弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

談合

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談合に関する株主代表訴訟の報告、実際の起っている談合事件への意見、感想
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橋梁談合で株主代表訴訟を提訴した。このような訴訟をすると、その関連する企業の関係者から必ず何らかの情報が提供される。今回も同じだった。今後も増えるだろう。

この中のある企業の内部の情報に詳しいという匿名の方から情報を頂いた。

* 本当は△△役員らが橋梁談合を知っている。その役員が橋梁部門を数年前から所管しており当然に知っていた。

* そのために○○は独禁法違反の罪を役員に及ぼさないようにするために、従業員の責任に押し付けている。その従業員を関連会社に一時配転した形で社内処分をし、後日に別会社の役員などに出世させることが行われている。以前の独禁法違反のときもそうだった。証拠隠滅もした・・・。

* 役員は知らなかったと弁明するが騙されないで欲しい。その従業員が上司に秘密に談合したのなら、何十億の損害を与えているのだから、懲戒解雇はもちろん、損害賠償をすべきなのに、一切していない。おそらく今後出世するだろう。それも巧妙で、関連会社で出世させる。株主、社会から見えないようにしている。

* このような情報隠しをしているのだから、会社の自浄作用がない。外部の力でないとダメだと思う。

最近『ガセネタ情報』が多いので、はめられる危険性がある。
私達は、どこかの議員と違いストーリーが上手くできているからと言って、直ちに信用はしない。

しかし、その人の言う内容は客観的な事実と符合する。信用できると見たが、直ちにこのような証拠は使わない。仮に利用するとしても、そのものズバリの形では使わない。
 
その人の特徴が少しでも出て、犯人探しされては、善意の通報者に迷惑をかけてもいけないからだ。
どこかの裁判の過程で、情報の提供者が一切特定できないように使う。匿名であっても、それは情報を提供してくれた人への配慮だろう。

公益通報者保護法が4月1日から施行される。しかし、このような企業のトップが関与する内部告発は殆どが匿名だろう。内部告発者を保護する法律が出来たからと言って、氏名を明らかにして告発する風土は簡単には出来そうにない。

それにしても、このような情報をドンドン送って頂きたいものだ。匿名でもOK。

三菱重工(東京地裁)日立造船(大阪地裁)への役員への株主代表訴訟を本日(3/22)に提訴した。
橋梁談合では初めての訴訟になる

【裁判の意義について】

『長年,違法な談合行為を容認(黙認)し,これを防止する真に実効性ある内部統制システム構築を怠ってきた取締役らにこの責任がある。 本件裁判は、談合を容認、黙認するわが国の企業風土や体質を、株主代表訴訟によって問う裁判である』と談合防止センター及び弁護団でまとめた。

【被告役員について】
公正取引委員会の排除勧告や課徴金の対象となっているのは、2002年(平成14年)4月から2005年(平成17年)3月の3年間の橋梁談合である。この3年間の受注額×0.06=課徴金という計算式により算定される。

橋梁談合は昔から続いていた。従って本来だとこの間の全ての役員は被告対象になる。
しかし全ての役員を提訴することは大変である。

その為に、公取委の対象期間の2年前位の2000年(平成12年)頃以降の新旧の役員に絞った。
この時から、2005年3月までの間に、真に有効な内部統制システムを構築しておれば、今回の談合を防止できたはずだという論理で被告役員の責任を問うことになるからである。

責任原因は http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/28408742.html
企業の内部統制システムの実態については http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/20100112.htmlを参照

しかも、この間の役員のうちの社長、鉄構建設事業本部長を兼ねた役員、及び法務担当取締役に絞った。
これらの役員は、真に有効な内部統制システムの構築義務が直接にあるからである。
それ以外の役員も社長や、鉄構建設事業本部長らを監視して、談合を無くす義務があるが、言わば間接責任になるので、今回は除外した。

