弁護士阪口徳雄の自由発言

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政治献金

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 自民党長崎県連へ大手ゼネコンが継続的に献金をしていた。
http://homepage2.nifty.com/~matsuyama/nagasaki.html

熊谷組が長崎県連に献金した金額は1993年から1999年の合計2500万である。
この献金が公序良俗に違反するか、著しく社会的に不相当な行為の献金であるから、取締役の注意義務に違反するという株主代表訴訟を2003年8月に福井地裁に提訴した。。
http://www1.neweb.ne.jp/wa/kabuombu/030814-1.htm

株主側はこのような献金は公序良俗違反か、著しく社会的に不相当な行為であると主張した。
http://homepage2.nifty.com/~matsuyama/0051.html

会社の関係者の証拠調べを終え、2006年4月26日午前11時に弁論を終結する。
その為の最終準備書面を出した。
http://homepage2.nifty.com/~matsuyama/0065.pdf
6月末か7月末に判決の予定となろう。

熊谷組を含む大手ゼネコンが自民党長崎県連に、何故献金をしていたかが争点である。これについての自民党元幹事長らの公職選挙法違反事件の判決で裁判官が次の通り指摘している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【*「公職選挙法違反事件について見ると、被告人(幹事長)らは長崎県知事選挙に関し、自民党が推薦する現職知事の選挙運動のために多額の資金が必要になるや、県から公共工事を受注している建設業者などにその負担をさせることとし、寄附を求める相手方やその金額についても、その知事の任期4年間の公共工事の受注実績に応じて割り振るという、近世以前の御用金や暴力団組織の上納金を連想させるような強引、露骨な方法がとられている。」

*「このような方法が通用した理由については、建設業者らは、一様に、自民党長崎県連幹事長が長崎県発注に係る公共工事の受注調整に大きな影響力を有しており、したがって、自民党長崎県連からの寄附要求は断れないというのが常識となっており、かつて寄附要求を断った建設会社がその後長崎県の公共工事を発注できなくなったという噂が広く流布されているというような事情を供述している。もっとも、建設業者らも公共工事を受注しようとして積極的に寄附しようとした場合もあるはずであり、常に自民党長崎県連が積極的で建設業者は受け身の立場で寄附をしたといえるかは疑問であるが、先に述べたような本件寄附要求の状況からすると、実態はこれに近いものであったと判断せざるを得ない。」

* 「以上のような本件各犯行を通観してみると、その根底には、自民党が県議会で過半数の議席を有する最大政党であり、かつ県政与党の立場にあることなどから、県の公共工事の受注を希望する建設業者との間に依存、支配、癒着という異常な関係が成立し、公共工事の受注の見返りとして資金を提供させるのは当然のことであるというような明らかに誤った考え方が常識化していたことを指摘せざるを得ない。」】
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ある大手ゼネコンの稟議書では、
当社献金額=長崎県連からの献金希望総額×( 当社工事受注額÷長崎中央支部会員工事受注額)

などというビックリするようなことが平然と行われ、献金が決済されている。

 長崎県連への献金をしなかった為に長崎県の工事が受注できなかった、企業もあった。大成建設である。大成建設は仙台などのゼネコン汚職事件以降、地方の支部に対する献金を禁止する社内規定を作った。それを忠実に守った。

【 当時の長崎県連幹事長が寄附要請に来た際、長崎県連幹事長はソファーに体を反らせるようにして座り、高圧的な態度で献金を要請した。大成建設営業部○○が本社の方針だということで献金を断ったところ、長崎県連幹事長は、「どこの会社も寄附に協力してくれている。そんなことを言うのは大成さんだけだ。」と言って非難した上で、さらに、パーティー券を300枚購入するように要請した。大成建設側が同社の基準を超えるということでそれも断ったところ、長崎県連幹事長は、「私は総会屋じゃないんですよ。大成さんは仕事はいらないんだね。」と言って脅した。それでも大成建設側が断り続けたところ、その平成9年以降は長崎県の工事を受注できなくなった。】

