弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

政治とカネ

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政治とカネについて法律的に解説・コメントをします
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9月26日陸山会秘書事件の判決がある。この事件についてメンバー3名で議論した。以下その概要。 
 
1 調書の不採用について 
 
「東京地裁が元秘書などの検面調書を却下したことをどうみるか」
「今までの裁判官の認識だったら、検事の『あの程度の誘導、脅迫』程度では検面調書の却下をしなかっただろう。驚きだ。」
「検事の取調べに関する世論が裁判官にも反映しているのだろう」 
 
2 調書の不採用は有罪、無罪に影響するか 
 
「このことは元秘書らの有罪、無罪とは関係するか」 
「石川元秘書と大久保との虚偽記載に関する共謀の事実の立証については検察の打撃は大きい。収支報告書の実際の作成は石川と池田であるので、大久保との共謀に赤信号がついたと言える」 
「却下された検面調書を見ると、ある時期以降の調書が採用されなかっただけで、それ以前の石川秘書らの、検面調書は採用されている。この採用された調書に石川元秘書は大久保からの指示、監督のもとで作成したという点を認めているので、それほど簡単ではないだろう。必ずしも連動しないのではないか」 
「採用された検面調書があるのでその調書内容如何になるね」
 
3 小澤一郎から4億円の借入金の不記載について 
 
「石川元秘書の起訴事実に【平成1610月初めころから同月27日ころまでの間に、小澤一郎から合計4億円の借入れをしたのにそれを記載しなかった事実】が起訴されているがこの点はどうか」
 
 「平成16年度の陸山会の収支報告書に記載のある『平成16年10月29日4億円』の記載は『平成16年10月29日りそな銀行から借り入れた4億円である』と捜査段階では供述していたが、その検面調書が採用されないとなると、検察は小澤一郎からの借り入れた4億円の不記載を何で立証するのか、厳しいと思う。」
 
 「もし、裁判官は石川元秘書の検察は小澤一郎からの借入れた4億円の不記載を認定するとすれば、一番簡単なのは①収支報告書に記載のある4億円の借入日時が平成16年10月29日と記載されていること=それは銀行からの借入日時であること②石川元秘書の小澤一郎からの借入れた4億円を12回に分散して陸山会口座に入金していることから、最初からそれを隠ぺいしていること③銀行からの借入は必要ないのにあえて借り入れている事実・・・・等の事実から石川元秘書の公判廷の供述を信用できないと切ってしまうやり方だろうね」 
 
「石川秘書は小澤からの4億円の借入金を平成16年度の収支報告書に書いたと言い、他方池田秘書は小澤からの借入金を平成19年5月に返済した事実があるのに平成19年度の収支報告書に書かなかったのは単なる「預かり金」であったからと秘書間で違うことを述べている。これが裁判官の事実認定に影響があるか」
 
 「石川、池田の元秘書間で全く違う弁明は、石川秘書の小沢借入金を記載したという石川秘書には不利に働くだろう」 
 
「裁判官はそのような立場にたつかどうかは不明だが、特捜の捜査は供述に頼り過ぎの為に、このような困難な立証になったのだろう」
 
4 土地代金の支出は本登記の時期に記載すれば良いのか。
 
「石川元秘書は『平成16105日及び同月29日、土地取得費用等として合計352616788円を支払ったのに、同収支報告書にこれらを支出として記載しなかった』事実で起訴されている。石川秘書が本登記時(平成17年1月5日)に記載すればOKと思ったと反論しているが、これはどういう意味があるのか」
 
「収支報告書に時期はずれても本登記時に記載すれば良いと思ったという石川元秘書の弁護人の主張は『虚偽記載の故意がなかったということ=違法の認識がなかった』という主張だから無罪。虚偽=嘘の記載をする故意が必要なところその意図がなかったという反論である」
 