この結果、三菱重工は被告役員は7名、日立造船の役員は4名になった。一部役員は退職している。

【損害額について】
三菱重工は、当面は、指名停止による損害合計金30億円になった。
損害論はhttp://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/29667501.htmlを参照
日立造船は、指名停止による損害金5億円、課徴金による損害金3億円、合計8億円となった。

なお、順次課徴金や、発注者からの違約金なども判明次第、追加提訴する予定。

【他の企業への提訴予定】
橋梁談合企業は上記企業以外にもある。株主代表訴訟を予定している企業は、あと6社から7社の予定
提訴時期は東京弁護団 http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/30233691.htmlと調整中。

【談合防止センターについて】
談合防止センターは昨年12月に準備会を作り、正式には3月1日発足した。
代表は辻公雄弁護士、森岡孝二教授である
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/19556859.html
準備会でも活動をした。
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/20426890.html
新聞報道
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/25938212.html

本日(3/18)東京で橋梁談合株主代表訴訟弁護団が17名で結成された。57期、58期の若い弁護士が中心だが、三菱自動車のクレーム隠し株主代表弁護団の経験あるメンバーも入ってくれた。
PL法や欠陥商品などで経験を積んだ弁護士も応援してくれる

大阪の弁護団と合計32名の強力な弁護団ができた。

三菱重工と日立造船は3/22に第1次の提訴するが、それ以外の企業の役員への第2次の代表訴訟は、6月半ばを目途に準備に入った。
最終的には7社か8社になる予定。戦後最大の談合であるから、代表訴訟も最大になる可能性だ。

5月1日施行の会社法に規定する【談合を防止する内部統制システム】のあり方が最大の争点となろう。これらの企業はそれなりに、独禁法コンプライアンス規定を作っている。

しかしそのようなコンプライアンス規定を作り、従業員に何回教育、研修を繰りかえしても談合が発生している。
(なおこの点について談合2で指摘した。 http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/20100112.html)

三菱重工などは公正取引委員会から排除命令などは、橋梁談合で四回目だ。最近の報道でも三菱重工などの談合が報道され始めている。

東京地裁で係属中の五洋建設は、今度の防衛施設庁の談合で略式起訴され、「悪質性が高い」と指名停止12ヶ月になっている。2004年3月、長崎談合事件で、談合しないと誓約しているのに、またもや違反したからだ。

東京地裁で役員は、談合防止の内部統制システムを作り、十分に従業員に研修をしてきたから、責任がないと強弁している。

何回も同じ談合が繰り返されるのは、このような談合コンプライアンスでは【談合容認、黙認コンプライアンス】であることを証明している。

意図的に『ザル』『欠陥』コンプライアンスにしているからであろう。

この訴訟では商品の欠陥でなく、コンプライアンスの欠陥が争点だ。

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先日、株主オンブズマンのメンバーが株主提案をするために、大林組に株主名簿の謄写申請をした。

株主提案の内容はほぼ以下のとおりを想定していた。

・ 談合を監視をする会社から独立した専属の社外取締役の選任
・ その社外取締役の下に談合監視委員会などを設置して談合を日常的に監視する

防衛施設庁の談合で大林組の担当者が略式起訴されたからだ。

このような制度を大手ゼネコン会社の中で一番早く作ることが、大林組の企業価値を高め、同時に機関投資家や、外国の株主を呼び込み、株主価値も高めるという趣旨の為の提案だった。

これが企業の社会的責任を果たすことでもあった。

株主提案には300個=30万株が必要だ(商法232条の2)
その為には、株主名簿の謄写をして、多くの株主に賛同のお願いをする必要があった

このような株主名簿の謄写、要請をすると、今までのトップ企業のソニー、トヨタ、住友銀行などは全てコピーをしてくれ、費用を株主が負担することでスムーズに終わった。

ところが、本日、大林組から、株主名簿を見せるが、会社に来て、必要な株主名簿を書き移してくれという話だった。閲覧ならそのような主張も可能だが、謄写だからそれでは無理難題を要求するようなものだ。

