弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

司法・裁判

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全15ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

【日本裁判官ネットワーク・秋の企画】の案内

日時  2011年11月12日(土曜日)午後1時から5時まで
会場  大阪駅前第3ビル17階の 「ティーオージー」1号会議室
     〒530−0001 大阪市北区梅田1−1−3
     TEL 06-6344-0205
     地図 
http://www.ances.jp/osaka/map.html
企画
(1) 13時から15時まで
     退官した当ネットのメンバー小松平内さん(元熊本家裁所長・27期)と同森野俊彦さん(元福岡高裁部総括・23期)の記念講演
          三十数年以上の長い裁判官生活を振り返って,有益なお話が聞けます。
     
(2) 15時20分から17時まで
     今次の司法改革をレビューする準備討論
    (来年春に司法改革審議会のメンバーを招くなどして,本格的なレビューをするための準備的討論をします。)
          今次の司法改革の到達点と課題を20分ほどレポートした上で,現役裁判官4人がパネルディスカッション式に討論します。
          討論テーマは,民事裁判の改革,裁判員裁判,弁護士・裁判官の増員の三点に絞ります。

(3) 17時30分から,同じ会場で
     パーティー
           参加費用は,一般の方4000円,法曹6000円,ベテラン法曹1万円




橋下知事への賠償命令取り消し=光市事件弁護士の敗訴確定―最高裁
20117152011

 弁護士資格を持つ橋下徹大阪府知事が就任前、山口県光市母子殺害事件の弁護団への懲戒請求をテレビ番組で呼び掛けたことで、業務に支障が出たとして、弁護士4人が橋下氏に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は15日、橋下氏に賠償を命じた一、二審判決を取り消し、請求を棄却した。原告弁護士側の逆転敗訴が確定した。 


極めて遺憾な判決。この最高裁判決は将来判例変更されるべき。
 
この最高裁判決は世間に迎合した判決と後世では批判されるだろう。
この裁判の裁判長である竹内行夫の最高裁判事就任では×をと呼びかけた。このような行政官僚は最高裁裁判官としては不適格であると。
 
国民審査で、竹内行夫に×を!(司法・裁判45)
 
この中でタカ派の麻生内閣がタカ派の最高裁判事を選んだと指摘した。 
多くの弁護士の不安が的中した。
 
刑事弁護人は殺人、強姦など≪社会から見れば抹殺すべき人間≫の弁護を担当する。その弁護は世間からみれば社会的に受け入れないし、誰からも歓迎もされない。その弁護士の妻・子供からも歓迎されない。
 
それでも刑事弁護人は≪極悪非道≫と世間から非難されても弁護をする使命を持って弁護する。
 
戦前に戦争に反対する被告人を弁護したことでその弁護士が社会から轟々と非難され、世間に迎合した当局は、その弁護人を治安維持法違反で逮捕、投獄した。世間から「弁護士よ!正業につけ!」と非難され、弁護士達もその後口を詰むんだ。戦争にまっしぐらに国家、社会、国民も走った。
 
村木さんが逮捕されたときの報道では村木さんが≪極悪非道≫の高級官僚と世間では報道された。この村木さんを弁護した弘中弁護士達が橋下弁護士のようなタレント弁護士から≪高級官僚が有罪であるに、無罪の弁護をするとはケシカラン≫と言って多数の市民から懲戒請求されては、弁護する弁護士達も必ずひるむことは間違いがない。もしそうなっていたら村木さんの無罪はなかったかも知れない。
 
私は、刑事事件の経験が殆どない。
 
弁護士の社会では≪報道でどれほど極悪非道≫と非難されても、その被告人を弁護する弁護士がいることが民主主義の最低限の要求。その存在を否定してはいけない。逆にそれらの弁護士が攻撃されると擁護する側に立つ。
 
小沢国会議員の政治とカネ問題を私は厳しく批判する。しかし、弁護人が小沢の事件を弁護することを一切批判はしない。世間から非難される国会議員であっても、刑事事件では弁護人が法的に弁護できなくては、これは民主主義社会ではないからだ。
 
今回の最高裁判決は、光市事件の被告人を許さないあまり、その弁護人までゴッチャにして非難した橋下弁護士の行為を≪表現の自由≫で擁護した。
 
橋下弁護士の懲戒請求の呼びかけが許されるなら、今後≪極悪非道≫と世間から批判される被告人の弁護人が三流タレントから≪ケシカラン。このような弁護士を懲戒請求をしよう≫とテレビで呼びかけられその都度、多くの市民から懲戒請求を受けるなら、これらの被告人を弁護する弁護人がいなくなる危険性すら感じる。
 