「規正法同法121項では、「すべての収入・・・及び「すべての支出・・・について、当該収入・支出があった年月日等を収支報告書に記載しなければならないと規定している。実際に現金等の出入りがあるごとにその旨の記載を収支報告書にしなくても良いとなれば、政治資金の収支の時期を【恣意的】に公開する恐れがあり解釈として間違っているのでないか。本件では土地代の支出は平成16年10月であることは確実だから、この支出時期をずらすならば、その時期のずれに客観的に相当な理由が必要だ。石川秘書の時期のずれの弁明に裁判官がシツコク聞いているのはこの為ではないか」
 「裁判官は平成16年10月に土地代の支出があった事実を認定することは確実。その金の支出時期を本登記の平成17年1月5日に支出したと記載しても良いという石川元秘書の弁明は単なる「情状レベル」の主張とみているのか」
 
「最終的に判決がどのような認定になるかは不明だが、規正法の普通の解釈では弁護人の反論は成り立つことは難しいだろう」
 
5 水谷建設1億円の金は虚偽記載罪にどのように影響するのか 
 
「時期をずらした理由に検察側は水谷建設などの裏カネがあったと必死に立証しているが、このことはどう関係するのか」 
「時期をずらした本当の理由は4億円の金の中に検察はゼネコンの金があったからだと虚偽記載の程度が悪質というレベルの立証にしかすぎない。本件事件の虚偽記載にそこまで立証する必要性がない」 
「石川元秘書は民主党の代表選が平成17年9月にあるので、その時に陸山会が大きな金額の土地を購入していることが争点となる危険性があったので、時期を意図的にずらしたことを認めているので自白したようなものであるからこの立証は不要と思う点では一致する」 
「では検察はそれを何故、シツコク立証しようとするのか」 
「検察の意地・メンツではないか。検察は西松建設事件で強制捜査した中で、陸山会の平成16年10月の土地購入代金の金の出どころをはっきりしない事実=陸山会の通帳に12回にわたって3000万円から5000万円の金が入っていることを掴んだ。そこで当時東北のゼネコンから裏カネが入っていると思い捜査した。しかしその金に見合う裏カネをつかむことができなかった。2009年8月の総選挙前だった関係で世間の批判を浴び、特捜部の捜査が頓挫した。しかし彼らは何としてもこの続きの捜査をしたかったのではないか」 
「何故、捜査が再開されたのか」 
「特捜部は西松建設事件の捜査でつかんだ土地代約4億円の原資を探す為に大義名分が必要だった。その為に、土地の購入の時期などをずらしたことを、ある新聞にリークし、本件土地購入問題を再燃させ、その上、どこかの市民の告発を待って捜査を再開したのでないかと思う」 

「特捜の意図は別にして、裁判官は水谷建設の1億円の金を認定するか」
 
「判決は水谷建設の1億円の点を認定せず=その認定は困難だからでもあるが、石川元秘書の公判廷で認めている民主党の代表選があるから時期をずらした点だけを認定して有罪とすることもあるのでないか」
 
「いわゆる、逃げた判決もあり得るだろう。しかし他方では、裁判官の常識では水谷建設の1億円を利害関係がない水谷の関係者が検察や公判で供述・証言することは、普通はあり得ないと思っている。大久保は西松建設事件で、東北の談合を仕切っていた者と連携してゼネコンに金を要求している供述調書などはバッチリ採用されているのだから水谷建設の1億円を認定する可能性も高いのでないか」 
「検察もオカシイね。自信があったら水谷建設の1億円の虚偽記載で立件すれば良いのに、それをしない事実を、裁判官はマイナスに評価するから、水谷建設の1億円を認定できないのでないか」 

「水谷建設の1億円は蓋をあけてみないと判らないということになりそうだね」 

 

