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≪公益通報者保護法に違反した企業の経営者に株主代表訴訟を提訴しよう≫
公益通報した労働者に対する不利益取扱は、公益通報者保護法に違反する。
公益通報した労働者への不利益取扱は無効であり、そのような処分をしないようにするのが企業に本来求められるコンプライアンス。
しかし、公益通報者保護法に違反を承知して不利益処分を行う企業への「抑止力」はこの法律は何ら整備していない。
解雇処分や配転処分、職場での嫌がらせをしたとしても、解雇や配転を取消せば済み、嫌がらせなどがあれば、それを中止させれば、この法律は終わりである。
公益通報という社会の利益の為に行動した労働者を不利益に処遇するのは本来は「公益」に反する違法行為。しかし「公的な制裁」が何ら整備されていない。
民事法ルールで解決をするというこの法律の根本的欠陥。
違反行為を行った会社には1億円とか2億円前後の罰金(課徴金)を科するとか、不利益処分をした役員や上司には懲役3年以下の刑罰に処するとかの「公的」な制裁がない。
せめて、当該労働者には、懲罰的慰謝料を払うなど条文でもあれば何らかの「抑止力」にはなるしその労働者も救われる。
大手の企業は内部告発を行った労働者をドラスチックな当該労働者を解雇せず、一般的に「配転」という手段で不利益処分を行い、労働者が嫌になり会社を辞めるのを待つやりかたをすることが多い。
労働者は解雇されれば生活の為に裁判をするが、配転され一応給料が払われていると、あえて裁判までして争うのは難しい。
配転という会社の人事権を主張して、裁判を長引かせることもこの裁判の提訴を難しくする一要因。
仮に裁判で負けても、原状に戻せば足り、せいぜいこの間の慰謝料を100万か200万払えばよいとして「公然」と不利益取扱を行う。
これでは、会社の役員達は何ら腹が痛まない。内部告発をした労働者を配転などで不利益取扱いのしたい放題が容認される。
そこで、このような、公益通報者保護法違反を承知して不利益処分を行う企業の役員に対する株主代表訴訟が可能かどうか、公益通報者支援センターで検討してきた。
すなわち、公益通報者保護法に違反して配転などを行い、その為に裁判で敗訴した場合に、その裁判の為に
「支出した弁護士費用や裁判対策費用」
「コンプライアンスが機能していない企業としての批判されることによる信用損害」
などを役員個人に補てんを求める株主代表訴訟だ。
公益通報者を理由に不利益取扱をしたかどうかは、社内に真面目に調査すれば直ちに判明する。
公益通報者保護法、又は自ら定めたコンプライアンス規定(内部統制システム)に従い、早期に是正すべき注意義務が役員にはあることは明白。
それをしないで、長々と裁判で争い、その為の何千万円の訴訟費用などを支払い、その上、裁判で敗訴でもすれば、会社の信用損害も甚大。
そもそもこのような会社の経営者は自ら定めた内部統制システムを守れないのであるから、およそ社会、消費者、取引先などから信頼されるはずがない。
長い目でみれば、このような会社のトップには損害を補てんさせ、その上辞めてもらうのが株主の長期的な利益にも合致する。
公益通報者保護法が施行されてから、初めての判決は私達が知りうる範囲では、オリンパスの事件でないかと思われる。この事件の内容は以下のサイトに詳しい。
オリンパスのケースに見る内部告発者の悲惨な現状
http://diamond.jp/series/yamazaki/10070/
要するに、オリンパスのある本部長が、取引先の従業員を引き抜いた。それを知った他の従業員(濱田正晴さん)が、会社のヘルプラインを通じてこのような引き抜きを止めるよう会社に通報した。しかもこの会社のヘルプラインの担当者は公益通報者保護法の基本が解らない者であったので、濱田さんの実名をその上司や人事部に連絡した。
それに知った上司及び会社はこの濱田さんを閑職に配転し、日常嫌がらせを行っているという事件である。
公益通報者支援センターの共同代表の一人である森岡孝二関西大学教授が東京地裁に「意見書」も提出したこと(http://www006.upp.so-net.ne.jp/pisa/2009/pisa20090421.html)もあり、オリンパスの事件が株主代表訴訟として検討するにはピッタリの事件として、原告から訴訟記録を入手した。
同時に株主を探していたところ、何年も前からオリンパスの株を持っている株主も見つかった。この趣旨に大賛成という。
折も折、濱田さんがオリンパスに対する、配転命令無効確認訴訟の証拠調べが行われる。
注目される公益通報者保護法施行後の最初の判決。そして会社が敗訴すれば公益通報者保護法違反と株主代表訴訟の最初の事件。
秋には東京地裁で判決がある予定という。
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5月20日、午前10時から午後5時
東京地裁 530号廷 傍聴は自由。
午前(午前10時から12時)は、当時のオリンパスの原告の上司ら(取引先の従業員を引き抜きに走った人物、及び配転をした人事部長ら)
午後(午後1時から5時)は、原告の名前を明らかにした「元コンプライアンス室長」や不利益取扱いを受けている原告ら。
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