弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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夏休みの話題

裁判官は7月21日から8月31日まで交代で夏休みに入る。
この間に20日間、夏休みをとる。

依頼者に、この話をすると「裁判官は恵まれていますね」とビックリする。しかし、行政機関の公務員や民間企業のサラリーマンのような夏休みとは違うことを私は説明する。

10年位前に大阪地裁の裁判官の手持ち事件数について調査したことがあった。地裁の民事の裁判官は欠席判決などを除き、平均、1週間に争いのある事件(対席判決という)について、1件の判決を書く必要があるということが判った。

驚いた。

当事者が真っ向から争いのある事件について、1週間か2週間に1件かはともかく、その位の間隔で判決を書くというのは極めて厳しい。

もちろん、判決ばかりを書いているわけではなく、その間に日常の法廷の弁論や証拠調べがある。その合間に判決を書くとすれば大変である。

判決を書いたことのない弁護士でも、この大変さは推測がつく。
真面目な裁判官であればあるほど、判決に悩むという。

裁判官はこの数年、少しずつ増え続けている。
以前と比べて少しは緩和されたかも知れない。しかし仮に1週間に1件でなくとも、10日間又は2週間に1件判決を書くとしてもやはり大変だ。

裁判官の判決書きは、行政機関の公務員のように、上司の決裁を仰ぎ、最終決定は部長や局長や大臣がするシステムとは根本的に違う。

裁判官は第3者に聞くこともできず、まして所長などの上司にお伺いを立てるこもできず、自ら判断し、しかも、当事者はもちろん第3者が批判できるように、その意思決定過程を判決書にしなければならない。

判決と同時に、判決主文に至る過程の説明責任を果たさなければならないのある。

その為に、ややこしい事件の判決になると、5月や6月に終結しても判決日は8月末から9月初めになる場合が多い。20日間の夏休みを利用して判決を書くためである。

20日間の夏休みがあっても、その休日の多くを、判決書きに使うとなれば、じっくり休日を休んでおれない。

司法試験の合格者が毎年増え続けている。
その結果、弁護士が急速に増え始めた。

今までの
「イソ弁」=雇用する弁護士がそのイソ弁に給料を支給する弁護士から

「軒弁」=事務所の軒(机)だけ貸して、給料を支給しない。仕事があれば手伝って貰うか回す弁護士という新語が生まれた。

「宅弁」=自宅で事務所を開く弁護士という超新語まで生まれた。

司法試験の合格者が増える割には、新人弁護士が就職する場がないからである。

弁護士会に、これらの増大する弁護士を何とかせよと、新聞の社説などが、少しヒステリック騒いでいる。

大手法律事務所は別として、大半の法律事務所=数人から1人事務所の弁護士事務所では、1人新人弁護士を雇用すれば、当面は不要だ。

これらの新聞などの意見は、不可能を弁護士会に求めている。

弁護士の増大に比例する形で、社会の法的需要が増えるわけでもない。

法的需要の増大は国、企業、自治体、市民社会などが法的社会になることを抜きに、弁護士会などにその責任を求められても、それは片手おちというもの。

弁護士の増える比率に比べ、裁判官の増加は微々たるもの。
最高裁は、新人を飛躍的に採用しようとしない。

裁判官の忙しさを直視したら、最高裁もこの際、今までの採用数(100人から130人前後)を300人位に増やして、夏休みに集中して判決を書くという裁判官の歪な「夏休み」を改革する必要がある。

裁判官も家族もあるし、夏休みを、普通に休みたいと思うのが人情だ。

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