6 判決予想

「大久保は無罪の可能性が50%か。他の被告人は有罪が80%以上」

「大久保は有罪なら実刑、石川も実刑の可能性が半々、池田は執行猶予か」


 この事件の事実経過
    2004//末頃 世田谷に土地が3億4264万円での売りに出ていた。大久保秘書らが小沢議員に相談し購入することを決定。小沢議員の関連する政治団体のカネを集めれば土地資金が賄えるがそれでは各政治団体の運転資金が枯渇してしまうので小沢議員の個人の4億円を借りることになった。
    10/5 売買契約締結。売買金額3億4264万円、10/29に売買残金を払い、所有権移転登記をする旨の合意。この日に手付金などを支払った。
    10/12頃 小沢議員から個人の現金4億円を石川秘書が保管。この時小沢議員から「純粋な個人資産だから間違いなく返すように」言われたと言う。
    10/13に石川被告は陸山会の口座がある、4銀行4支店を順次回り、3000万から5000万円ずつ合計1億8千万円を分散入金。10/18、10/21、10/25に合計5000万円、10/27に5492万円を順次分散入金。検察陳述によると5銀行6支店の陸山会6口座に12回に分散入金した。
    10/15に陸山会口座に5000万円入金あり。検察冒陳では、10/13(金曜)水谷建設から受け取った現金を月曜に入金したと主張。弁護側否認。
    10/中頃に石川、大久保は売主側に、残金支払及び本登記を翌年にできないかと相談したが、断られる。そこで石川秘書は司法書士に相談したところ、残金は決済しても仮登記をして翌年に登記をすれば大丈夫というアドバイスを受けた。
    10/28、他の銀行口座に分散入金した金をりそな銀行衆議院支店の陸山会口座に振り込み入金した。陸山会の口座残高は4億3500万円余となった。
    10/28午後4時ないし5時ごろに石川秘書は銀行に陸山会の4億円の預金担保に小沢個人に4億円の融資を受ける相談を持ちかける。
    10/29、土地代金決済予定の午前10時前に、3銀行3支店の順次回り、民主党岩手県第4区総支部口座等から合計3億500万円を、りそな銀行衆議院支店の陸山会口座に送金手続をした。
    10/29午前10時半頃、土地残代金3億3264万円等合計3億3753万6788円を支払った。
    同日、原契約を維持したまま、金を払い、土地も引渡し、仮登記をして本登記を2005年1月7日にする旨の合意書を作った。
    10/29上記⑨のあと、(検察の冒陳では午後1時過ぎ頃)陸山会名義の定期預金4億円を設定した。これを担保として小沢議員個人の口座に4億円のりそな銀行から借入が行われた(りそな借入金)そのあと小沢個人口座から、陸山会名義の口座に振り替えられた。この借入金は銀行との契約書の借主は小沢個人。
    2005年1月7日 本登記。
    2005年3月31日 陸山会2004年収支報告書を総務省に提出した。
イ.この収支報告書に本件土地の所得費「352616788の支出」を記載しなかった(争いがない)
ロ.2004年10月月29日、民主党岩手県第4区総支部から7000万円、小沢一郎政経研究会から7500万円の各寄附を受けたのにそれを記載しなかった。(争いがない)
ハ 収支報告書に小沢議員からの「平成16年10月29日小澤一郎4億円借入」の記載がある。検察はこの収支報告書の記載は2004年10月29日の「りそな借入金」であるというに対して石川秘書側は「10月12日小沢現金借入」を記載したと言う。
    2005年4月5日小沢議員の資産等補充報告書提出。これには「借入金400,000,000円」「貸付金400,000,000円」がある。
    20051031日 上記⑪の定期預金2億円を取り崩し、銀行に2億円返済した。2億円の定期担保は継続し、借入金2億円は残った。小沢議員の資産等補充報告書には2億円の借入と貸付金の記載となる。
    20063312億円の担保が取崩され、2億円が銀行に返済された。
    20063月 2005年度収支報告書提出。
    20075月 小澤4億円返済( しかし翌年3月の収支報告書に記載せず)
野田新首相(民主党代表)は30日、次期幹事長に輿石東参院議員会長の起用を内定した。 野田氏は30日午後、党本部で輿石氏と会談して正式に就任を要請し、輿石氏も受諾した。(2011年8月30日16時55分  読売新聞)