この最高裁判決は裁判長である竹内行夫を始め、古田裁判官は検察官僚、千葉裁判官は司法官僚、須藤裁判官が唯一弁護士出身では最初から結論が見えている。
 
最高裁の判決だからと言って、民主主義的社会から見て全てが相当・妥当ということにはならない。この判例もいつかは変更される運命にある。
 
 以前に最高裁が、変更された事例を述べた。
最高裁判例変更(司法・裁判43)
 
今回の最高裁判例が変更されないようでは、今後の日本の社会で≪極悪非道の被告人≫の刑事弁護人がいなくなる危険性すら感じる。
 
非常に興味深いシンポが開催される。
裁判員裁判の量刑は職業裁判官時代と変わったのか、変わっていないのか。
変わったのはどのような点か、それはどのような理由か。
特に、パネラーが現裁判官や元裁判官達からみての意見、感想が聞ける企画であるが故に貴重なシンポ。
 
記者、市民も参加可能。
 
後日、地方の弁護士、記者、感心ある市民の為に、ぜひシンポの内容をネットで公表して欲しい。
主催は裁判官ネットワーク
 
(追加)本日(6/29)に主催者から当日のシンポの内容を≪裁判官ネットワークのHP≫で公開する旨の連絡を頂いた。当日の議事のテープを文書にするのも費用が必要だろう。このような貴重なシンポを行う主催者にカンパをしよう。1000円でも2000円でもお願いしたい。
三井住友銀行 岡山支店 普通 6523456 日本裁判官ネットワーク名義


 
日本裁判官ネットワーク主催
シンポジウム「裁判員裁判の量刑」
   
 日時 7月2日(土)13時から17時
 場所 「スター研修センター神田 C401号会議室」
    東京都千代田区神田美土代町3−2 神田アベビル(03−5217ー5577)
        アクセスは末尾のとおり
 
 制度施行から今日までに行われた裁判員裁判(有罪判決)の「量刑」について、従来の裁判官裁判の量刑と比較するなどして,討論します。
 
司会
 虎井寧夫(東京簡裁判事・当ネット・サポーター)
  これまでの裁判員裁判の量刑の統計的分析を報告
パネリストとその報告概要
 青木孝之さん(元裁判官、現駿河台大学法科大学院教授)
  量刑についての基本的な考え方
 田口真義さん(裁判員経験者)
  評議の実際について
 神山啓史さん(弁護士、日弁連裁判員本部事務局次長)
  量刑審理における主張と立証
 原田國男さん(元東京高裁刑事部総括裁判官、現慶応大学法科大学院教授・弁護士)
  量刑についての考え方の変化の兆し
 
 丸の内線「淡路町駅」,同千代田線「新御茶ノ水駅B6出口」,都営新宿線「小川町駅」からいずれも徒歩3分,JR山手線「神田駅」から徒歩8分
 
参加費用 会場費カンパ1000円
 
17時30分からC502号室でパーティを開きます。その参加には実費(4000円程度)の負担をお願いします。
ベテラン法曹には,会場費・パーティ参加費込みで1万円のカンパをお願いします。
 
連絡先 当ネットワーク・コーディネーター小林克美(090-6061-0830
イメージ 1最高裁の暗闘―少数意見が時代を切り開く
(山口進/宮地ゆう著)朝日新聞出版780円
 
最高裁判決は合議の秘密というベールに包まれ、裁判官は判決に至る過程を殆ど語らない。その結果、最高裁の判決は一般的には事件の関係者、学者、関連事件の弁護士以外は殆ど読んでも無味乾燥である。
 
著者らは、この厚い合議の秘密のベールをこじ開け、最高裁判決に至る過程を取材し、どの裁判官がどのような意見を述べ、時には調査官との意見の違いを克服するなどして、少数意見が多数意見に変わったかを明らかにした、初めての著書である。
 
私の知る限り日本の最高裁判決についてこれほど合議の秘密を取材して最高裁判決を解明した著書は知らない。
 
私も最高裁の判決の変わり様には関心を持っていた。
最高裁の方が柔軟か?(司法・裁判3)
最高裁で高裁の判決が破棄されるのが多いことにビックリした。
今年1月から3月10日までに民事・行政事件で合計17件も破棄されていたとして判決内容を解説した。
 