その他の大手ゼネコンは
・裏金
・子会社に出させる
・従業員名目で献金をする
等で長崎県連に献金を続けていることに対して、大成建設の態度は立派である。

なお、熊谷組だけが献金理由を
【産業の振興が立ち遅れている長崎県の経済活性化、あるいは宅地造成、販売等を進める経済環境をつくることを目的で献金したものである】などとおよそ現実離れした主張をし、その旨担当者は証言している。

判決の結果が注目される。

熊谷組ゼネコン政治献金事件について最高裁に上告した。1審判決と2審判決の違いについて、上告受理申立理由書(その1)のトップに以下の結論を書いた。
どちらが社会の常識に合致しているかは明白だ。最高裁裁判官が普通の社会の常識を尊重するか、それとも自民党や財界の特異な常識を尊重するか?が問われている。

1 一審の判決と高裁の判決の結論が異なった。政治献金とりわけ業界をあげての巨額の献金をどのように見るかによって結論が変わった。

一審判決は、
 『これに比し、会社が政党に対して政治資金を寄附することは、会杜が有する経済力が個々の国民を圧倒的に凌駕するのみでなく、同一産業界の会社が産業団体を結成して政治資金を寄附するときは、その影響力は個々の会社をもはるかに超えると考えられるから、それが政党に及ぼす影響力は、個々の国民による政治資金の寄附に比してはるかに甚大である。

政党の政策が会杜あるいは産業団体からの政治資金の寄附によって左右されるとすれば、政党の政治上の主義、施策を選挙において訴え、選挙における国民の選択によってその活動に信任を得るという選挙制度の意義を否定し、その根幹をも揺るがすことになりかねず、政党政治そのものへの批判にも結びつくこととなる。

従って、会杜あるいは産業団体による政治資金の寄附の規模如何によっては、国民の有する選挙権ないし参政権を実質的に侵害するおそれがあることは否定できない。

のみならず、会社あるいは産業団体の政治資金の寄附が特定の政党ないし政治団体にのみ集中するときは、当該政党のみが資金力を増大させて政治活動を強化することができ、ひいては国の政策にも決定的な影響力を及ぼすこととなって、過去に幾度となく繰り返された政界と産業界との不正常な癒着を招く温床ともなりかねない。』
という認識から、政治献金の抑制原理に結びついた。
  
他方、高裁判決は、この産業界あげての巨額の献金の実態を直視せず、政治献金を単に熊谷組個別企業の献金として矮小化し、その上、会社の社会的役割を果たすものとして積極的に評価した。
 
『政治資金の寄附は、これを客観的、抽象的に観察すれば、政党の健全な発展に協力する趣旨で行われると解されるのであり、政治資金規正法も会社による政治資金の寄附そのものを禁止することなく、一定の限度でこれを許容していることを考慮すると、特段の事情のない限りは、会社がその社会的役割を果たすためにしたものというべきである。』
  
一審原告は、熊谷組単独で自民党に献金した2000万円や3000万円の献金を問うているのではない。
  ゼネコン大手業界(日建連)は、政府、自民党に公共工事予算の増額や請負工事印紙税の免除等、業界固有の要求を出している。それを実現させるために、日建連加盟企業が一斉に4〜6億円の巨額献金をしているのである。このような献金の是非を問うているのである。

2 原判決は35年前の最高裁八幡献金事件を適用したが、本件政治献金に適用すべきでない

 八幡政治献金事件の注意義務論を素直に読む限り、「会社の規模・・・からみて・・・合理的範囲内においてその金額等を決定すべきであり、この範囲を越えて不相応な寄附をした場合は取締役の注意義務違反になる」としており、会社にとって分不相応な金額をしてはならないという注意義務である。

広辞苑によると、不相応とは「つりあわないこと。ふさわしくないこと。その例として身分不相応」を挙げている。最高裁判決の「会社の規模等・・・の合理的範囲内においてその金額を決定すべきであり、その範囲を越える・・・」という判旨は、会社にとって分相応かどうかという対内的基準が審査基準となっている。したがって、この基準は、法的にも社会的にも何らの問題もない場合の献金における審査基準である。
  
