弁護士阪口徳雄の自由発言

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≪小沢氏の「議決無効」請求は却下か≫


小沢氏の「議決無効」申し立て、地裁が近く判断 201010181307  読売新聞)
 小沢一郎・元民主党代表(68)の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、小沢氏を「起訴すべきだ」とした東京第5検察審査会の議決は無効だとして、小沢氏が国を相手取って東京地裁に申し立てた議決の執行停止と、強制起訴を行う指定弁護士の選任の仮差し止めについて、国側が「刑事司法の中で争うべきだ」として却下を求める意見書を同地裁に提出したことが、関係者への取材で分かった。 これを受けて同地裁は一両日中にも、判断を示すとみられる。 小沢氏は、国に起訴議決の取り消しや指定弁護士の選任差し止めを求める行政訴訟も起こしており、この訴訟の審理は今後、本格化する。


読売新聞の以上の報道の通りとすれば、小沢氏側の請求が却下されることになろう。いわゆる門前払い裁判である。
 
普通はこのような事件で小沢氏側の請求に相当な理由があると裁判所が考えれば、裁判所は小沢氏側に、国の答弁書に対する反論の機会を与え、順次何回か、書面審理ではあるが、双方で書面のやりとりをするものだ。
 
それをしないで、国の答弁書がでるなり、裁判所が一両日中に判断をすると言うことになったとすれば、小沢氏側の実体上の請求を審査するまでもなく、ソモソモ検察審査会の議決の取消訴訟、無効確認請求が「裁判所法3条が規定する法律上の争訟」に該当しないと判断すると思われる。
 
ちなみに検察審査会の議決に関する最高裁昭和41年1月13日判決の下記青色部分の理由で小沢事件も却下するのであろう。
 
≪検察審査会の議決に対しては・・・裁判所法三条が規定する、裁判所の権限事項としている「法律上の争訟」とは、・・・法規の適用によつて解決し得べき当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争をいうものと解すべきであり、また、検察審査会の議決が申立人または第三者の具体的な権利義務ないし法律関係に対して直接の影響を与えるものでないことは、検察審査会法四一条の規定の解釈上疑いを容れないところである。≫とした。
 
別件で検察官に起訴せよともとめた裁判で、裁判所は次のような理由で却下した。
≪裁判所と検察庁の機能を全然区別したわが刑事訴訟制度の根本原則に前述の告訴及び公訴権提起の性質を照らし合わせて考えれば・・・・裁判所に行政事件訴訟を提起することは、できないものといわねばならぬ≫
この理論も検察官の権限を裁判所で審査することは司法裁判所の権限外の行為であるとした。理由の書き方が違うが、司法裁判所が扱う≪法律上の争訟≫でないというのであろう。検察審査会の議決も同じ理由にするようだ。
 
しかし、上記考え方は裁判所の伝統的な考え方であるが、検察官の権限行使と検察審査会の議決とは違うのであるから、司法審査の対象にすべきではないかと思う。
 
≪追加≫上記ブログを書き投稿して、ネットを見ると却下決定が出たという報道があった。却下理由は不明だが、おそらく上記≪法律上の争訟≫に該当せずという理由に思われる。このような伝統的解釈を取るなら、本案の裁判も長くかからず2回か3回の弁論で終結、判決となろう。

小沢氏側の強制起訴手続き停止認めず 東京地裁

朝日新聞 2010年10月18日19時47分
 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、東京地裁(川神〈かわかみ〉裕裁判長)は18日、東京第五検察審査会の「起訴議決」の執行停止と、検察官の代わりに小沢氏を強制起訴する「指定弁護士」を選ぶ手続きの仮の差し止めを求めた小沢氏側の申請を、いずれも却下する決定をした。
 強制起訴手続きができて以来、検察審査会の議決の有効性が争われた初めてのケースとなった。
 執行停止や仮の差し止めは、正式な裁判の確定を待っていては重大な損害が生じる場合などに裁判所が早急に仮の状態を定める手続き。小沢氏は第五審査会の起訴議決は無効だとして15日、国を相手に議決の取り消しや強制起訴に向けた指定弁護士の選任の差し止めを求める行政訴訟を起こした。同時に、強制起訴手続きが進むと回復できない損害があるとして、判決前に一時的に手続きを止めるよう求めていた。


 

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