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≪受信料未払い訴訟、NHK初の敗訴 札幌地裁≫朝日新聞20103月19日17時2分
この判決の内容を見ていない。
しかし
≪判決は「妻に代理権を与えていない」と判断。NHK側の「日常の家事で夫婦のいずれかが債務を生じれば、連帯責任を負う」という主張についても、「受信料契約では適用されない」と退けた≫となれば画期的な判決となろう。
もしこの判決が上級審でも維持されたら、NHKの受信契約の根本的な見直しが必要とされる。何故なら、殆ど夫名義で妻が契約しているのが実際だからである。
弁護士の一般的感覚からすると、民法761条の日常家事債務の法理が適用され、夫が敗訴するが一般的である。
以前にNHKとの受信契約は取消しできないか(NHK22)で以下の通り書いた。
≪5 民法による契約の取消し2(無権代理)=契約の取消しというより無効。 第113条 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。 2 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。 妻が夫を代理する場合(この逆の場合も含む)は本来は無権代理だが、いわゆる日常家事債務でこれはNHKに対抗できないと思われる。 第761条 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。 但し、一度夫に交渉し、ダメだと言っているのを承知で、後日、妻と交渉し、契約させた場合は、上記条文の『ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない』という条文に抵触する可能性が大。 (なお、実際には、妻が夫を代理している場合でも、返金に応じているというサイトがあった。具体的事案が不明だが、参考になる。http://simohakase.hp.infoseek.co.jp/yorokobi.htm)≫ 本判決の場合にストレートにNHKとの受信契約は民法761条の日常家事債務の範囲を逸脱していると認定したのか、それとも本条文の「但し書き」を適用したのか不明である。
民法761条の但し書きを適用したケースなら、私のブログの指摘したような事例になる。
もしNHKとの受信契約はソモソモ民法761条の日常家事債務の範囲を逸脱していると認定し、NHKを敗訴させたのなら受信契約は民法761条の日常家事債務範囲にならないという新解釈となり、画期的判決となろう。
NHKとの受信契約が、何故日常家事債務とならないと解したのかは不明。
私が以前から主張しているような双務契約ではなく、NHKを見る、見ないに関わらず、一方的な負担をする契約(税金のようなもの)と解するというなら、これは日常家事債務にならない。
NHKは受信料契約は次のような契約だと裁判で主張している。
≪放送法7条においてNHKは『豊かでかつ良い放送番組による国内放送』を提供する義務は公法上の義務であるが、放送受信契約に基づくNHKの債務ではない≫ では『豊かでかつ良い放送番組による国内放送』の提供義務は一体誰に対して負っているのか。お上である国家か。それとも放送を受信するNHKの契約者(国民)か。 NHKは、お上には『豊かでかつ良い放送番組による国内放送』の提供義務があるが、契約者には負わないと言っている。(事案が違う最高裁の判例を引用してこの論理を展開している) しかも、放送法に定めるNHKへの義務規定は全て、公法上の義務であり、私法上の義務ではないと執拗に反論している 「君達NHKとの契約者は、受信料の金を払えば良いのであって、NHKに放送内容などについて文句や異議は法的には言えない」と言っている。≫ 受信料裁判で墓穴を掘るNHK(NHK69)
対価がない契約は「夫婦の共同生活に通常必要とされる事務」と解することができないからである。
もしそうだとすればNHKは自分たちの債務を履行する責任はないが、受信契約者はカネだけ払う義務があると主張していたので、そんなNHKにとって都合のよい、勝手な契約は日常家事債務でないと札幌地裁の裁判官が認定したというならば、これは画期的な判決となる。
そうではなく単純にNHKの受信契約は民法761条の日常家事債務の範囲に入らないという解釈ならば、高裁、最高裁でこの結論が維持されるかどうかは微妙である。
NHKは即日控訴したとあるが、今度は高裁で、NHKとの受信契約は『対価性のない、負担だけの受信契約』と反論して日常家事債務でないことを高裁で認めさせる必要がありそうだ。
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最高裁判所の判例検索で『日常家事債務』で検索すると日常家事債務とは次のような場合に適用されている。平成14年12月26日東京簡易裁判所判決
民法761条の「日常の家事」とは,「夫婦の共同生活に通常必要とされる事務」を意味するが,これが夫婦の連帯責任とされる理由は,このような事務は夫婦が共同で処理すべき事務であって,対外的に夫婦のいずれか一方の名前で行われても,他方がこれに承諾を与えている場合が通常であり,仮に内部的には承諾を与えていないことがあるとしても,取引の相手方は,承諾が与えられていると信じ,夫婦と取引をするとの意思で行うのが通常であることを踏まえ,相手方を保護する趣旨によるものと解される。
本件の場合,商品の価額が被告の月収の3倍を超える高額のものであり,その内容は,子供の教育のためとはいっても,生後6か月余りの幼児にすぐ必要なものではないから,「夫婦の共同生活に通常必要とされる事務」の範囲を超えるものといわざるを得ず,それ故,訴外Dが主人に相談してと云って断った経過からすると,原告の勧誘担当者も被告の承諾がないことを知っていたものと認められる。そうすると,上記契約に基づく債務を日常家事債務として被告に連帯責任を負わせることはできないというべきである。
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NHKが札幌市中央区の会社役員の男性に未払いとなっている受信料の支払いを求めた訴訟で、札幌地裁の杉浦徳宏裁判官は19日、NHKの請求を棄却し、男性側勝訴の判決を言い渡した。NHKによると、受信料未払い訴訟で敗訴したのは初めて。NHKは即日、控訴した。
訴訟でNHK側は、男性は受信契約をしたのに、2003年12月〜08年3月の受信料計12万1680円分を払っていないと主張。これに対し、男性側は「妻が自分の名前で契約書に無断で署名・押印した」と反論していた。
判決は「妻に代理権を与えていない」と判断。NHK側の「日常の家事で夫婦のいずれかが債務を生じれば、連帯責任を負う」という主張についても、「受信料契約では適用されない」と退けた。
受信料をめぐっては、NHKが申し立てた支払い督促が全国の簡裁で相次いで認められている。被告の男性は簡裁の督促に応じず、異議を申し立てて裁判に移行していた。
NHKは「判決は独自の判断で被告の主張を一方的に認めた。極めて遺憾な内容だ。従来と変わりなく、契約・収納業務をしていく」とコメントしている。
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この札幌地裁の判決を原告の方は私の下記アドレスにPDFファイルで送って欲しい。
abc5def6@yahoo.co.jp
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