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《真柄建設不正経理 内部通報の支店長降格》朝日新聞 2008年03月12日
内部告発をした役員の処遇をどのように処分するかは、難しい。
その役員が一切不正行為に関与していない、又は不正行為の監督権限がないのに、処分したとすれば、その処分は公益通報者保護法の趣旨に反することは明らか。
しかし、他人の不正行為を監督する権限があり、その不正を見過ごしていたとか、なれば相当の処分がなされて当然である。
他方、この支店長の処分の評価について、公益通報をしたことに対する報復とか、重すぎるとか、もし一般の従業員が感じるなら、この処分は相当でない。
本件の場合に、この支店長が、
*何時、その不正を知り、
*どの段階で内部通報したのか、
*支店長の監督権限は何処まであるか、
*以前の支店長がどのように処分されたのか、
*以前の支店長との間の不公平性はないか?
*監督権限のある役員でも、公益通報は会社の為であり、社会にプラスになる点があるのだから、処分するにしても、他の役員より軽くすることもあり得たが、真柄建設がそこまで検討したかどうか?
以上の事実関係が不明だった。その為に、以下の通り、コメントした。
公益通報支援センター(大阪)事務局長の阪口徳雄弁護士の話
=権限を持つ立場 処分やむを得ず=
《 内部通報者が監督権限を持たない従業員であれば、処分はおかしいが、監督、調査する権限を持つ立場であれば、処分はやむをえない。ただ、内部告発は会社や社会にプラスになる行為で、「内部告発したから報復措置を受けた」と社員が受け止めるようなら問題だ。会社はきちんと説明する必要がある》
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真柄建設不正経理 内部通報の支店長降格朝日(新聞2008年03月12日)
≡社長ら98人処分≡
東証、大証1部上場の中堅ゼネコン真柄建設(金沢市)の不正経理問題で、真柄宏司社長は11日、社員計98人を処分すると発表した。不正経理を内部通報した執行役員の大阪支店長を最も重い降格の処分とする一方、3年半にわたる赤字隠しに深く関与したとされる前大阪支店長の刑事告発については「顧問弁護士と相談して」と明言を避けた。株価が半分近くになるなど、会社に大きな打撃を与えた問題の「最終報告」としながら、課題は山積したままだ。
この日会見した真柄社長によると、処分対象は社長を含めた役員9人と社員89人。大阪支店に勤務して不正経理にかかわった社員や、管理・経営責任を問われた幹部が含まれている。社長は2月から報酬減額50%3カ月、その他の取締役と監査役は3月から同20%3カ月。
最も重い降格の処分は6人で、その中に不正経理を告発した大阪支店長も含まれていた。
同社では通報者を保護する社内通報制度を設けているが、真柄社長は「支店長として(利益の水増しをした一部の)決算書を決裁していた」などと説明している。
同社は弁護士と公認会計士計2人でつくる外部調査委員会の指摘などを受けて、法令順守体制の充実・強化と社内監視体制の強化の2本を柱とする再発防止策をこの日、発表した。
真柄社長は「(赤字隠しは)信頼を大きく裏切る行為。主体的な意識を社員一同で持って確実に実行していきたい」と話していた。
真柄建設の赤字隠しは、昨年12月、大阪支店長の内部通報をきっかけに発覚。05年3月期〜07年9月中間期で計44億9千万円の当期利益を水増ししていた。上場廃止の恐れを注意喚起する「監理ポスト」に現在も据え置かれており、東証、大証は同社の聞き取り調査をしたうえで、上場を維持するかどうかを判断する。
=権限を持つ立場 処分やむを得ず=
公益通報支援センター(大阪)事務局長の阪口徳雄弁護士の話
内部通報者が監督権限を持たない従業員であれば、処分はおかしいが、監督、調査する権限を持つ立場であれば、処分はやむをえない。ただ、内部告発は会社や社会にプラスになる行為で、「内部告発したから報復措置を受けた」と社員が受け止めるようなら問題だ。会社はきちんと説明する必要がある。
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