輿石氏が野田内閣の民主党の幹事長となるという報道は驚きだ。
 
かれは小澤一郎の一の子分。そのお陰で上記のような組織対策費を貰っている。
 

◇輿石東氏への「組織対策費」支出、総額4000万円

支出の目的
金額(円)
年月日
支出を受けた者の氏名(または名称)
支出を受けた者の住所(または所在地)
組織対策費
10,000,000
H19.9.27
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
組織対策費
10,000,000
H19.12.25
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
組織対策費
10,000,000
H20.1.17
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
組織対策費
10,000,000
H20.11.10
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
合計
40,000,000

 
輿石はこの金をどこに使ったのか。説明すべきであるが、何も語らない。
 
組織対策費は、政党から貰って、コッソリ個人のポケットに入れても、一切使途を公表する必要のない金である。このような闇金を配る政党の代表・幹事長はもちろん、貰う議員も、国民は信用すべきでない。
 
そのような過去の「前歴」がある議員を幹事長に選ぶ野田党首もドッコイ、ドッコイ。
 
これでは民主党が組織活動費を使わないという前岡田幹事長のせっかくの国民への約束=政党の金の透明化が崩れる危険性大。
 
野田政権のこのような幹事長人事では先は見えた。あまり国民は期待すべきではない。
 
自民党も組織活動費を使っているからお互いに持ちつ持たれつ。 
その上、政党交付金(税金)をお互いに闇に使いたい政党が大連立を組めばもっとカネは闇に消える。
 
被害者は国民となろう。
≪角栄になれなかった男 小沢一郎全研究≫講談社・松田賢弥著1,785円。
 
『小沢一郎全研究』というだけあって小沢一郎議員の生い立ちから、最近の民主党の巨額の組織活動費の「使途」の闇・・・・・に至るまで小沢一郎議員の≪カネこそわが力≫と言う著者の訴えが、当時の秘書や関係者への熱心な取材により明らかにされている。
 
イメージ 1自民党の最大派閥の旧竹下派である経世会の分裂によって、当時金庫にあったとされる13億円を小沢の自宅に持ち込み取り込む当時の関係者の証言などはを読んでいると面白く、降りるべき電車の駅を乗りすごしたほどの迫力ある描写。
 
政党を作っては潰し、その政党の解散劇による政党の残ったカネの「支配」など小沢の「裏」の顔が厳しく告発されている。
 
取材対象者の話が小沢議員と対立した元秘書などの話で割り引いて読むとしても、迫力ある政治の裏面史である。小沢議員を評価するしないに関わらず、一読の価値あり。
 
それにしても、この本に出てくる大半の人達は殆ど過去の政治家であるにも関わらず、小沢議員だけが今なお≪政策でなく政局≫の一翼を担っている点では≪特異な政治家≫かも知れない。


【著者紹介】
松田賢弥(まつだ・けんや)
1954年、岩手県生まれ。故・小渕恵三首相のNTTドコモ株疑惑をはじめ、政界を抉るスクープ記事を多数執筆。「週刊現代」や「文藝春秋」、「SAPIO」誌上を中心に、小沢一郎の金脈に迫り、その後の「政治とカネ」疑惑追及の先鞭をつける。
著書に『闇将軍‐野中広務と小沢一郎の正体』『無情の宰相 小泉純一郎』『逆臣 青木幹雄』『虚飾の支配者 小沢一郎』がある
 
混迷する政局を紐解くための必読書——。「小沢研究」の決定版!

