし要請に従ったかどうか、NHKに報告させるとするなら、事実上の命令と同じ。カネを出すが、要請だから、報告が不要となると、これは無駄なカネの支出になる。

どっちにしても命令放送、要請放送、NHKに税金25.8億の支出も不当。

この3月末に国会に提案される、放送法の改正案がどうなったか注目される所以だ。

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