 判決も人次第(司法・裁判15)
最高裁の判決も誰が担当するかにより変わるものだ。
1/24の朝日新聞の31面に最高裁裁判官だった滝井繁男さんのインタビューが掲載されていた。取材は東京の司法記者クラブの山口進記者。一読の価値あり。
 
しかし無原則に評価もできないことも指摘した
 最高裁の無慈悲な判決とその裁判官の横顔(司法・裁判22)
 
最高裁の暗闘―少数意見が時代を切り開く」の一読をお勧めする。
 
目次に沿って説明する。 
第1章      最後の砦 揺れる死刑  
 
第3小法廷が山口県光市の母子殺害事件の広島高裁の無期懲役を検察官が上告したが当初は、2対2で意見が分かれた。
 
退官前の濱田邦夫(弁護士出身)が裁判長であった。この第3小法廷が調査官に両方(高裁の無期懲役判決を上告棄却するか破棄差戻)かの判決文を作成させ、どちらが世間に説得力があるかと議論した。  
 
最終的には「特にくむべき事情が無い限り、死刑の選択をするほかない」とし破棄差し戻した。永山事件では「極刑がやむを得ないと認められる場合には、死刑の選択も許されるものと言わなければならない」から「死刑の選択をするほかなし」の要件に変わったという。
 
 
その他の法廷の裁判官の死刑を巡る判決と比べて取材しており非常に興味深い。
 
第2章      地殻変動 選挙権が認められるまで
 
2005年9月外国に居住する日本国民の選挙権を認めた最高裁大法廷判決が生まれる過程を取材した内容を記載している。
 
私はこの最高裁判決を見て、「最高裁は変わってきた」という印象を強く持った。
第一に立法の不作為を認めたことだ。今までの判例は立法裁量という国会のサボタジューを合法化する理屈が裁判所を支配しでいたからだ。
 
第二に、行政事件訴訟法上の「確認訴訟」も認めたことだ。最高裁は以前に確認訴訟は認められる場合を意識的に狭く解する判決を出した。その結果、「行政事件における確認訴訟」は有名無実化していた。
 この二重の厚い厚い壁をひっくり返してしまったことに当時、非常な驚きを覚えた。  
 
ところでこの事件の山口記者らの取材結果を読み再度驚いた。  
 
当初はこの事件は第2小法廷に係属した。最高裁調査官の報告は「上告棄却相当」であった。しかしこの事件の主任は福田博(外交官出身)で、海外経験から「日本は一流の民主主義国家でない」という批判を受け、「選挙権の不平等は2世、3世議員を生み出す」土壌となっているという原体験から調査官に「知恵をもっと出せ」と迫った。第2小法廷の福田、滝井、北川裁判官も同じ意見であったのか、大法廷に回付することを決定した。
 
当時の町田長官も違憲説に賛成し、しかも司法改革の流れとも合致し、画期的な最高裁大法廷判決になった。
民事裁判官の上田豊三と社会保険長の長官だった横尾和子は国会の裁量権を侵害するとして反対意見になったという。
 
外交官出身最高裁判事などは国家政策を擁護するばかりの御用判事かと思っていた。しかしこの判決の原動力に、福田博裁判官の役割が評価されている。レヤーケースもあることにも驚いた。
 
この最高裁判決を引用する
 
第3章      正統と異端 「藤山判決」を追って
 
この章では2000年から2004年まで東京地裁の行政部の藤山雅行裁判長の「司法積極主義」が最高裁にどのような影響を与えたかを検証している興味深い内容である。
この内容は以下の私のブログに触れたので省略する。
最高裁、変化の兆しか(司法・裁判7)
 
第4章      伏流水 国籍法違憲判決の舞台裏
 
国籍法違憲の最高裁大法廷に至る判決を内側から取材した内容で興味深い。
 
才口裁判官が主導したようであるが、彼は最高裁時代にまともな判決を書いていない弁護士出身の判事の一人と思っていた。
前記外交官出身の最高裁判事と同様、隠れた一面もあったのだ。
 