地元・岩手すら見捨てた許されざる冷血——。
三陸沖沿岸の被災地を訪れようともしない「豪腕」政治家に日本の未来を委ねることができるのか。

田中角栄以後の政界で、つねに圧倒的な存在感を放ってきた政治家・小沢一郎。
その実態は、角栄をはじめとする政界の「恩師」を次々と裏切り、野中広務ら「政敵」を屠るものでしかなかった。そんな小沢に数多くの有権者は「豪腕」「壊し屋」「乱世の小沢」という異名を与え、過剰なまでの「幻想」を抱いてきた。だが、彼が政治家として成し遂げたことはあまりに小さい。
東日本が大震災と大津波で壊滅的な打撃を受けた最中に、「菅下ろし」の政局を仕掛け、被災地に足を向けることがなかったことからも小沢という人間の“冷血”がよくわかる。このような人物が「政界再編のキーマン」と呼ばれる存在でいいのだろうか。
小沢一郎という「危険な政治家」を20年にわたって追い続けてきたジャーナリストが、その生い立ちから血脈のすべてを描く。ついに法廷に引きずり出される小沢金脈の“黒い霧”。そして、20年来、秘書として小沢に仕えてきた“懐刀”高橋嘉信が初めて明かす小沢の素顔とは——。
目次
第一章 非情のルーツ
第二章 田中角栄の秘蔵っ子
第三章 裏切り、そしてまた裏切り
第四章 権力の源泉——使途不明金
第五章 元秘書・高橋嘉信 衝撃の告白
最終章 カネこそわが力——小沢事件の本質
何故陸山会は2005年1月7日に本登記を遅らせたか。
 
石川弁護団の冒頭陳述で判明。農地の問題ではなかった。
ネットで流れていた本登記の遅れは≪農地法の問題≫というのはガセネタであることが判明した。
 
陸山会の本登記の遅れは農地の問題ではないと以前にブログに書いた。
 
小澤氏土地本登記の遅れは農地の為ではない(政治とカネ233)
小澤氏側の本登記の遅れは農地の問題ではない(2)(政治とカネ234)
 
そのブログで『考えられる本登記の遅れの原因は、 農業委員会からの受理通知書は2004年10月29日までにあったが、双方の合意で本登記を2007年1月7日と契約したことが考えられる。2カ月あまり本登記が遅れるので、買主側は順位保全の仮登記をしたと考えるのが一般的。土地代金全額を払った上で、本登記をいつにするかは当事者の契約自由が支配するところで、お互いの契約で決めれば良い。この場合に、契約土地代金全額を小澤氏側が払ったという報道が事実ならば、売主側が本登記を伸ばして欲しいということは普通はありえず、むしろ買主側の都合の場合が多い。 この理由が問われている』と。
 
これに対して弁護士は登記のことは知らないなどと批判するコメントが多数寄せられた。逐一反論は面倒なので、次の通りコメントした≫
 
多くの方のコメントについて、かなり誤解、思いこみなどが見られます。時間のあるときに、別途詳細な反論を書く予定。
なお、刑事公判廷で石川秘書ら弁護団、小澤弁護団が≪農地であった為に農業委員会への届出受理通知の遅れ≫をこの本登記の遅れの原因だと主張しますかね???≫
 
誤解、思いこみの人達には石川元秘書の弁護団の主張に基づく反論が一番と思ったからである。
 
昨日(2/7)の公判で石川元秘書及び弁護団の冒頭陳述があった。
私の予想通り弁護団から本登記の遅れに関して農地の「農」の言葉もでなかった。
 
本登記ができたが、陸山会側で売主にお金、引き渡しを来年にして欲しい=本登記を遅らせて欲しいと売主に要請をしたが断れたので、そこでカネも払い、引き渡しも受け、その上で仮登記をして本登記を来年にする旨の合意をしたことが石川弁護団側の冒頭陳述でも明白になった。
 
何故2004年10月29日に本登記ができたのに、何故しなかったが検察と弁護側で争いになっている。検察はゼネコン等から裏カネを貰った時期であったので、その時期をずらしたと主張している。 
 
