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<調書引用>医師逮捕…内部告発萎縮招き、表現の自由侵害も
10月15日11時35分配信 毎日新聞
毎日新聞のインタネット記事を今見て、ビックリした。あわてて、このブログを書く。
この記事を書いた記者は殆ど、公益通報(内部告発)を理解していないのでないか。
この記事を認めた、毎日新聞の編集部も公益通報(内部告発)を一から勉強するべきだろう。
この医師の行為は公益通報(内部告発)とは無関係。
公益通報は、医師が勤務する病院などにおいて、違法、不正行為が行なわれている場合に、マスコミなどに通報する場合を想定している。
例えば、病院内で患者の治療ミスがあった。それを病院が隠蔽している。このよう病院や他の医師の違法、不正行為を通報するする場合が公益通報(内部告発)という。
この事件において、この医師が勤務する、病院等にどのような不正、違法行為があったというのか。
医師が、ある患者を診察して、その患者の情報を雑誌の記者に開示すると同じではないか。
≪情報提供したのは、事件が起きた背景を社会が共有し再発を防ぐことに、秘密を守ることを上回る利益があると考えたからだとみられる≫
このような『稚拙な論理』は聞いたことがない。
医師、弁護士はどのような場合でも、その患者、依頼者から聞いた内容(秘密)は、その秘密を上回る利益などあるはずがない。
公益通報(内部告発)は医師が患者の秘密を公表することではない。
患者の利益を守るために、病院の医療ミスや同僚の医師のの隠蔽を公表する場合である。
医師、弁護士達は患者や依頼者の秘密を守るのが絶対的利益。高度な守秘義務が課せられている。
それが、患者や依頼者の秘密を上回る利益がある場合に、その患者の秘密が公開されるとなったら、誰が医師、弁護士達を信用するのか。
高度な守秘義務は、法的義務だけでなく、倫理上の義務でもある。これは医師や弁護士の初歩的常識。どのような場合でも、本人の了解なく、公表することは法的・倫理的にも禁じられている。
鑑定を命じられた医師も同じ。
この事件を内部告発と関係して報道することは間違えている。公益通報と全く違うのに、それを公益通報と報じると、それこそ本当の公益通報を萎縮させる。
公益通報(内部告発)と全く関係がないと報道することが求められている。このような視点から、毎日新聞は後日検証するべきだろう。
以上を前提に今回の逮捕事件に至ったのは、医師にも責任があるが、供述調書をナマのままで引用し、売るために書いた、草薙さんにジャーナリストとしての情報提供者を守る最低限の倫理上の責任が欠如していた点にある。
しかしこれは上記の問題とは別。
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<調書引用>医師逮捕…内部告発萎縮招き、表現の自由侵害も
10月15日11時35分配信 毎日新聞
奈良県田原本町の医師宅に放火した長男の供述調書をめぐる秘密漏示事件で、草薙厚子さんの求めに応じて調書を見せたとして長男を精神鑑定した崎浜盛三医師(49)が奈良地検に逮捕された。「逮捕」に至ったことは、取材を受ける側の情報提供者や、内部告発を行う人たちの萎縮(いしゅく)効果を招きかねず、表現の自由を侵害する恐れが大きい。
刑法の秘密漏示罪は、医師や弁護士らが正当な理由がないのに、業務上知り得た秘密を漏らす行為が処罰対象で、地検は不当な漏えいに当たると判断した。草薙さん側は取材源の秘匿だとして入手先を明らかにしていないが、崎浜医師が情報提供したのは、事件が起きた背景を社会が共有し再発を防ぐことに、秘密を守ることを上回る利益があると考えたからだとみられる。
服部孝章・立教大教授(メディア法)は「刑事手続きに関する記録は基本的には社会全体が共有すべき情報であり、取材に応じる目的や方法が不当でない限り、秘密漏示には当たらない」と指摘し「逮捕は、秘密に接する公務員や裁判員になる国民に対する見せしめ効果しか生まない」と批判する。
今回、草薙さんの著作の表現内容については批判も少なくない。(1)結果として崎浜医師の逮捕を招いた(2)少年法の精神と照らして調書の内容をほぼそのままの形で掲載するのが妥当なのか(3)関係者のプライバシーを侵害していないか−−などの指摘がある。
本来、表現や報道の自由にかかわる領域は、民事手続きで解決するのが筋だ。今回も草薙さんや講談社側に対する名誉棄損・プライバシー侵害での損害賠償請求や、出版の差し止め請求などで対応すべきだった。いずれにしろ、草薙さんと講談社には、十分な検証と社会に対する説明責任がある。【臺宏士】
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