1 国籍法3条1項が,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子について,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した(準正のあった)場合に限り届出による日本国籍の取得を認めていることによって,認知されたにとどまる子と準正のあった子との間に日本国籍の取得に関する区別を生じさせていることは,遅くとも上告人らが国籍取得届を提出した平成17年当時において,憲法14条1項に違反していたものである。
2 日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子は,国籍法3条1項所定の国籍取得の要件のうち,日本国籍の取得に関して憲法14条1項に違反する区別を生じさせている部分,すなわち父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得したという部分(準正要件)を除いた要件が満たされるときは,国籍法3条1項に基づいて日本国籍を取得する。

(1,2につき補足意見,意見及び反対意見がある。)
 
米国編 リリーの訴え、判事の怒り。そしてオバマが署名した
 
アメリカアラバマ州の、りりーという女性労働者が賃金差別を受けていることが判明したので連邦地方裁判所に訴えた。地裁は原告りりーの主張を一部認めた。しかし連邦最高裁は公民権法に「最初の差別があってから180日以内に提訴しなくてはならない」という条文に違反するので訴えが遅すぎたとして5対4の僅少差で原告を敗訴させた。
 
ところが、反対意見のルース・ギンズバーク女性判事は「賃金差別を180日以内に知ることは不可能。差別は長年の蓄積で現れることもある。最高裁はこれまで公民権法に対して歪曲した法解釈をしてきた。今回の最高裁の決定も本来法が目指職場の差別撤廃とは相いれない」「連邦議会はこの状態を変える権限を持っている」として自らの小数意見を法廷で読み上げた。
 
オババはこの小数意見を早速取り入れ法案の準備に着手し、2009年1月大統領に就任9日目にこの法案に署名した。
小数意見であっても社会、法律を変える感動的なドラマというより現実の一例である。
 
終章 最高裁はどこへ  
この章では最高裁裁判官がどう選ばれるかを問題提起している。 
15人のうち6人は裁判官出身、うち事務総局経験者が殆ど。これからの時代には裁判実務を経験した裁判官より、広く多様な立法、行政経験もした裁判官も有用と述べている。
 
弁護士会推薦が4名。弁護士会推薦は東京弁護士会、第2東京弁護士会、第1東京弁護士会、大阪弁護士会の『株』となっている実態が述べられている。
大阪弁護士会では最高裁の判事推薦方法は17年ほど前は、大阪弁護士会の会長経験者らが「あの人は良いか」程度で推薦していた。時には義理と人情で選ばれる傾向が大いにあり、多数意見に組する判事ばかりを大阪弁護士会が推薦するとよく揶揄された。
 
そのような中で、最高裁判事の推薦に疑問を持つ当時の司法問題対策委員会で、「最高裁判事推薦検討PT」を作った。私もこのPTの責任者に入り、最高裁の元判事、日弁連会長、大阪弁護士会の会長経験者からヒヤリングをして1994年に次のような推薦制度に提言した。
 
  最高裁判事推薦委員会を設置する。委員の数は30名とする。
  その委員会に最高裁の候補者をよび意見を述べて貰い質問をする
*最高裁判事になって何をするのか
*今までの最高裁判決の問題点はどこにあると考えるか
  などを聞き質問する。候補者はそれに答える。委員30名であるが、い  わば公聴会である。
  最後に無記名投票をして30名中20名以上の賛成がないと推薦しない。
大阪弁護士会ではこの制度のあと河合伸一、滝井繁男、田原睦夫が順次推薦され最高裁判事になっている。大阪弁護士会のよしみで評価するわけではないが、かなり最高裁で頑張っている。
 
日弁連の推薦方法も相当改善されているが、順番があり単位会の「株」制度があり、単位会で推薦されてきた人物を日弁連でNOとは言いにくいようだ。
 
 わずか2件しか個別意見を書かなかった中川了滋(第1東京弁護士会元会長)も日弁連の最高裁判事の推薦のあり方の一例として問題とされているが、第1弁護士会などは旧態同然の推薦方法をしているためであろうか。
 
裁判所から選ぶ6名の判事、検察庁からの2名、弁護会の4名、行政官からの2名、学者1名の「株」制度を改め、公平、中立な30名から50名前後の学者などから構成される「最高裁判事推薦委員会」を作りそこで推薦された人から内閣が選ぶべきだと思うがこの改革は、全くさぼられている。
 
最後にこの著者らにお願いしたい。
 
最高裁判事や関係者は自分達が関与した判決について「話さない」ということを「美徳」と考えている人種達によくぞここまで取材し明らかにできたと驚いている。おそらく最高裁判決を内部から取材して書いた歴史的な著作となろう。
 
