弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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≪NHKは東京地裁で、一度契約した人に対する、受信料未払い請求裁判で、自ら『墓穴』を掘っているようだ≫

NHKが受信料の不払い者に対する民事督促手続きを行なった。この督促手続きに異議をのべた3名の方が、正式の裁判になっている。弁護団は梓沢、澤藤弁護士をはじめ強力な弁護団。

この裁判の内容は≪創≫という雑誌に掲載されている。
http://www.tsukuru.co.jp/nhk_blog/

この裁判の原告(NHK)被告(受信者)の双方の準備書面を被告(受信者)の弁護団に要請をした
本日届いた。

この裁判はNHKの受信料を巡る本格的な争いになる

(今までの裁判は受信者が本人訴訟で係争しているが故に、NHKに有利な裁判ばかりで裁判官もあまりまともに法律論を展開していない)

被告(受信者)は2007年7月10日第1準備書面(26ページ)を出した
この内容は上記の≪創≫という雑誌に紹介されている

被告(受信者)の書面に対して原告(NHK)が2007年9月18日付きの準備書面で34頁にわたる反論をした。

NHKの上記準備書面を読んで驚いた

≪放送法7条においてNHKは『豊かでかつ良い放送番組による国内放送』を提供する義務は公法上の義務であるが、放送受信契約に基づくNHKの債務ではない≫と堂々と主張していることである

では『豊かでかつ良い放送番組による国内放送』の提供義務は一体誰に対して負っているのか。

お上である国家か。それとも放送を受信するNHKの契約者(国民)か。

NHKは、お上には『豊かでかつ良い放送番組による国内放送』の提供義務があるが、契約者には負わないと言っている。(事案が違う最高裁の判例を引用してこの論理を展開している)

しかも、放送法に定めるNHKへの義務規定は全て、公法上の義務であり、私法上の義務ではないと執拗に反論している

「君達NHKとの契約者は、受信料の金を払えば良いのであって、NHKに放送内容などについて文句や異議は法的には言えない」と言っている。

しかしNHKは他方で、未契約者に対して、テレビを購入した以上、受信料を払う法的義務があるとして、各家庭を訪問して、契約を迫っている。法律に書いてあるなら仕方がないということでNHKと契約する人が多い。

NHKの上記準備書面だと、テレビを設置した人は『公法上の義務があるが、NHKに対する私法上契約する義務がない』と公然と拒否できることになる。

公法上の義務に違反すると普通は罰金とかになるが、そのような規定は放送法には一切ない。

NHKは幾らあがいても、NHKとの契約を断る人には契約を私法上、法律的にせよとは言えないことになる。

私法上の義務がない以上、民事裁判で、受信料を払えと請求できないことになる
もちろん民事督促手続で強制なども不可能となる。

NHKは受信料の裁判で負けては一大事とするあまり、未契約者に対する私法上の義務があるという
NHKの本来の主張を忘れてしまった感じだ。

上記NHKの準備書面では、未契約者に契約を拒否できる法的武器を与えたようもの(笑い)

NHKはこの裁判で、自ら墓穴を掘っている。
NHKが公正、中立で豊かな放送を提供する義務は本来は視聴者に負っているはずだ。
NHKは原則に戻り、放送法に定める義務は国民=視聴者に私法上も負っていると認めるべきだろう

NHKは視聴者には一切責任負わず、契約者はNHKに何ら異議、文句も法的には言えないというようでは、NHKはドッチを見て放送をしているのか。

このような視聴者無視の主張をするようでは、NHKとの契約をしようとする人はマスマス少なくなる

仮に今回の裁判で勝訴しても、モトモト契約していない人には、未来永劫、上記のような主張をする以上、受信料の法的請求は出来ないことになろう。

*転載、転送、引用自由

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