それなら、コピー機を持ち込むことになるがOKかとか、電源の利用が可能か?
などおよそ、常識はなれた話のやり取りがあった。

あまりに常識離れた話だったの、株主名簿の謄写申請を大阪地裁に求める仮処分をするしか道がないと思った。こんなバカな訴訟が持ち込まれること自体、大林組にとって恥ずかしい話だ。

最後にあれこれ話しをしているうちに、再度検討することになった。
引き伸ばしをされては、株主提案が出来ない可能性がある。
総会の8週間前に会社に株主提案を300個=30万株をそろえて提案しなければならないからだ。
(商法232条の2)

あれこれ言って引き伸ばし作戦ではないかと疑ったりもした。

今年がダメなら、来年に提案も可能だし、株主代表訴訟も可能である。
それにしても、総務部がこのような対応では、技術の大林組が泣く。

(注1)消えた2/24付の株主名簿謄写申請書???

2006年2月24日に大林組に対して、株主名簿の謄写申請をした。普通郵便の速達で出した。今までのソニーなどの企業には、この程度の要請文書を配達証明付きで出したことがないからだ。普通ならその後に会社の総務課か、株主課から、コピー代が○○円必要だが、よろしいか?と連絡を頂く。

ところが、大林組からは何の連絡もない。痺れを切らし、3月14日に連絡したら、そのような、文書はついていないという。1名の事務員が文書を作成し、封筒にいれた。もう1人はそれを郵便局に届けた。2人が関与している。しかし到着していないという。2人の事務員が責任を感じ、郵便局などに照会をした。郵便局も同情してくれたそうで、メッタに誤配などはないという。

不思議なことがあるものだ。

(注2)
3/20(月)東京の担当者から、電話を頂き、『株主名簿を開示する方向である。ただ開示時期は
もう少し日時が欲しい』という連絡を頂いた。以前のような傲慢な態度でなく、極めて紳士的な対応だった。

【談合を容認、黙認する企業風土を問う株主代表訴訟】

この裁判の意義を弁護団が上記の通りまとめ、以下の通り指摘した。

『三菱重工ら鋼橋工事業者47社は,長年、国土交通省地方整備局や日本道路公団が発注する鋼橋上部工事の競争入札において,K会やA会と呼ばれる入札談合組織を構築して違法な談合行為を行ってきた。 

三菱重工は,平成17年6月15日及び8月1日の前後2回に渡り,この行為が独占禁止法違反であるとして,東京高等裁判所に起訴された。

この結果,三菱重工は,国や地方公共団体らから長期間の指名停止措置を受けるなどして約800億円の受注損の被害を受けている。

長年,違法な談合行為を容認(黙認)し,これを防止する真に実効性ある内部統制システム構築を怠ってきた取締役らにこの責任がある。 本件裁判は、談合を容認、黙認するわが国の企業風土や体質を、株主代表訴訟によって問う裁判である。』

これが橋梁談合の裁判の意義だ。弁護団の三菱重工の担当弁護士がまとめてくれた。

三菱重工役員への損害賠償額の被告となる役員について、先日の弁護団会議で決定した
被告となる役員は訴状を提出する段階で明らかにする。

指名停止による損害額が議論となった。
・国や地方自治体の指名停止によるうべかりし受注損が約800億円だと言われている
重工の売り上げ総利益率(いわゆるあら利)を調べると
平成14年度は 12.1%
平成15年度は 9.8%
平成16年度は 7.1%
この3年間の平均は9.66%

よって、800億×0.0966=77.28億円が一応の損害となる。うち固いところで30億円を内金として請求することで検討中。詳細が判明すれば請求額を拡張することも視野に入れている。

課徴金額も一応推定した。最低で6億円となるが、うち5億円の損害を受ける。
これは提訴段階では未だ発生していないが、口頭弁論終結段階では確定しているだろう
よって、35億を内金として請求予定として訴状の完成を急いでいる。

日立造船は、公取委の排除勧告を認めているので、あえて、指名停止による損害を重工のように請求するのを止め、課徴金及び発注者からの違約金の合計8億を請求するという内容で弁護団で調整中だ。


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