 アメリカの最高裁のこれこそ本当の「暗闘」を書いた「ブレザレンーアメリカの最高裁の男たち」ボブ・ウッドワード&スコット・アームストロング中村保男訳がある。(1981年3月発行。株式会社テイビーエス・ブリタニカ出版)
 
1969年から1976年の7年間のアメリカ最高裁判決の内幕を詳細に取材して書いた本であり、この本を読んだ時はアメリカの最高裁判事の積極性には驚かされた。というよりショックを受けた。日本の顔の見えない最高裁判事とあまりにも違うからだった。
 
この著者らは、「最高裁裁判官同士が部内でやり取りした書簡、会議で取ったメモ、未発表の意見草稿など数千頁に及ぶ資料」を入手し詳細にこの7年間の最高裁判決を取材して書いている。
 
山口進/宮地ゆう記者さん
 
次は「ボブ・ウッドワード/スコット・アームストロング」に負けないような日本の最高裁の暗闘を書いて貰いたいものだ。
 
特捜部を含む検察庁改革の視点と方向
 
郵便特例不正事件で特捜部の検事が証拠隠滅をしていた事が発覚し、特捜部のあり方がその存続の是非を含めて国レベルで検討されようとしている。この問題を検討する出発点は、検察庁の本来のあり方とその機能、弊害と原因、そしてその是正方法は何か、ということになる。
検察庁の役割は、社会の不正・犯罪を司法上の処分で取り締まることであり、そのことにより社会や市民の不安を除去し、怒りをおさめ、国民の正義感を充実させ社会の秩序を守ることである。検察庁はその機能を果たすために犯罪の起訴不起訴の独占的権限を持ち、取り調べ・証拠収集について絶対的権限を持っている。検察庁のあり方は起訴・不起訴のあり方に集約される。
  検察庁が巨悪に対決し、その使命を果たしてきた面も首肯できるが、検察庁も行政権力の1つであることから、その起訴・不起訴に政治性が絡まり、国民が納得できなかった事例も相当あったことも事実である。
  検察庁の弊害をなくす為の1つの柱が、検察庁の政府からの独立性の確保であり、もう1つは検察庁の政治性や独善性の阻止である。
  まず不当な不起訴を防止する方法としては、検察審査会の充実であり、強制起訴権限の外、検察審査会への申し立てを告発告訴人に限定せず、広くその他の国民の申立権を認めるべきである。また、捜査不十分の決議の時は検察官以外の者、例えば特別選任の弁護士に捜査権限を付与すべきである。検察審査会は対審構造とし、告訴側と被疑者側の主張を審査会で聴取する方式が望ましい。また、告訴告発がないがしろにされる事を防止するために、不起訴の場合は検察庁にその説明責任を課すべきである。
不当な起訴を防止する為には、被疑者の取調べに弁護人が立会う権利を認めることが最も簡易で有効な方法である。
  また、取調べの可視化や起訴前の保釈制度を作ること、起訴された後は裁判で告訴権の乱用の主張が十分審理されるよう法整備をするべきである。
起訴・不起訴を含めて民間人で決める大陪審制度の導入も検討価値がある。
  無罪となった時は在宅起訴でも十分な補償は当然である。
  なお、今回の不祥事件は氷山の一角であり、その一因に、法曹に魅力がなくなり、検察官だけではなく、弁護士や裁判官に優秀な人材が集まらず、基本的資質が低下しているのではないか、その対策となると大規模な育成環境の改善から考察しなければならない。
  最後に、検察のあり方に国民の声が反映されることが基本的課題であり、検察庁と弁護士会、民間人、マスコミらを入れた定期会合が開催され、検察行政の透明化をすすめることが今後の基盤作りとなる。
  特捜部の存続については、巨悪についての捜査の必要性と弊害の防止の為の上記諸方策の積極的採用を前提に特捜部は生まれ変わって存立することがよいと考える。
2010年年12月
 弁護士 辻    公   雄
TEL 06-6945-0308  FAX06-6945-0691


私の親しい、また尊敬する辻公雄弁護士(大阪弁護士会)と先ほど特捜部の在り方について、議論した。そのときに君のブログに投稿させてくれということで投稿があった。紹介する。私も基本的には同意見。

全15ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事