他方、石川弁護団の報道された冒頭陳述によると≪2004年の収支報告(2005年3月総務省に届出)に土地を購入したと記載すると、その収支報告書が2005年9月に公開される。その時は民主党の代表選挙があるので、マスコミなどから高額の土地取引がオープンになると不味いから本登記を2005年1月として翌年(2005年)の収支報告書に記載することになった≫とある。
 
この争点のどちらが真実かは記録を見ていない者には判定できない。
 
しかしモトモト石川元秘書は2004年10月に登記ができたが、それをすると不味いので、本登記を翌年にしたということは弁護団も認めている。
 
ネットで流れていた本登記の遅れ=≪農地法の問題≫というのはガセネタであることを石川秘書弁護団が皮肉なことに証明することになった。
 
ところで、石川元秘書の言うような理由で意図的に遅らせ、それを収支報告書に記載しないとなれば、それだけ政治資金規正法上の虚偽記載罪の故意があったと認定されることになるのでないかと弁護士なら思う。
 
石川元秘書は、プロの司法書士に相談した結果、そのような方法も許されると聞いたから、翌年の完全な本登記の時に『取得』したとして収支報告書に記載することも違法ではないと思ったと主張している。法律的に言うと意図的に本登記を遅らせる『故意』があったが収支報告書に記載しないことに『違法の認識がなかった』と主張しているのであろう。苦しい弁明に見える。
 
裁判官はこのような場合を『違法の認識がなかった』として石川被告を無罪にするかどうは、実務的には極めて微妙。
 
当の石川元秘書は5時間に及ぶ録音で、
 
≪「無罪になるわけじゃない。百も承知」≫
≪「不動産登記の時期をずらすことが出発点。そのためにどのような(記載の)操作をするのかというのが2番目」≫
などと自ら説明したことが法廷で明かされた。
 
このような本登記を当事者の合意で意図的に遅らせることは私がブログに書いたように比較的よくある話である。
 
これだけの事件で現役の国会議員を逮捕することが法的にはともかく政治的に許されるのかという問題は以前にブログに指摘した。
 
石川議員の逮捕はいくら何でもやり過ぎではないか(政治とカネ187)
 
4億円の小沢氏からの2004年10月12日の4億円の借入が『不記載』という点が起訴されていることはうなずけるが、水谷建設の1億円の供与という点を動機として検察が主張しているが本当に立証できるか極めて疑問。冒頭陳述をみても非常にくどい。
 
仮に何らかの立証できても判決はこの背景事実を認定しないのではないか。
認定するまでもないからである。
 
裁判官は逃げる場合もあろう。
 
/4東京地検に「改革フォーラム21」の「陸山会」への3.7億円迂回献金を告発した。
告発人は上脇博之教授を含む憲法の学者ら43名、政治資金オンブズマンのメンバー3名の合計46名。告発代理人は私を含む32名の弁護団。
 
昨年12月からこの準備は始まり、告発人及び弁護士間で何回も協議の末に
告発状が完成し、2/4に東京地検に送付。まもなく正式に受理されるであろう。
 
 
自民党の迂回献金問題が報道された時は、野党であった民主党の国会議員達は政権政党の迂回献金を激しく批判した。貰う自民党議員側は、この問題についてダンマリを決め込んだ。
 
今回の「改革フォーラム21」から政党支部を通じて陸山会に迂回献金が発生しても、あれほど激しく迂回献金を批判した民主党議員達はダンマリを決め込んでいる。野党の自民党も同じ穴の狢であるから、これを本気で追及しないしできない。
 
2004年に日歯連からの自民党「平成研究会」に1億円のヤミ献金問題が発覚した。
 
この時、野党の民主党の永田寿康(自民党ヤミ献金等解明本部事務局長・党調査局次長)、辻恵(同本部事務局次長)両衆議院議員らが、橋本元総理らを東京地検に告発した。
 
告発人の永田議員は会見の中で、「政治資金収支報告書にでたらめな数字を書いていいということになれば、規正法の存在意義を根っこから否定しかねない重大な問題だ」などと厳しく指摘し、今後もこの問題を積極的に追及していく姿勢を明らかにした≫
 
