弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

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ブログを開始して丸5年が経過し、今年の正月で6年目の正月を迎えた。
良く続いたものであると自分でも驚いている。
 
昨年の一番の私達の成果は橋梁談合株主代表訴訟弁護団が発展的に解消し、株主の権利弁護団」が結成できたことである。
 
昨年6月に結成後、新人弁護士も順次加入し24名になった。これらの新人弁護士が住友電工事件の訴状などの作成に参加し活躍している。常任弁護団会議を開催すると常時10数名の弁護士達が必ず参加する。
 
取り組んでいる課題は
    シャルレMBO株主代表訴訟(神戸地裁)
    吉本興業株主総会議決取消訴訟(大阪地裁)
    西松建設ダミー団体偽装献金事件(東京地裁)
    住友電工カルテル株主代表訴訟(大阪地裁)
 
あと継続して相談を受けている事件が3件あり、どのように取り上げることが可能か検討中であり、今後の「株主の権利弁護団」活動がにぎやかになるだろう。
 
株主オンブズマンでは多数の株主代表訴訟等を提訴してきたが、常任弁護団が私と松丸正弁護士だけで、事件の都度弁護団を公募していた。総会屋の事件であればミンボウ委員会の弁護士らと提携し、クレム―隠しなどの事件であれば消費者弁護団、談合事件であれば、独禁法研究会の弁護士・・などという具合である。即戦力になる弁護士らを活用させて貰った。
 
もちろん、事件が終れば弁護団は解散した。その関係で、株主オンブズマンの常任弁護団は育たなかった。というより、事件が終ると本来の自分の「ライフワーク」であるミンボウとか消費者弁護団の本籍に帰って行ったからである。
 
株主オンブズマン運動は株主の地位を利用又は活用して市民運動を展開してきた組織であった為に、そのような運動に共感を持ってくれるほど弁護士達は暇でもなかった。本来の投資家としての株主の地位を擁護する運動ではなかったこともあり、弁護士としてペイする運動でもなかったことも一因ではあった。
 
「株主の権利弁護団」はそのスタンスは保ちつつ、軸足を投資家としての株主の地位・権利の擁護にも移した組織として初めて結成された。その結果、TOB、MBOにおける株主の権利の擁護をはじめ、株価算定の申立なども重要な今後の活動分野に入ることにもなった。
 
運動のスタンスの軸足を一部置き換えたこともあり、株主の権利弁護団では、株主の立場で仕事をすることを『ライフワーク』する弁護士達が生まれ、今後はこれらの問題に関して「特化」した力を発揮するだろう。
 
だから、弁護団の意気込みも違う。
朝日新聞の≪法と経済のジャーナル≫
http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/に月1回のペースで論文も書き始めた。
 
「談合企業の株主代表訴訟、株主推薦委員を含む外部委員会設置で和解」
 
「経営者による企業買収 情報格差を埋め、利益相反を正す」
全部取得条項付種類株式の取得に「正当事由」を」
 
「株主として有価証券報告書虚偽記載を提訴するとき」
http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/fukabori/2010102700009.html
 
 「一般株主からみたMBOの公正な価格」
http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/fukabori/2010112900017.html
 
「インベスターリレーションズ型株主総会の今後の展開
 
株主の権利を巡る諸問題は日常的に発生しているが、その株主達が法的武器をもって係争することは殆どない。法的武器をもって、それを支援する弁護士達が不足していたからである。
 
しかし、その株主達を支援する法的武器である会社法は企業、株主市場を基本的に擁護する法律である以上、救済の範囲は極めて限定的。
 
それでもなお提訴するのは企業・株式市場の≪常識≫=社会での非常識を問うのが「株主の権利弁護団」の使命だからだ。
 
チャレンジ精神が肝心。
 
負けることを恐れて提訴しないで終わると勝訴することはないし実務も変わらない。
 
住友商事シャンシャン従業員動員株主総会取消事件(大阪地裁、高裁判決)のように、結論が仮に敗訴になっても判決理由で実務の運用批判があれば、それは実務を変える。
 
(注)住友商事大阪高裁判決の指摘
株主総会招集者が、自ら意図する決議を成立させるために、右従業員株主に命じて、役員の発言に呼応して賛成の大声を上げたり、速やかな議事進行を促し、あるいは拍手をするなどして、他の一般株主の発言を封殺したり、質問の機会を奪うなど、一般株主の株主権行使を不当に阻害する行為を行わせた場合は、取締役ないし取締役会に認められた業務執行権の範囲を超え、商法247条1項1号にいう法令に違反し又は決議の方法が著しく不公正な場合に該当するというべきである。
 
このような意気込みで2011年は、株主の権利が一歩でも二歩でも前進する年にしたい。  その為には、東京にも本格的に株主の権利に特化した常任弁護団を結成したいものだ。アメリカの州弁護士2名の参加もお願いしているが、今までのところ、海外の株主からの相談はない。英文のHPも緊急な課題。
 

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