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《原口大臣は,NHKに,放送法33条1項に基づく要請をするな》
12/1大阪地裁に「原口総務大臣はNHKに放送法33条1項にもとずく要請行為をしてはならない」旨の行政事訴訟を提訴した。原告はNHK市民の会及びNHK問題を考える会(兵庫)のメンバー18名。
この訴状全文はNHK市民の会のHP参照
http://nhk-shiminnokai.com/modules/smartsection/item.php?itemid=32
原口大臣を証人申請予定。
裁判で求めている「請 求 の 趣 旨」は
【原口一博総務大臣は、日本放送協会に対し、放送法33条1項に基づく要請をしてはならない】
この裁判の意味は次の点にある。
【戦前、日本放送協会(以下「NHK」という)は、国家、軍部から、国民を戦争動員に狩り出す手段に利用された。そのために幾百万の国民が犠牲になった。その痛烈な反省から、憲法21条は国民の表現の自由を保障し、ラジオ、テレビなどの放送機関の報道の自由を保障した。その結果、NHKは、国営放送機関としてではなく、国民から受信料を受け取ることによってその経済的基盤が国、スポンサーに左右されない公共放送機関として発足した。NHKの放送の独立性を守る世界に類を見ない公共放送機関となったはずだ。
しかし、長く続いた自民党政権下では、NHKに対する許認可権を武器に放送内容まで介入する事態が生じた。NHKのトップは政権政党に迎合してきた。国家権力を監視するべきNHKが逆に国家権力、政権政党に監視、支配されてきた歴史でもあった。
2009年9月、「国家権力を監視する役割を持つ放送機関を国家権力が監督する現行制度の矛盾を解消し、放送に対する国の恣意的な介入を排除する」とマニフェスト(甲1号証)に掲げた民主党が政権政党になった。
国の恣意的介入のその最たるものが放送法33条1項による総務大臣のNHKへの放送要請である。
原口一博総務大臣も、「新しい政権の中で一番大事なものは言論の自由、表現の自由、放送の自由だと考えている」「言論の自由、表現の自由、放送の自由は最大の私たちが守るべき価値だというふうに考えています」と述べた(9月17日の就任記者会見)(甲2号証の1)。
「電波を管理しそれを所轄する役所がその権限を基に、『あなたのところの放送の内容はおかしい。これはこんなふうに変えた方がいいのではないでしょうか』と、いわゆる番組の中身にまで入ってくる、あるいは政党の大きな圧力を背景に政治的な介入とも受け取られかねないことを言って表現の自由を侵すということは絶対にあってはならない」と述べている(10月6日の記者会見)(甲2号証の2)。
民主党および原口一博大臣は、自民党や自民党時代の総務大臣と違い、報道の自由を尊重することを国民に誓約している。この立場からすれば、放送法33条1項は削除されるべきである。法改正前であっても、放送法33条1項に基づくNHKの放送要請をしないことが求められる。
NHKは国営放送機関ではないから、自民党政権下のように国や総務大臣らに統治される悪しき悪慣習を繰り返してはならない】
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原口総務大臣に対する尋問事項
証人 原 口 一 博
1 2010年4月1日、NHKに対し本件要請行為をすることを決定しているか。その決定について政務三役内においてどのような議論が行われたか。
決定したとすれば要請行為の内容。
2 要請放送が憲法21条、19条に違反することについての証人の認識
3 要請行為の対象事項に関する証人の認識
4 NHKの編集の自由に関する証人の認識
5 その他、本件に関係のある一切の事項
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総務相のNHK放送要請、差し止め求め提訴(2009年12月1日11時38分 読売新聞)
放送法に基づき、総務相がNHKに放送要請するのは「放送・報道の自由を侵害し、憲法違反にあたる」として、大阪市の市民団体「NHK市民の会」のメンバーら18人が1日、国に要請差し止めを求める訴訟を大阪地裁に起こした。
放送法33条は「総務相は、邦人の生命・身体に関する事項や国の重要政策に関する事項、伝統や社会経済などの重要事項に関することについてNHKに国際放送を要請できる」と規定。旧法では「命令できる」とされていたが、昨年4月に「要請」に改正された。
総務相は1952年から毎年命令を発令しており、2006年には「北朝鮮の日本人拉致問題に留意すること」と初めて具体的内容に踏み込んで命令。メンバーらは命令取り消しなどを求める訴訟を起こしたが、同地裁は今年4月、「原告適格がない」などとして請求を却下・棄却している。
総務省衛星・地域放送課国際放送推進室は「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。
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国の「放送要請」差し止め 関西の市民ら提訴2009年12月1日朝日新聞
総務相がNHKに対し、北朝鮮による日本人拉致問題を重点的に扱うよう求めるなどした「放送要請」は、言論や表現の自由を保障した憲法に違反するとして、関西の市民ら18人が1日、国に来年度の放送要請をやめるよう求める行政訴訟を大阪地裁に起こした。「新政権では、報道への不当介入を見直すべきだ」と主張している。
国は1952年以来、NHKの国際放送について、「国の重要な政策」などを扱うよう指定する命令を毎年出してきた。2006年11月には、当時の菅義偉総務相が、短波ラジオの国際放送に限って拉致問題に「留意」を求める追加命令を初めて出し、その後も重点項目として盛り込まれてきた。今年4月の放送要請が来年3月末で期限切れとなるのを前に、原告の市民らは原口一博総務相が要請を更新しないよう求めている。
提訴後、記者会見した原告代理人の阪口徳雄弁護士は「放送要請はNHKの編集の自由を侵害するもので許されない」と話した。総務省の担当者は「事実関係を把握しておらず、コメントできない」としている。
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〈キーワード・放送要請〉 NHKのテレビ・ラジオの国際放送で必要な放送項目を、総務相が指定して要請できると定めた放送法33条に基づく措置。07年の法改正で「放送命令」から強制力の弱い「要請」に変更された
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