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滋賀県行政委員の月額報酬、二審も違法 大阪高裁判決(朝日新聞4/28)
滋賀県が労働、収用、選挙管理の3委員会の行政委員(非常勤)に対し、勤務日数にかかわらず毎月20万円前後の報酬を支給しているのは地方自治法などに違反するとして、同県内の弁護士が県に支出差し止めを求めた住民訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であった。岩田好二裁判長は各委員への支出差し止めを命じた一審・大津地裁判決のうち、選挙管理委員長についてのみ「それなりの負担がある」などとして支出差し止めを取り消し、そのほかの県側の控訴を棄却した。
この事件の一審判決に関するブログ
選挙管理委員などへの月給は違法(地方自治77)
大阪高裁判決は56ページにわたる長文判決。
最近の地裁・高裁判決は手抜き判決が多いなかで珍しい判決。裁判官の熱意が伝わってくる判決である。
高裁判決は、地方自治法の203条の2の2項の、≪ 前項の職員に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給する。ただし、条例で特別の定めをした場合は、この限りでない≫という条文を
国会での立法経過、条例で長年定められてきた歴史的な沿革などを詳細に検討して、基本的には議会の裁量に委ねられているとしながら、昭和31年に但し書きが追加された趣旨を考慮すれば、非常勤職員の職務内容及び勤務実態など具体的事情を考量し、月額とする『特別な事情がある場合』に限って許されるという解釈を導きだした。滋賀県の、条例で定めれば勤務実態に関係せず、違法でないという滋賀県の主張を排斥した。
そして『特別な事情がある場合』とは
①勤務量が常勤の職員並みかそれに準じる場合
②役所外での仕事や役所内での待機時間などの事実上の拘束時間がある
③勤務量の認識が困難で日額では困難で月額制をとらざるを得ない場合
④その他勤務や地方の実情から特別月額制にせざるを得ない場合(職責が重大で委員の生活に大きな制約が生じる場合など)
と指摘した。
その上で昭和31年当時から最近までは、条例で定めれば合理性があったが、最近の多くに自治体の財政難、職員の賃金カットの現実などを考量し、議会の条例の判断が裁量の範囲を逸脱して違法かどうかは、このような社会情勢の大きな変化や非常勤の職員の勤務実態などに照らし、月額制にする『特別の事情』があるかどうか検討し、もって条例の規定が、本項本文に抵触し著しく妥当性を欠くに状態になっているかどうか、そのような状態が相当期間内に是正されていないと言えるかどうかにより決するべきという。
そして、行政委員の勤務実態を調べ、2003〜08年度の1カ月当たり平均勤務日数は各委員で1.89日〜2.17日と極めて少ないこと、それが長期間是正されていないことなどから「裁量の範囲を逸脱して違法だ」と結論。
他方、月5日弱の選挙管理委員長については「それなりの負担で、月額制がただちに違法とはいえない」との判断した。
行政委員への月額報酬については、一審判決以降、各地の自治体が日額制に転換したり、住民らが差し止めを求めて訴訟を起こす事件が多い。このような中で違法性を認めた高裁レベルの判断は初めてで、自治体や各地の住民訴訟への影響は大きい。参照条文(地方自治法)
第203条の2 1 普通地方公共団体は、その委員会の委員、非常勤の監査委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査会等の委員その他の構成員、専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団体の非常勤の職員(短時間勤務職員を除く。)に対し、報酬を支給しなければならない。 2 前項の職員に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給する。ただし、条例で特別の定めをした場合は、この限りでない。 改革派の山下市長の奈良県生駒市では一審判決を受け、行政委員会報酬等検討委員会を設置し最終的に日額制にした。その方法論や内容は今後改革しようとする自治体にも参考になるのでアップする。
委員会の活動・提言内容
(注)高裁判決を原告の吉原弁護士から頂いた。
判決を希望する自治体の関係者や住民訴訟の関係者には
メールを送って下さればPDFで送ります
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2010年04月28日
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第5検察審査会の議決書全文を引用する。審査補助員の弁護士は元刑事裁判官で最近弁護士に登録した様子。
平成22年東京第五検察審査会審査事件(申立)第10号
申立書記載罪名 政治資金規正法違反
検察官裁定罪名 政治資金規正法違反
議 決 年‐月 日 平成22年4月27日
議決書作成年月日 平成22年4月27日
議決の要旨
審査申立人 (氏名) 甲
被疑者 (氏名) 小沢一郎こと 小 澤 ― 郎
不起訴処分をした検察官 東京地方検窯庁 検察官検事 木 村匡 良
議決書の作成を補助した審査補助員 弁 護 士 米 澤 敏 雄