一審原告が主張している日建連統一献金は、熊谷組にとって分相応か不相応かという議論ではなく、日建連統一献金の持つ性質、とりわけその有害性、弊害性を審査基準として審査すべきと主張しているのである。
 
 最高裁の判例の審査基準では、日建連統一献金のごとき献金の審査基準とはなり得ない。政治献金の対外的に果たす役割(有害性やその弊害)を審査基準として定立しない以上、本件日建連統一献金の審査基準とはなり得ない。取締役の審査基準は、上記最高裁基準の前に、その政治献金の対外的社会的役割について審査したかどうかである。
  
原判決には、日建連統一献金のような巨額献金の持つ弊害性、有害性を何ら審査基準として定立していない最高裁八幡政治献金事件の審査基準を適用した違法性がある。熊谷組固有の政治献金についても同様である。

3 八幡政治献金事件を適用するのは誤りであるか、またはその審査基準は見直されるべきである

  この最高裁八幡政治献金事件の審査基準そのものが見直されるか、それとも本件事件に最高裁八幡政治献金事件の審査基準を適用したことについてその是非が問われている。日建連統一献金のような、政権政党に自らの要求をつきつけ、業界と政党との癒着の要となる巨額の献金を許すのかどうかが問われている。

熊谷組の名古屋高裁金沢支部の判決に対して、最高裁に上告した。3/14までにその理由を詳細に書く必要があった。学者の協力を頂き、弁護団で何回も議論してやっと本日完成して提出することが出来た。上告状が27P、上告受理申立がその1からその3まで合計95Pになった。
そのうちの上告受理申立理由書(その1)は私の担当だった。いずれ株主オンブズマンのHPに全文をアップする予定。以下がその理由書の目次だ。

はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
 1 一審の判決と高裁の判決の結論が異なった。政治献金とりわけ業界をあげての巨額の献金をどのように見るかによって結論が変わった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
 2 原判決は35年前の最高裁八幡献金事件を適用したが、本件政治献金に適用すべきでない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
 3 八幡政治献金事件を適用するのは誤りであるか又はその審査基準は見直されるべきである ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
第1 原判決が取締役の善管注意義務について認定した事実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
 1 本件政治献金については八幡政治献金事件の審査基準によるべきである・・・・・・・ 7
 2 日建連統一献金の実態について審査する義務がない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
 3 日建連統一献金の実態を調査しなくても経営判断原則に違反しない ・・・・・・・・・・ 8
第2 日建連統一献金の政治献金の支出における善管注意義務論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
 1 日建連統一献金とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
  (1) 日建連という業界団体から要請を受けて献金したと一審被告が説明している献金である ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
 (2) この献金の性格は日建連加盟企業が統一的意思のもとにする献金である ・・・ 10
  (3) 日建連統一献金は公序良俗に抵触する献金である ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
(4) 日建連統一献金は公序良俗に抵触する危険性のある献金である ・・・・・・・・・・・ 12
  (5) この献金実態に合致した注意義務論が要請される ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
 2 日建連統一献金に八幡政治献金最高裁判決における審査基準を適用したのは誤りである ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
(1) 原判決の注意義務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
(2) 最高裁八幡政治献金事件の射程距離は本件日建連統一献金事件に適用すべきでない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
  (3) 最高裁八幡政治献金事件の審査基準を本件日建連統一献金に適用したのは誤りである ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
 3 政権政党への巨額の政治献金については謙抑的でなければならない ・・・・・・・・・・ 15
  (1) 政治献金の一般的な特質からくる抑制である ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
  (2) 政党への政治献金は必ず弊害がある ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
  (3) 与党への巨額の政治献金は政府の政策を左右する危険性、弊害があることによる抑制原理である ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
 4 以上の日建連統一献金の弊害の事実から政権政党への巨額の政治献金にあたっての取締役の注意義務の内容は次のとおり解されるべきである ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
 (1) 日建連統一献金の危険性と有害性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
  (2) 日建連統一献金の審査にあたっての注意義務の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
  (3) 注意義務の具体的内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
  (4) まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
 5 一審被告の取締役の注意義務違反 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
  (1) 原判決は日建連が政府・自民党に業界固有の要求をしている事実を意識的に無視した ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
(2) 1996年(平成8年)5月29日の1176万円、5月30日の705.6万円について何ら審査していない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
(3) 1997年(平成9年)2月13日の1167万円、2月14日の700.2万円についても審査していない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
  (4) 1998年(平成10年)3月30日の1627万円についても審査していない ・・・・・・・・・ 23
(5) 1999年(平成11年)9月13日の金1627.7万円についても同様である ・・・・・・・・・ 23
(6) 2000年(平成12年)4月20日の1209万円についても同様である ・・・・・・・・・・・・・ 23
 6 原判決の善管注意義務についての法令の解釈、判断は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反がある ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
(1) 原判決は日建連統一献金の弊害、有害性の審査義務そのものを否定した・・・・ 23
  (2) 日建連が自民党、政府に対し、種々の要求、要望を出していることは証拠上明らかである ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
  (3) 日建連の熊谷組への要請が「どのような理由で、何故その時期に、総額幾らを献金するのか」ということと分離しては存在しない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
  (4) 一審被告松本本人も審査しないことを認めている ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
  (5) まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
第3 熊谷組固有献金についての善管注意義務論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
 1 熊谷組固有献金とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
  (1) 熊谷組が直接国民政治協会から要請を受けて献金したと一審被告が説明している献金をいう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
  (2) 熊谷組固有献金の特質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
(3) 原判決は八幡政治献金事件の審査基準で本件献金も判断した ・・・・・・・・・・・・・・ 29
 2 本件熊谷組固有政治献金の取締役の善管注意義務違反 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
  (1) 政治献金のずさんな支出は取締役の善管注意義務に違反する ・・・・・・・・・・・・・・ 29
 (2) 会社が国民政治協会から単独で寄附要請を受けた場合の注意義務 ・・・・・・・・・・ 30
 3 一審被告の審査の実態と義務違反の事実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
  (1) 一審被告らは上記のような具体的な審査を尽くさず、国民政治協会からの要請だということのみで安易にしかもずさんに献金した ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
  (2) 原判決の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
第4 取締役の善管注意義務違反 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
1 原判決が認定した注意義務論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
2 経営判断の原則の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
  (1) 原判決の解釈の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
(2) 経営判断原則とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
  (3) 原判決の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
  (4) 取締役が判断した事実だけでなく判断しなかったことも不注意な誤りになる ・・・・・ 35
  (5) 政治献金に関する経営判断をする場合にその判断の前提の事実として認識すべき事実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36

熊谷組控訴審の当日の法廷、記者会見の情景を、朝日新聞の1/12が株主側の情景を描いてくれているのでそれに関する一部を引用させてもらった。

 ■「政治とカネの問題 放棄」 11日に名古屋高裁金沢支部であった熊谷組株主代表訴訟の控訴審判決は、経営が悪化しても、受注機会を増やすために自民党に献金を続けた企業の姿勢を認め、株主側の逆転敗訴となった。株主側は「司法は政治とカネの問題を放棄した」と疑問を投げかけ、元社長側は「正当な判断」と評価した。株主側は近く最高裁に上告する方針。

【株主のコメント】
「期待かなわず」怒り/株主側 最高裁で常識訴え 「一審原告の請求を棄却する」。静かな法廷に裁判長の声が伝わると、株主側は表情をこわばらせた。株主オンブズマンのメンバーで原告の会社社長、柚岡一禎(ゆおかかずよし)さん(63)=大阪府泉南市=は直後、雪が降り続く北陸の空に心情を例え、「あんたんとした気持ちです」と唇をかんだ。 

 技術の熊谷組――。そう高い評価を受けていた同社のファンで、89年に3千株を購入。「ダム、トンネルなど日本の背骨をつくる熊谷組に思い入れがあった」という。 経営が苦境に陥っても自民党への献金を繰り返す姿勢が許せず、控訴。だが、一審後も「政治とカネ」をめぐる不透明な問題は後を絶たない。 
 裁判所近くの金沢法曹会館であった会見でも柚岡さんは「金が政権党とゼネコンをぐるぐる回る仕組みが温存されてしまった。期待はかなわなかった」と怒りをみせた。

