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≫IXIや日本IBMなど捜索 架空循環取引事件。朝日新聞2007年02月28日10時56分≪
いつもながら、これらの架空環状取引事件には、商社や、リース会社が必ず登場する。
しかも、これらの商社やリース会社は「どうやら架空取引に巻き込まれた」とか「わが社は被害者」と
あたかも第3者的で、被害者的に振舞う。
しかし、小さい金額ならともかく、何十億円とか何百億円の被害とかなると、実際はこれらの商社やリース会社の介在が、この損害を巨額にしている最大の「主犯」の可能性がある。
架空、環状商品とは知らなかったとかいう「常套句」はいつも白々しい。
これらの会社は十分に調査すれば、商品の架空の発見は容易。
≪架空循環取引の元祖は、歴史的に見ると、商社の在庫融資、や商社金融が始まり≫
普通の金融であるなら、メーカーが銀行から金を借りて返すという取引。この間には商品が介在しない。
そのメーカー会社に信用がない場合に、銀行は金を融資をしてくれない。
そこで商社が、そこの会社の商品を使って実質金融を行なう。これが、在庫融資という。
B商社が、Aメーカーの会社の商品を1億円で買ってあげて、金を払う。
その後=例えば6ヶ月後に、B商社から、Aメーカーは、その商品を1億5百万円で、買い戻す。
この場合のAメーカーの利益は、銀行から1億円の金を借りる信用がないが、B商社から、1億円の実質的に融資を受け、6ヶ月後に「利息500万円」を付けて返すというやり方でB商社から融資を受けたようなもの。B商社はこの6ヶ月の間に1億円を活用して、500万円の手数料が稼げる。
双方にとってプラス。
商品は、当初から買い戻す約束だから、Aメーカーの倉庫にある。
以上が原則形。
ところが、このような取引が繰り返されると、商品がなくとも、AB間の信用により、このような商品の売買形式をとって、金融が行なわれる。この場合は商品があるかのごとく伝票操作でいわゆる「架空」売買が行なわれる。
この場合の取引は売買という形式を利用した、金融であり、無名契約で有効だという判例が多い。
売買である以上、目的物が不存在だから、無効という判例もある。
≪B商社やリース会社の通常の取引はAとC間の「介入取引」にある≫
B商社がAメーカーとC客先の間に入り、Aメーカーの商品を買い、早期に代金を支払って資金繰りを助け、その商品を次にC客先に対して売り、希望通りの長期で、売ってあげて、その期間の差のリスクと金利を負担し、その代償としてマージンを得る取引が介入取引である。
これが正常取引。
ところが、この3社間の取引が繰り返されると、商品がないのに、伝票だけで、「商品」の売買が行なわれた形で「介入取引」の形が行なわれる。これはB商社が、Aへのを実質融資を行なう取引である
これも、3社間に商品がないという認識がある場合は、3社間の取引は、実質は金融契約で有効だという判例も多い。
契約の形式の売買に注目すれば、無効になる。実態の金融に注目すれば、無名契約で有効
となる。
以上の商社、リース会社の商品がなくとも「金融取引」や「介入取引」が大規模に行なわれると
ドンドン多数の当事者が登場する。商社、リース会社が、ある1社ばかりでは与信限度があるので
新たな取引者を探す。リース、商社が介在しているので、多くの誘われた会社が参加する。
A−B(商社)−CーDーEーFーG−A
A−B(商社)−H−I−J−K−A
AーL(リース会社)−M−NーO(A子会社)−A
A−P(リース会社)−Q−R−S(A関連会社)ーA
というように、多数の複雑な環状の組み合わせが作られる。
環状取引といわれるのはAから始まり、A、又はA関連会社、Åに終わるからであるが
上記のような取引が極めて多数、複雑に作られる。
この間の環状取引に商品があれば、問題がないが、実際は商品の有無ははあまり関心がなく、伝票操作で、環状取引が行なわれる。商品がないから、途中で終わらないで、最後はAに戻る。
伝票で売買が出来るから、この取引は膨大に膨らむ。
これらの会社が健在な間は商品の有無も問題とならず、A以外は、手数料が稼げる。Aは金融を受けるのだから利益にもなる。お互いに紛争が生じない。
とろろが、この中の例えばDが倒産すると一挙にこの取引の矛盾が生じる。
CはDに商品を売った形だが、Dが倒産した為にDから代金が入らない。とろがCはBから商品代金の請求を受ける。そこでCはBに対して商品がない架空取引だから、この取引は無効という主張をして、代金の支払を拒否する。
他方Dの破産管財人は、代金をCに払っておれば、Cに商品がないのに金を払ったから、不当利得の返還請求をしたり、又はEに、商品を売ったので、売買金の請求をする。Eは商品がないから、その支払
を拒絶する。こうなると、EはFに、FはGに、GはAにと順次係争が広がる。
本件の場合はIXI社に環状架空取引をする事情があったようだ。
すなわちA社に異常な売り上げや、資金の異常な必要性があった。
このA社に対して、Bリース会社がこの取引を拡大した。
この間のAが、商品を架空で売り、Bは知らなかったとかなると、AのBに対する詐欺罪で立件される
リース会社への詐欺事件として今までAの担当部長らは、起訴され、有罪になっている事件も多い。
私は、今までC社であったり、E社であったりG社の代理人であったりして民事事件に関与した。
しかしBの商社や、リース会社の担当者は知らないはずは普通はないと思うが、「不思議」に知らなかったという弁明をする。
「わが社の取引規定には、キチント商品の有無を確認し、そして現地に行って物を確認するという大原則がある。そして担当者もキチンと確認した。てっきり騙された」という。
普通はA社だけではこれほど大規模な架空環状取引にはならない。
A社の取引を膨らませたのは、これらのB商社やPリース会社が介入した結果だと思うが、裁判官は、大会社である商社、リース会社の法廷での弁明を信用する傾向に陥りがちだ。
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IXIや日本IBMなど捜索 架空循環取引事件2007年02月28日10時56分
東証2部に上場していたソフトウエア開発会社「アイ・エックス・アイ」(IXI)をめぐる架空循環取引事件で、大阪地検特捜部は28日、元常務らに対する特別背任容疑で、IXI本社(大阪市淀川区)や取引先の日本IBM大阪事業所(同市西区)、リース大手の東京リース本社(東京都新宿区)などの家宅捜索を始めた。特捜部は捜索で押収した資料を分析し、元常務らが関与したとされる不正取引や、数百億円に上るとみられるIXIの粉飾決算疑惑の全容解明を急ぐ。
証券取引等監視委員会も同日、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、特捜部と合同で強制調査に乗り出した。
調べでは、元常務らは昨年、日本IBMが東京リースに発注した業務用ソフトウエア開発取引に絡み、本来なら日本IBMが東京リースに支払うべき代金をIXIが支払うとする契約を締結。IXIに約103億円の必要のない債務を負わせ、損害を与えた疑い。
元常務らは、IXIが東京リースから製品を仕入れて日本IBMに転売したように装った発注書などを偽造。05年ごろから、実在しない商品を帳簿の上だけで十数社を介在させて動かし、売り上げを計上する「架空循環取引」を繰り返していたとみられる。
民間信用調査会社などによると、IXIは89年設立。04年に東証2部上場したが、今年に入って大阪地裁に民事再生法適用を申請し、上場廃止となった。日本IBMは世界最大のコンピューターメーカー「米IBM」の日本法人として37年に設立。05年12月期の売上高は1兆3027億円。
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