|
≪ハチャメチャな定額給付金≫
麻生総理や中川、与謝野、公明党などの発言を聞いているとハチャメチャな定額給付金であることが解る。
1 定額給付金を支給する対象が「世帯」単位かそれとも「個人」単位かが明確でない。
麻生総理が提案した時は「全世帯を対象」と述べ、所得制限がなかった。
これなら支給する対象が「世帯」単位か「個人」単位かを議論する必要がない。
ところが、与謝野大臣が「2千万円も3千万円ももらっている人に、生活支援というのは元々おかしい」と所得制限を持ち出したときから「迷走劇」になった。
こうなると、所得制限は世帯か個人か、即ち、定額給付金を支給する対象が「世帯」単位か「個人」単位かをはっきりさせないと、よけいに「迷走」する
所得制限で、仮に、1500万円以上の「世帯」を支給対象から除外するとした場合、世帯主が仮に1500万円以上の収入があるとして、同じ世帯の住む配偶者や両親の収入がゼロか又は年金だけの場合であっても、これらの同居の家族は定額給付金を受けることができない。世帯単位で計算すると、1500万以上の収入があるからだ。
他方、上記同じ条件で支給対象が「個人」とすると、世帯主1人は支給対象から除外されるが、他の同居の家族3名は1人あたり1.5万円とすれば、合計4.5万円の支給を受けることができる。
これでは、「生活支援」という趣旨にも反する。
「生活支援」を目的にする支給である以上、「個人」単位の支給はしないはず。
生活保護法の支給は
≪第10条保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。但し、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができる≫として原則的に世帯単位で生活支援の必要性の有無を検討して支給しいる。
しかし最近の報道を見ると、1人あたり1.2万円とかの報道もある。
あたかも個人単位で支給するかのごとき内容となっている。
ところが「世帯」単位の支給となると、様々な矛盾が出てくる。
例えば、夫が1000万、妻が250万円、成人の子供が300万円の収入があると、合計1550万円となり、所得制限に抵触する。この世帯全員は支給対象から除外される。仮に、年金だけの母が1人、未成年の子供が1人いてもだめとなる。
その上、世帯という概念は、同じ場所で同居しているという事実状態だけで区分できない。世帯の分離という制度があり、成人の子供を同じ住所で、別の「世帯」とすることは可能である。この分離は成人の子供が市役所に届ければ、人為的にできる。
もし、この家族が世帯の分離をすると、夫が1000万、妻が250万円で合計1250万円となり、所得制限に抵触しない。
その結果、夫婦2人、母、未成年の子供1人の4名がもらえることになる。さらに、同居はしているが、世帯を分離した年収300万の成人の子供ももらえることとなる。
世帯の分離についての解説があるので参照。
http://www.city.yokohama.jp/me/tsurumi/touroku/setaihennkou.html
又、離婚が成立していない別居している夫婦がいるとなると、世帯は同じであるから、仮に夫に年収1500万円以上の収入があると、別居している妻、子供たちには、この定額金の支給対象が世帯単位である以上、支給されない。
世帯単位である以上、別居の有無は関係がない。
実際問題、そこまで、調べることが不可能であろう。
2 年収制限を設けて年収を超える者が、辞退するという場当たり的な提案もされている。
この辞退制度という提案も意味不明。
制度上、1500万以上の収入のある「世帯」か「個人」を支給対象から除外するとした場合に、これは辞退ではなく、ソモソモ受給資格がないのであるから、辞退という余地が入らない。
一部の国民が受給でき、他方の国民が受給できない制度を法律を制定しないで予算措置だけでは不可能であろう。
そこで、制度上は年収制限を設定しないで、年収1500万以上の人には辞退して貰うという「呼びかけ」は法的には何の効力もない。
およそこのような法的に何の効果もない「馬鹿な」「幼稚な」呼びかけを政府がすること自体、およそこの制度が、ハチャメチャな定額給付金であることの証明である。
3 この制度は、法的な論点を全く考慮せず、場当たり的に、政府、大臣達が迷走している姿を見ると、今回の定額給付金はまさに、公明党に配慮した(押し切られた)選挙の事前買収であることが明白となる。
自民党、公明党の政権末期の様相を露見した定額給付金である。
|