上記被疑者に対する政治資金規正法違反被疑事件(東京地検平成22年検第1443号)につき,平成22年2月4日上記検察官がした不起訴処分(嫌疑不十分)の当否に関し,当検察審査会は,上記申立人の申立てにより審査を行い,検察官の意見も聴取した上次のとおり議決する。
議決の趣旨
本件不起訴処分は不当であり,起訴を相当とする。
議決の理由
第1 被疑事実の要旨
被疑者は,資金管理団体である陸山会の代表者であるが,真実は陸山会において平成16年10月に代金合計8億4264万円を支払い,東京都世田谷区深沢所在の土地2筆を取得したのに
1 陸山会会計責任者A(以下Aという。)及びその職務を補佐するB(以下Bといぅ。)と共謀の上、平成17年3月ころ,平成16年分の陸山会の収支報告書に,本件土地代金の支払いを支出として,本件土地を資産としてそれぞれ記載しないまま,総務大臣に提出した
2 A及びその職務を補佐するC(以下「C」という。)と共謀の上,平成1
8年3月ころ,平成17年分の陸山会の収支報告書に,本件土地代金分過大の4億1525万4243円を事務所費として支出した旨,資産として本件土地を平成17年1月7日に取得した旨それぞれ虚偽の記入をした上総務大臣に提出した
ものである。
第2 検察審査会の判断
l 直接的証拠
(1)Bの平成16年分の収支報告書を提出する前に,被疑者に報告・相談等した旨の供述
(2)Cの平成17年分の収支報告書を提出する前に,被疑者に説明し,被疑者の了承を得ている旨の供述
2 被疑者は,いずれの年の収支報告書においても,その提出前に確認することなく:担当者において収入も支出も全て真実ありのまま記載していると信じて,了承していた旨の供述をしているが,きわめて不合理で不自然で信用できない。
3 本件事案について,被疑者が否認していても以下の情況証拠が認められる。
(1)被疑者からの4億円を原資として本件土地を購入した事実を隠蔽するため,銀行への融資申込書や約束手形に被疑者自らが署名,押印をし,陸山会の定期預金を担保に金利(年額約450万円)を支払つてまで銀行融資を受けている等の執拗な偽装工作をしている。
(2)土地代金を金額支払つているのに,本件土地の売主との間で不動薄引渡し完了確認書(平成16年10月29日完了)や平成17年度分の固定資産税を買主陸山会で負担するとの合意書を取り交わしてまで本基記を翌年にずらしている。
(3)上記の諸工作は,被疑者が多額の資金を有しておると周囲に疑われ,マスコミ等に騒がれないための手段と推測される。
(4)絶対権力者である被疑者に無断でA・B・Cらが本件のような資金の流れの隠蔽工作等をする必要も理由もない。
これらを総合すれば,被疑者とA・B・Cらとの共謀を認定することは可能である。
4 更に,共謀に関する諸判例に照らしても、絶大な指揮命令権限を有する被疑者の地位とA・B・Cらの立場や上記の情況証拠を総合考慮すれば,被疑者に共謀共同正犯が成立するとの認定が可能である。
5 政治資金規工法の趣旨・目的は,政治資金の流れを広く国民に公開し,その是非についての判断を国民に任せ,これによって民主政治の健全な発展に寄与することにある。
(1)「秘書に任せていた」と言えば,政治家本人の責任は問われなくて良いのか。
(2)近時,「政治とカネ」にまつわる政治不信が高まっている状況下にもあり,市民目線からは許し難い。
6 上記1ないし5のような直接的証拠と情況証拠があつて,被疑者の共謀共同正犯の成立が強く推認され,上記5の政治資金規政法の趣旨・目的・世情等に照らして,本件事案については被疑者を起訴して公開の場(裁判所)で真実の事実関係と責任の所在を明らかにすべきである。これこそが善良な市民としての感覚である。
よって,上記趣旨のとおり議決する。
東京第五検察審査会
この議決に感情的な表現を感じると述べた。
≪極めて不合理で不自然で信用できない≫
≪執拗な偽装工作≫
≪絶対権力者である被疑者≫
≪秘書に任せていた言えば政治家本人は問われなくても良いのか≫
≪市民目線から許しがたい≫
≪これこそが善良な市民の感覚である≫
最後のことばなどは傲慢そのもの。
起訴するかどうは、感情であってはならない。
証拠をどう評価するかである。
鳩山議決の第4検察審査会の議決は、結論は別にして、法律の不備の問題と証拠を区別して指摘している。冷静な議決である。
他方、上記第5検察審査会議決は結論は別にして、立法の問題や政治的責任問題と有罪にする証拠とを区別しているのか、できているのか不安を持つほど「冷静さを欠いた内容」に見える。
この議決の作成を補助した審査補助員である弁護士(といっても最近弁護士に登録した様子で刑事裁判官のキャリヤー)や事務局担当者が普通なら、もっと冷静に書くようにアドバイスするだろう。
アドバイスをしたが、11人がそのような『冷静さを欠く内容』でも良いと押し切ったのか、それとも補助員なども一緒になってそのような議決書を作成したのか。
もし弁護士(元裁判官)が議決書の作成を補助したというならお粗末な内容。
このような『冷静さを欠く内容』と思われる議決書では検察審査会に強制起訴権限を付与したせっかくの改革が国民から支持されない
心配を感じる。法律家である審査補助員の役割が問われる。
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