【弁護団のコメント】
 弁護団長の松丸正弁護士は最高裁で企業献金を認めた70年の旧八幡製鉄訴訟を引き合いに、「企業献金奨励判決を踏襲するものだ」と断じた。「笛吹きに金を与える者が曲を決める」という西洋のことわざから「笛吹き」を自民党、「金を与える者」をゼネコンに例えて企業献金を批判し、「莫大(ばくだい)な献金で政策を決めることはあってはならない」と声を震わせた。 

弁護団と株主オンブズの事務局長、阪口徳雄弁護士は「日建連が巨額な統一献金をして様々な要求をすることが、賄賂(わいろ)性を帯びるか(経営判断で)考慮すべきだと主張したが、判決は一笑に付した。最高裁で社会の常識に反することを訴え、一審以上の判決を勝ち取るよう努力したい」と語った。

【被告のコメント】
 一方、熊谷太一郎(72)、松本良夫(63)の両元社長、鳥飼一俊前社長(59)の3氏は弁護士を通じて「経営判断に何ら裁量の逸脱がなかったことが認められたもので正当な判決」と評価した。熊谷組(本店・福井市)は「判決文は入手していないが、正当な経営判断が認められたと考える」と書面でコメントした。 

【醍醐教授のコメント】
《醍醐聡・東大大学院教授(会計学)の話》 金で政策を買うという企業、業界の論理を司法が認めたようなら問題だと思う。献金しないと、会社の信用を失い、受注も減ると言うなら、その業界の体質を変える必要がある。政治献金は二律背反のジレンマを抱える。効果がないなら取締役の善管注意義務違反、効果があるならわいろになる可能性がある。
そうならないよう、政治資金の寄付は企業献金をやめ、政治家が自助努力でサポーターを増やすような個人献金にすべきだろう。

日建連は政府、自民党に業界の固有要求を出していた。政府、自民党はこれを受け入れた。その構造的癒着関係を維持するのが、本件日建連献金である。1審原告は、上記日建連献金について次のような2段階の主張をしていた。

1 『日建連統一献金は業界の要求を実現するため、あるいは実現して貰ったことへの対価、あるいは今後とも日建連の要求に対して特別の配慮をお願いする献金』であると主張しそのような献金は著しく社会的に相当でなく、公序良俗に反すると主張した。

どうやら高裁でも、『業界の要求を実現するためとか業界の要求に対する特別の配慮を求める献金』は違法と考えたらしい。しかし高裁判決は『違法な趣旨ないし目的に基づくものであったことを認める証拠はない』として1審原告の主張を証拠面から切った。(判決34Pの7行目以下)

2 次に、本件献金が違法な趣旨の献金であるとの証拠が明白でない場合でも、日建連が自民党に要求していることとの関係で上記のような『違法な趣旨ないし目的に基づく献金でるかどうか』を慎重に審査すべきだ。そのような慎重な審査を行わない献金はソモソモ取締役の善管注意義務を尽くしていないと主張した。ましてそれすら調査しない献金は杜撰献金で善管注意義務違反と主張した。

高裁判決は『一審原告が種々主張する具体的な調査が行われなかったとしても、取締役の善管注意義務に違反するものではない』と原告の主張も切った(34Pの15行目)

3 以上の高裁判決だと『業界の要求を実現するためとか業界の要求に対する特別の配慮を求める献金』は違法だが、日建連から要請がある献金である以上、それが違法かどうかは何ら審査する必要がないと
いう結論になった。これでは業界献金をフリーパスにした高裁判決になる

業界は違法行為を為さずという理由にしないとゼネコン業界の献金を認めることが出来なかったのであろう。これも市民の常識と高裁裁判官の常識が乖離している点だ。

最高裁もこのような違法性の調査をする必要性がない高裁の判決論理を肯定するのか、それとも業界と政党との献金実態にメスを入れるのかが問われる訴訟になる。

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