同じように政治資金オンブズマンのメンバーも、橋本元総理らを東京地検に告発した。
 
告発状
 
この告発の中で「平成研究会」の繰越金が19億円余あると収支報告書に記載されていたが、実際は殆ど残っていなかったことが判明した。
 
「改革フォーラム21」の迂回献金事件が判明するや、平成研究会の繰越金の不存在を追及していた、公認会計士らのメンバーが、「改革フォーラム21」に約7億円の繰越金があるのに、利息の計上がないことを異常に思い調査した。
 
真実は「改革フォーラム21」の7億円はとっくに誰かが使っていたと思われるが、何故か『2008年収支報告書』に突然利息が計上された不思議を指摘し、その内容を公表した。
 
利息が突然計上されたこと=実際の預金があることになったのであるから、このカネを寝かしておくのは勿体ないとなり、今回の迂回献金に使用されたことは容易に判る。
 
今回の捜査の中で、「改革フォーラム21」には繰越金が、今なお3億円余残っている計算になるが、この実態も判明するだろう。もし無いならば繰越金の虚偽記載罪に該当する。
 
政党が国会議員個人に配る「組織活動費」問題も10年前からメンバー達が追及していた課題だった。
 
自民党への公開質問状
 
森嘉郎自民党国会議員の告発状
 
政治資金規正法は透明性が肝心なのに、国会議員個人に1億円や2億円の支払いをしても、そのあとの支出を一切公表する必要性がないカネであった。
 
「組織活動費」は政治資金規正法上の最大の抜け穴だった。
 
小沢氏が関与する政党の組織活動費もこの抜け穴を自民党と同じように最大限活用(悪用)した政党であった。
 
上脇博之教授がこれを熱心に調査し、それをブログに公表していた。
 

政治資金オンブズマンが昨年7月、自由党、新進党、民主党などの組織活動費を貰ったと記載のある国会議員に公開質問状を送った。

 

米沢隆議員(新進党時代約4億円)、野田毅議員(自由党時代約10億円)から一切受け取っていない旨の回答を受けた。自由党時代の藤井裕久議員は31億円余を貰ったと記載されているが≪知らない≫と記者の取材にも答え、国会でも同じように答弁している。

 

これらの国会議員らはとぼけているのか、それとも本当に知らないのかは不明だが、このような巨額のカネの不透明性を放置して官僚主導に代わって、政治家の政治主導とか声高に叫んでも、その政治家達が、この不透明さでは、およそ信用されない。

 

国会で、自民党の柴山昌彦国会議員が藤井裕久議員の31億円余の組織活動費を追及していたが、チャンチャラおかしい。自らが属する派閥の安倍、細田、町村親分達の組織活動費はどうなったのかと、この国会議員に逆に反対尋問をすべきであろう。

 

自民党も民主党も反対政党の政治とカネ問題を追及するが、自ら痛みを伴う問題であるから、自浄作用をおよそ発揮せず、改革・改善しようとしない。
 
嘆いていても始まらない。市民ができること=公開質問状や告発など、できることから、開始するしか道なし。
 
東京地検は今まで、野党議員固有の政治とカネ問題(特に小沢議員関連)なら真剣に捜査をした「汚れた歴史と過去」がある。
 
今回のテーマーは自民党にも構造的に残る「迂回献金」「繰越金虚偽記載問題」何より与野党の闇カネの根本問題である「組織活動費」が捜査の中心である。
 
本格的に捜査すれば、民主党の組織活動費問題は政権政党(民主党)の屋台骨を揺るがし、いい加減で、支持率の低い、自民党以上に悪質と批判されている管政権などの2つや3つの政権が吹っ飛ぶほどの課題である。
 
はたして東京地検が本格的に捜査するかどうか一抹の不安が残る。

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